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アスピリンに認知症の予防効果なし、豪モナシュ大学研究

2020.04.19

アスピリンに認知症予防効果なし

数百万人もの米国人は、心血管疾患予防のために低用量アスピリンを毎日服用しているが、アスピリンを服用しても認知症予防にはつながらない可能性があることが、モナシュ大学(オーストラリア)のJoanne Ryan氏らが実施した大規模なランダム化比較試験(RCT)で示された。

プラセボと比べて、アスピリンを服用してもアルツハイマー病などの認知症リスクは低下せず、認知機能の低下も遅らせることができなかったという。研究結果の詳細は「Neurology」3月25日オンライン版に掲載された。

アスピリンには心血管疾患の再発予防効果があるほか、炎症を抑え、血栓形成や脳血管の狭窄を防ぐ作用があることから、アルツハイマー病をはじめとする認知症の予防にもつながることが期待されている。

Ryan氏らは今回、心血管疾患や身体障害がなく、認知症と診断されていない70歳以上の高齢者1万9,114人を対象に、アルツハイマー病などの認知症や軽度認知障害(MCI)のリスク、認知機能の低下度をアスピリンとプラセボで比較するRCTを実施した。

試験では、被験者を、アスピリン100mgを毎日服用する群と、プラセボを服用する群にランダムに割り付けて比較した。ベースライン時には、全ての被験者に思考力と記憶力のテストを実施し、その後、中央値で4.7年間の追跡を行った。

追跡期間中に575人が認知症を発症した。解析の結果、認知症、アルツハイマー病またはMCIのリスクに両群間で差は認められなかった。

また、認知機能の低下度も両群間で同程度であった。なお、これらの結果は、性別や民族、試験開始時の健康状態に関係なく一貫して認められたという。

Ryan氏は「残念ながら、今回の大規模なRCTから、アスピリンには認知機能の低下を遅らせる効果は期待できないとする強固なエビデンスが得られた」と結論。

「今回の研究結果は高齢者の医療ケアに強く関連するもので、認知機能の低下抑止を期待してアスピリンを処方すべきではないことを示している」と説明している。

認知症は公衆衛生上の重要な課題の一つであり、認知機能の低下を防いだり、遅らせたりする治療法の開発が世界中で進められている。しかし、認知症の根本治療薬はいまだ開発途上にある。

米メイヨークリニックの神経科医であるDavid Knopman氏は、付随論説の中で、「今回の結果は期待したようなものではなかったが、今後の認知症予防薬の開発を進めていく上で役立つものだ」と指摘。

Rayan氏と同様に同氏も、「残念ながら、今回、アスピリンは認知症予防に効果はないとする明確なエビデンスが得られたようだ」と述べ、認知症の予防効果を期待してアスピリンを服用すべきではない」と呼び掛けている。(HealthDay News 2020年3月25日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://n.neurology.org/content/early/2020/03/25/WNL.0000000000009277

構成/DIME編集部

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