■連載/カーツさとうの週刊★秘境酒場開拓団
愛すべき呑み屋業界が、大変なことになっている。
もちろん、あのコロナのクソ野郎のせいである。
正直いって“呑みに行く”なんてのは“不要不急の外出”の四番バッターみたいなもんだろうし、“呑み会”なんつったら“三密”の決定版だ。
だから2020年の4月初め時点で、複数人数での呑みは、オレもかなりのごぶさたである。
一日も早くコロナを終息させ、なんの心配もなくまた呑みたいからこその呑み会自粛状態である。
呑みたいから、呑まないってヤツだ。
ただ、あんまり自粛ばっかりしていると、このクソコロナ騒ぎが終息したのはいいけれど、肝心の呑み屋すらも終息しちゃうんじゃないか? そこにエラソーにいうと本当に心痛めている。
企業がやってるような体力のある店はまだいいけれど、家族経営でやってるような店は、本当に大変な状況であることはバカでも想像がつく。そんな店にちょっとでも貢献できることはないのか?
不要不急の外出ではなく、どうしても外出しなきゃならない仕事の帰りに、三密を避け、感染リスクをできるだけ少なくして、ちょっとだけでも呑み屋に、まぁ前から変わらない安い呑み代ではあるけれど、ちょっとだけでもお金を落としていきたい。
この場合の感染リスクを少なくするっていうのは、自分が感染しないというよりも、むしろ自分は感染者なんだけど、それでも人に感染させないような気持ちで臨む、呑み方体制ってないのか?
そんな呑み方体制を日夜考えて、とりあえずまとめてみた。
○もちろん一人呑み。
○用があっての外出の帰りだけ。
○潜伏期間が最大14日らしいので、せめて十日に一回だけ。
○入店前に持参している消毒液で手を消毒。
○続けて、入店時に触ったドアから手にウイルスが付着する可能性もあるので、入店したら、店内でなにかを触っちゃう前にもう一度手を消毒。
○入る店は、入店時点で空いている店。これは三密の一つの密集を避ける意味もあるが、混んでる店にお金を落とす必要はない。
○カウンターの片隅に座る。このご時世、空いてる店では隣に客はいない。
○店内での会話は、店員さんとの酒と料理の注文だけ。カウンターだと、カウンターで前を向きながら、メニューに目を落とした姿勢で注文する感じなので、店員さんと直接向き合うことも少ない。カウンター越しに注文する時もあるが、なるべく下を向いて、小声で、とにかく飛沫を飛ばさない。口を動かさない東北弁的発声を心がける……実際、東北はコロナ感染者が少なめなんだけど、東北弁って関係あんじゃないかな~。
○酒は3杯まで。呑みすぎると、上に書いた戒めも破りそうなんで。
○退店したらまた手を消毒。
まだまだ不十分な部分もあるかもしんないけど、とりあえずこんな感じを徹底して、これも呑み屋業界の為という、偽善っぽく聞こえてもしょうがないイイ訳を自分に言い聞かせて、2月末に久しぶりに呑んだ店が、西小山のヤキトン屋『I(仮名)』。