
先行きの見えない今の世の中。会社員の月給以外に、収入源をいくつか確保したいとの思いから、副業や複業に興味を示している人は多いに違いない。
そんな副業のニーズを探るべくこのほど、全国の会社員800名を対象とした「副業」に関するアンケート調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。
副業したい人は多いが、禁止している会社もいまだ多数
■副業している人はまだ約1割
副業をしている人10.9%に対し、副業をしていない人は89.1%であることがわかった。すでに副業を始めている層を年齢帯で見ると、男性で30代、女性で40代が多いことが明らかに。
■約半数が副業は禁止されていると回答
全回答者のうち、副業が認められている会社員が30.8%。禁止されている会社員は49.88%。勤務先の制度周知が十分ではないのか、副業が認められているかどうかわからない人も2割近くいることがわかった。
■副業を始めたい人は過半数超え、特に男女とも20代が意欲的
副業をしていない人のうち、副業をしたいと思う人は「すぐにでもしたい」、「いずれしたい」を合わせると64.3%と過半数を超える結果となった。特に「すぐにでもしたい」20代は3人に1人いることがわかった。(男性20代 38.0% 女性20代 30.0%)
副業はキャリア開発に好影響をもたらす?
■副業をしたい理由は「収入」に次いで「キャリア開発への期待」が多い
副業未実施者の「副業をしたい理由」は「本業以外の収入を得たい」が圧倒的に多い結果となった。
次いで「自分のキャリアを広げたい」「スキルを活かしたい」「人脈を広げたい」といった、自身のキャリア開発への意識の高さが読み取れる。
■会社が副業を認めてくれることへの期待は高い
副業を実施する際にどのような支援内容があれば課題解決できるかについては「会社が副業を認めてくれる」が最も高く、次いで「税金等のお金に関する情報提供」となった(複数回答可)。
■すでに副業している人の約7割がキャリア開発を実感!
「副業は自身のキャリア開発につながると思いますか」の問いに対して、副業をしている人の70.5%が、「とてもそう思う」、「ややそう思う」と回答した。副業がキャリア開発に繋がると実感している割合が高いことが分かった。
■調査結果を受けて……弊社働き方改革コンサルタントのコメント
本調査で見えてきたのは、「若手ほど将来に不安を感じ、副業という手段に可能性を感じている」ということです。
2020 年代は、本格的に労働人口が減少していきますが、企業は人材を「囲い込む」のではなく、敢えて社外に越境させて、自律的なキャリア開発を支援していくことが必要になるでしょう。その結果、社員はその機会を提供する企業に感謝し、本業での活躍のために自ら成長していきます。
副業を「禁止」するか、「管理」するか、むしろ促進し「支援」するか?この選択が、企業の持続的な変革と、日本の未来を担う次世代の可能性を拡げていくことに繋がっていくでしょう。
(パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 ワークスイッチコンサルティング シニアコンサルタント 成瀬岳人)
■調査概要
調査日: 2019年12月10日(火)~12月12日(木)
対象:男女・20~59歳・現在の職業が会社員(勤務先の従業員数が300人以上)で、役職が部長、課長・係長・主任・一般社員クラスの800名(副業実施者400名、副業未実施者400名)
調査手段:インターネット定量調査
出典元:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
構成/こじへい
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