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新型コロナウイルス治療薬候補の抗HIV薬「カレトラ」、中国での臨床試験の結果が明らかに

2020.03.31

新型コロナ治療薬候補のカレトラ、臨床試験の結果が明らかに

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンや新しい治療薬の開発が進む一方で、既存の薬剤の中からCOVID-19に有効なものを見つけようとする動きも進んでいる。

例えば、抗HIV薬のロピナビル・リトナビル(商品名カレトラ)や抗インフルエンザウイルス薬のファビピラビル(商品名アビガン)が有効であったことが、国内外で報告されている。

しかし、National Clinical Research Center for Respiratory Diseases(中国)のBin Cao氏らが、COVID-19に対するカレトラによる治療は有効性が示されなかったとするオープンラベル・ランダム化比較試験の結果を「New England Journal of Medicine」3月18日オンライン版で報告した。

COVID-19に対する抗ウイルス薬の候補として、現在、アビガンやトシリズマブ(商品名アクテムラ)など、いくつかの薬剤について臨床試験が実施されている。

同じコロナウイルスが原因で発症する重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に対する有効性が示唆されているカレトラも、そうした候補薬の一つと目されている。

Cao氏らがこの臨床試験で対象としたのは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染が確認された武漢金銀潭医院の重症患者199人。

これらの患者のうち、100人を標準治療を14日間受ける群(標準治療群)に、99人を標準治療に加えてカレトラ(ロピナビル400mg・リトナビル100mg)を1日2回、14日間経口投与する群(カレトラ投与群)にランダムに割り付けた。

標準治療の内容は、酸素補充、非侵襲的/侵襲的補助換気療法、抗菌薬投与、昇圧薬投与、腎代替療法、体外式膜型人工肺(ECMO)を必要に応じて行うというもの。

患者の年齢の中央値は58歳で、そのうち60.3%は男性だった。主要評価項目は「臨床的改善に至るまでの日数」で、「臨床的改善」は重症度スケールで2ポイントの改善または退院のいずれかと定義された。

臨床的改善に至るまでの日数は、両群とも中央値で16日であった。

カレトラ投与群から同薬投与後24時間以内に死亡した3人を除いて解析すると、臨床的改善に至るまでの日数は、標準治療群の16日に対してカレトラ投与群では15日と1日だけ短縮した。28日死亡率については、カレトラ投与群の方が標準治療群よりも低かった(19.2%対25.0%、-5.8%差)が、この差は統計学的に有意ではなかった。

5、10、14、21、28日目にSARS-CoV-2のRNAが検出された患者の割合も両群で同程度であった。

副作用については、カレトラ投与群で標準治療群に比べて、悪心や嘔吐、下痢といった消化器系の有害事象の発生頻度が高かったが、深刻な有害事象の発生頻度は標準治療群の方が高かった。

こうした結果を受けて、Cao氏らは「今回の試験では、重症のCOVID-19成人患者にカレトラを投与しても、標準治療を超えるベネフィットは得られなかった」と結論付けている。

その一方で、症状が現れてから12日以内にカレトラ服用を開始した患者では、標準治療群に比べて、臨床的改善に至るまでの日数が短く(16日対17日)、死亡率も低下していた(19.0%対27.1%)。

このことから、同氏らは、カレトラによる治療を早期に始めれば、効果が得られる可能性も考えられ、さらなる研究が求められると述べている。

この研究論文の編集委員を務めたLindsey R. Baden氏らは、今回の試験結果について「主要評価項目については残念な結果だった。しかし、死亡率については、被験者数が少なかったため慎重に解釈する必要はあるが、カレトラ投与群で若干低かった点は興味深い」と記している。

また、カレトラが有意な効果を示さなかった理由として、対象者が重症な患者集団であったためか、またはそもそもカレトラに抗SARS-CoV-2作用がないかのいずれかが考えられるとしている。(HealthDay News 2020年3月26日)

Abstract/Full Text
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2001282

Editorial
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe2005477?query=recirc_curatedRelated_article

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

構成/DIME編集部

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