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【仕事の裏側】ショップジャパン バイヤー・マヤンク ウママヘスワさん「ワンダーコアのヒットが破産寸前の取引先を救った」

2020.04.09

 気になる”あの仕事”に就く人に、仕事の裏側について聞く連載企画。第4回は、インパクトのある商品でおなじみのテレビ通販「ショップジャパン」のバイヤー、マヤンク・ウママヘスワさんの仕事について。実は「ワンダーコア」を大ヒットさせた仕掛け人の一人だ。彼はどうやって通販業界のヒットメーカーになったのか。

英会話講師からバイヤーへ

 両親はインド出身ですが、私はケニア生まれカナダ育ち。2006年に来日し、英会話講師の仕事を経て、2012年にオークローンマーケティングに入社しました。ショップジャパンで取り扱っている商品の多くは海外から輸入したもの。私の仕事は、プロダクトセクションで、アメリカ、ヨーロッパ、中国など世界中のサプライヤーと交渉し、商品を仕入れることです。年3回開催される展示会で商品を探すこともありますし、中国の工場や貿易会社を訪問し、サプライヤーや商品の新規開拓も行っています。

アメリカンサイズの巨大オーブンの提案に困惑することも

 世界各国から商品の提案をいただきますが、日本の市場や住宅事情などを理解していないサプライヤーも多いです。テレビ通販会社自体、そう多くないので、同じ商品が世界中で売られています。しかし、国が違えば、嗜好や家の広さも違います。「他の国では売れているから日本でも絶対に売れる!」と、キッチンがいっぱいになる程大きいオーブンを提案されたこともありました。「いったいこのスペースのどこに置くの?」と、友人宅のキッチンの写真を見せて、日本の一般的な家のサイズを理解してもらいました。実際にショップジャパンで売れている商品を紹介したり、小売店を一緒に回るなどして、日本やショップジャパンのことを知ってもらう「教育」も仕事の一つです。

ヒット商品に不可欠なのは 「Wow!」 と「 before after」

 商品選びで重視しているのは、「Wow!」と「before after」。お客様がその商品を見た時に驚きがあるか。使ったことでお悩みを解決できるか。いくら素敵で機能が良いものでも、それらが欠けている場合は採用しません。

 ショップジャパンはオンリーワンの商品でスモールマーケットを広げるのが得意です。まだ電気圧力鍋が浸透していない時に発売した「プレッシャーズキングプロ」は、90万台を売り上げる大ヒット商品となり、2018年度の電気圧力鍋市場で売上1位を獲得しました。

販売できる商品は1%未満

 私たちが発掘した商品全てが販売されるわけではありません。顧客ニーズや競合の商品ラインナップなどの市場調査をした上で、勝機がある商品は日本人向けに改良され、安全性の試験を受けます。すべてクリアしたものだけがようやく生産、販売に至ります。年間100商品発掘しても、実際に販売できるのはそのうちの1%未満。この工程で約1年かかります。その代わり、無事に販売できた商品のインパクトは大きい。ヒット商品ともなれば、100億円単位の売上になります。同時にトラブルが起きた時のダメージも大きいということを再認識した出来事がありました。入社して3年目、大ヒットしたフライパン「セラフィット」の新バージョンを担当していたのですが、発売前に、サプライヤーの方で問題が起き、発売日には間に合わないと連絡を受けました。1ヶ月の遅延で、どれだけ損失が出るのかわかっている分、「なんとかしなくては。」と、プレッシャーを感じました。しかし、担当者で打ち合わせをしようも、時差の関係で、関係者のいるドイツ、日本、中国の足並みが揃うのは18時以降。深夜までかかることも多く、2週間は寝る間を惜しんで働きました。結果、最小限の遅延に抑えることはできましたが、今でも苦い思い出です。

「売れなければ破産していた」ある会社の運命を変えた商品

 2013年にあるサプライヤーから提案された運動器具がありました。一度日本での販売を試みたけれども失敗、海外でも失敗。「全てをかけて開発したのに。」と、商談に来たサプライヤーの社長は切羽詰った様子でした。実はそれが「ワンダーコア」です。ショップジャパンでは、まず初めに、購入者分析を行いました。実際に「ワンダーコア」を購入した方に、購入理由や魅力を感じた部分などをヒアリングしたところ、「体を倒すだけで腹筋」というキーメッセージが生まれました。海外では、いろいろな機能を訴求していましたが、ショップジャパンではあえて、シンプルなメッセージに。そして製作したのが、俳優の宇梶剛士さんにご出演いただいたCMです。「倒れるだけで腹筋ワンダーコア~♪」という耳に残りやすいメロディーと、突然現れる鉄球に宇梶さんがあたって「ワンダーコア」で起き上がるストーリーが受け、一気に認知度が上がりました。道端で知らない子供までもが「ワンダーコア〜」と口ずさむほどでした。その後、「ワンダーコアスマート」を発売し、シリーズ累計300万台を超える大ヒット商品となりました。

 ショップジャパンでのヒットを受けて、世界中の通販会社が「ワンダーコア」に注目するようになりました。サプライヤーの社長は、「オークローンマーケティングがなかったら、会社は破産していた。私にとってオークローンは親のような存在だ。」と喜んでくれました。当時中国の工場の一角にあった彼のオフィスは、現在台湾の高層ビルの上階に移転しています。商品一つで、会社の運命が大きく変わったのです。私は、一緒に問題解決ができるのが本当のパートナーだと思っているので、パートナーと共に成長できるのは嬉しいです。

 現在ショップジャパンは、テレビ通販がメインですが、「テレビ向けではないけど売れる商品」はあります。今後はインフルエンサーマーケティングやデジタルマーケティングにも力を入れ、販売チャネルの拡大を図りたいと思います。

【取材協力】

株式会社オークローンマーケティング 
ニュープロダクトローンチ ディヴィジョン プロダクトセクション
シニアマネージャー マヤンク ウママヘスワさん(写真左から2人目)

https://www.shopjapan.co.jp

取材・文/岡のぞみ
ライター/広報PR。営業、留学カウンセラー、広報の仕事を経て会社員10年目に独立。横浜、湘南を拠点に活動。
http://www.tsunagalo.com

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