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新型コロナウイルスで従来の働き方が見直されている今こそ考えたい、企業の「働かせ方改革」とは?

2020.03.26

 今、世間では新型コロナウイルスにより騒動で大変騒がれており、「働き方」が改めて見直されつつあります。従来も時差出勤や、フレックスタイム制など、ある程度の柔軟な働き方はあったものの、まだまだ対象者は多いと言えませんでした。現在でも多くの方は、毎日決まった時間に通勤し、決まった時間から業務を開始しているという方が多いのではないでしょうか。

 通勤で言えば、サラリーマンという職業は乗車率150%とも200%とも言われるほどの電車に乗り、毎日「通勤ラッシュ」という過酷なイベントにさも当り前のように参加しています。新聞や本を読むのにも苦労をするほどで、乗車中は身動きも取れません。このような状況では職場に着くまでにぐったりしてしまうことは無理もないでしょう。

 職場についても毎日、皆が同じ時間に出勤し同じ時間に仕事をスタートする、仕事が始まったとたんに電話がなり、なかなか自分の予定通りに仕事が進まないこともしばしば。そんな中、「通勤ラッシュ」を避けるため、また電話が鳴り始める前にひと仕事終わらせようと朝は早めに出勤するといった対応をしている方もいるのではないでしょうか。それでも始業時刻が決まっている環境では出来てもそれぐらいになってしまうでしょう。

 日本の労働環境は新卒一括採用などにも見られるようにメンバーシップ型の雇用が多く、OJTや社内教育によって仕事に必要な技術や知識を身につけさせていることもあるので、仕事は一人で完結するものは少なく、一つの仕事をチームで対応することが多くあります。昨今はフリーアドレスを採用している企業もあるものの、それもまだまだ一般的とは言えないでしょう。

 一般的にはオフィスでも「島」といわれるような座席構成になっていてチームのメンバーを見渡せる位置に上長が座り、その周りにメンバーが座るといった形で、すぐに声の掛けられる位置に座ることが一般的なのではないでしょうか。そして、仕事のやり方としても多くの人数が出席して長時間行われる会議、クライアントへの訪問など、どれも今までは仕事をする上で必要なことだという認識で行っていたのではないでしょうか。

今までと同じ働き方でいいのか?

 前述したように通勤では常に大量の人に接触することとなり、通勤に要する時間も全国平均では片道約40分と言われていてこの時間は感染症に罹患する可能性が高まります。もし、通勤がなくなれば感染症に罹患するリスクも軽減されるし、通勤に費やしていた時間も有効に活用できるようになるでしょう。

 また、職場でも仕事をするにあたって島の同じチームの人間が一堂に顔を合わせているため、メンバーの一人でも感染症に罹患した場合にはチームのメンバー全員が濃厚接触者となる可能性が高いでしょう。最悪の場合はチーム全員が感染症に罹患してしまい業務全体が回らなくなってしまうことも十分に考えられます。今までの働き方であると常に誰かと接触している状況から逃れることはできず、新型コロナウイルスやインフルエンザに限らず、感染症に罹患するリスクは避けられない状況ではないでしょうか。

 これらの点を考えると毎日決まった時間に通勤をする必要があるのかが疑問になるでしょう。そして、同じチームのメンバー同士は必ずしも近くで仕事をしなければいけないのでしょうか。また、会議や訪問などの際には顔を合わすことが多いと思うが、これも本当に顔を合わせて行う必要があるのでしょうか。このような疑問が生まれてきます。

新型コロナウイルスによる企業の対応とその限界

 そんな中、今回の新型コロナウイルスの影響で、各企業がいろいろな方法で働き方を模索してきています。在宅勤務、時差出勤、休日への振替出勤、チームメンバーの分散、不要不急な出張の削減、そして会議や訪問はWEBで行うなど各社いろいろな方法で、感染拡大リスクの回避の努力をしています。ただし、大手企業で在宅勤務の対応をとっているところはあるものの、やはり全社員を在宅勤務で対応するには限界があります。

 例えば、企業の機密情報を扱っている部署や、管理部門のように個人情報を多く扱う部署などです。また、工場勤務やショップ店員などの接客業は、物理的に在宅で勤務をすることは不可能な業界といえるでしょう。

今後企業に求められる改革とは

 では、今までは労働者としてどうやったら残業を少なくできるのか、ワークライフバランスをどのようにとっていくのかといった「働き方」の改革を考えてきたわけである。しかし、今回の新型コロナウイルスのような事態が発生してみると、もともとフレックスタイム制や在宅勤務などの制度が整っている企業は既存の制度を利用して労働者自身が柔軟な働き方を選択することが出来ている。

 しかし、多くの企業は制度が整っておらず、労働者は通勤ラッシュの時間の避けることもできず、毎日、感染への不安を抱えながら通勤せざるを得ない状況が続いてしまっているのも事実ではないかと思います。過去に東日本大震災が起こった際に事業継続計画(BCP)の策定をした企業は多かったのではないだろうか。しかし、当時のBCPは巨大地震や津波が発生した場合の内容でしかないものが多いのも事実でしょう。

 今回のような感染症という問題に対しては在宅勤務、出社せざるを得ない状況であれば時差出勤やフレックスタイム制の導入、工場や店頭勤務の場合であれば2m以内での接触を避けるための行動指針など、事業の継続計画も重要な要素ではありますが、安全配慮の観点からも有事が発生した場合に、いかに労働者を安全に働かせることが出来るのかといった「働かせ方改革」という考え方も重要になってくるでしょう。

 今回は新型コロナウイルスといった感染症という問題ではありますが、いつ何が起こるのかわからず状況が目まぐるしく移り替わる中で、今後企業はどのような勤務制度にすればいいのか、また緊急対策をどのように取っていけばいいのか、まさに「働かせ方」の改革が求められており、これを機に真剣に働き方の改善に努める企業が増えることを切に願っています。

文/武田正行

社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所特定社会保険労務士。2008年10月に社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所に入所。2011年9月に労務デューデリジェンスプロジェクト担当に就任、2014年5月に特定社会保険労務士を付記。多数のクライアントより個別労使紛争を含む労務相談を受ける。2013年9月には海外進出プロジェクト担当に就任し、海外進出に必要な労務管理、労働社会保険のアドバイスを積極的に行なっている。

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