
新型コロナウイルスの感染予防のために、各社でリモートワーク体制がとられているケースが多い。そんな今、在宅勤務などのリモートワークではコミュニケーションがしづらくなるなど、従来とは異なる状況に戸惑うこともあるだろう。
そこで今回は、リモートワークにおける社内の相手、取引先との付き合い方や、在宅勤務時の家族との関係のもち方など、コミュニケーション全般のポイントについて、ウーマンネットアカデミー&コンサルティング事務局で在宅事務として働く山口詩保子さんに聞いた。
リモートワーク中の社内コミュニケーション術
まずはリモートワーク中の、社内の人とのコミュニケーションをスムーズに行うポイントを知っておこう。
女性の社会復帰支援や起業支援を行い、在宅勤務をはじめ、起業・経営に必要なIT×Webセミナーを定期開催するウーマンネットアカデミー&コンサルティングに在籍する山口さんは、その在宅事務の経験や知識をもとに、次の3つを挙げる。
1.日々の「報連相」を大事にする
「通常、社内の人とはメールやチャットで連絡を取り合っています。相手が、連絡内容だけを見て判断できるよう、必要に応じてURLや、お客様情報なども合わせて連絡するなど、短文ではあってもわかりやすい連絡をすることを心がけています。急ぎの連絡事項はすぐ送る。急ぎではない内容はまとめて送る、など工夫もしています。
また、メールや作業用のファイルは共有していますが、途中経過や完了報告も、仕事が円滑にまわり、コミュニケーションにもつながる重要なことだと感じています」
2.オンラインミーティングを定期的に実施
「週一回の全体オンラインミーティングと、随時、個別オンラインミーティングをしています。メールやチャットでのリアルタイム報告はしていますが、直接話をすることで、文字だけでは伝わりにくいニュアンスや、社内全体の様子を把握することができます。
また必要に応じて、個別オンラインミーティングで素早い情報共有を行っています。オンラインミーティングは、なごやかな雰囲気で、仕事の連絡だけではなく、コミュニケーションをとる大切な場となっています」
3.家庭環境等も社内共有する
「リモートワークの中でも、在宅での業務を行う場合は、家庭環境等に左右されることがあります。そのため、仕事のできる時間帯、家族の在宅状況、病気時なども連絡・共有しています。状況を共有することにより、急ぎの対応をカバーし合ったり、仕事量を調整したりすることが可能になります。もちろん、事前に決まっていることは、事前に連絡し合うことが、信頼・コミュニケーションに大きく関わってくると思います」
リモートワーク中の社外の人とのコミュニケーション術
リモートワーク中は、取引先や協業会社など、社外の人とコミュニケーションを取ることもある。そうした社外の人と、リモートワークでスムーズにコミュニケーションを行うポイントとして、山口さんは次の3点を挙げる。
1.早めのメール返信を心がける
「リモートワークでは、社外の方とも、顔を合わせずメール連絡となる場合も多いので、メール返信はできるだけ早めに行うようにしています。
メールを送っても、返信が遅いと、不安になる場合もあります。そのため、早めのメール返信は、先方の不安を減らし、安心いただけると思います。確認が必要な場合や、しっかりした回答まで時間がかかる場合は、メールを拝見した旨だけ連絡することもあります。
また、メールをいただいてすぐに返信をすれば、先方が次の業務に移っておらず、まだメール画面を開いたままで、メールを確認できる状況かも知れません。そのため、すぐにこちらから送ったメールを確認いただくことができ、仕事がよりスムーズに運ぶことも多々あります」
2.親切かつ丁寧にメール連絡する
「社外の方とも、メールでの連絡になることが多いので、親切かつ丁寧なメール対応を心がけています。不明な点があるなどで、何度もメールのやりとりになったり、伝えたいことがうまく伝わらなかったりする場合、先方が不安になったり、不快に思ったりすることもあるかも知れません。相手によっては、メールでは質問しにくいと感じる方や、文字説明を読んでも理解に時間がかかる方もいます。そのため、できるだけ質問がこないように、親切かつ丁寧なメール連絡を行い、社外の方とも信頼関係を築き、コミュニケーション向上を目指しています。また、親切かつ丁寧なメールを書くことで、結果的に、メール対応の時間の短縮にもつながります」
3.必要に応じて、途中経過を連絡する
「社内での報告同様、社外の方にもメールで、途中経過の連絡や、完了報告を行っています。会ってコミュニケーションを図れないことが不安になる方もいます。その不安解消につなげるために行うのが、マメな連絡です。
メール文面でも、お礼や季節の変化、体調を気遣う言葉も入れるなど、仕事の内容だけの冷たい印象のメールにならないよう心掛けています。
むずかしい言葉を並べるよりも、わかりやすい言葉を使い、『ありがとうございます』『よろしくお願いします』を忘れずにしっかり伝えることも大切だと思っています」