今、クラフトビール業界で女性ブリュワーが増えている理由

　クラフトビール界で女性ブリュワーたちの活躍が目立つようになった。

　東京・大塚「NAMACHAん Brewing」の醸造長を務める米澤美里さんは大学2年の秋、たまたま訪れたビアフェスでビールのおいしさに触れたことがきっかけで、〝新卒〟でこの道に入った。

「友達にもこのおいしさを知ってほしい、多くの人に知ってほしい！」。それならブリュワーになるのが一番の近道というわけだ。

　山梨・甲府のアウトサイダーブルーイングの醸造師、小林桃子さんはパブのアルバイトからブリュワーに転身した。図工や料理が大好きな職人気質だったからか、醸造の奥深さにハマッたという。

　再開発で街が一変した東京・二子玉川で5年前、「ふたこビール醸造所」を立ち上げた市原尚子さんの場合、「地域のコミュニティーを盛り上げるプレゼン大会で、二子玉川にはクラフトビールがないねという話になって」造ることになったという。

　彼女たちは筋金入りのクラフトマニアでもビアギークでもない。目指すビールはそれぞれだが、大手とはひと味、ふた味違う味わい、フレッシュさ。こだわりも個性もありながら、それらを突出させない絶妙なバランス感覚を併せ持つ。

　一方で、〝地ビール時代〟から醸造界で生きてきた大下香緖里さん（箕面ビール）、三好ちづ子さん（京都町家麦酒）など、ベテランブリュワーの存在も見逃せない。

「ブリュワー志望の新卒の問い合わせが増えています。女性もいますよ」（箕面ビール）

　飲み飽きないビールをお探しのあなた、女性ブリュワーのクラフトに注目してみてはいかが？

ハーブティーのブレンドも醸造に生かしています

OUTSIDER Brewing　小林桃子さん

手動の仕込み釜に300Lのお湯と100kgの麦芽を入れて撹拌。茶でも柔軟剤でも何十種と原材料を集めてブレンドするという小林さんは、20代半ばに醸造の世界に引き込まれた。

15種のモルトのブレンド技が隠し味です

ココで飲める！「Hops & Herbs」

住所／山梨県甲府市中央1-1-5 ミヤザワビル2F　営業時間／17:00～24:00、土・日12:00～24:00
定休日／火　電話／055・225・2012

毎晩飲みたくなる味を目指して日々研究！

NAMACHAん Brewing　米澤美里さん

大学在学中にブリュワーを志望。キャリア2年目ながら個性の強い燻製麦芽を使いこなし、スモーキーに仕上げている。料理が大好き、外食先でも気になる味の分析に余念がない。

自家製の燻製麦芽で仕込んだビールはスモーキー！！

ココで飲める！「Smoke Beer Factory 大塚店」

住所／東京都豊島区南大塚1-60-19　営業時間／17:00～翌1:00、日17:00～23:00
定休日／月　電話／03・3942・0180