
多くのホテルが会員プログラムの特典の一つとして「ポイント制度」を導入しているが、J.D. パワーの「2019年 ホテル会員プログラム顧客満足度調査」を見ると、直近に利用した会員プログラムにおいてポイント交換をした経験があるのは加入者全体の36%に過ぎず、残り3分の2の加入者はポイント交換をしたことがないことがわかる。
しかし、ポイント交換の利用経験有無は満足度に大きな影響を与えることがわかった。
ポイント交換の有無で満足度に大きな開き
ポイント交換未経験者の総合満足度が609ポイントであるのに対し、経験者の総合満足度は675ポイントと、ポイント制度を活用しているユーザーは高い満足度を示している。
また、満足度のみならず宿泊意向にも影響を与えており、「会員制度に登録しているホテルにできる限り宿泊したい」という質問に対し、「あてはまる」「まああてはまる」と回答した割合は経験者では77%、未経験者では58%であった。
ポイント交換をしたことがない理由は「特典と交換できるほどのポイントが貯まっていない」が68%で最大となっているが、プログラムによってこの割合は50%台から80%台までのばらつきが見られ、ポイント制度や還元率に違いがあると推察される。
各ホテルブランドは会員プログラムを積極的に展開し、宿泊者や消費者への浸透も進んでいる。しかしながら、満足度向上と継続利用に寄与するポイント制度については必ずしもうまく機能しているとは言えない状況である。会員にとって利便性の高いポイント制度の構築が重要なカギのひとつとなるといえそうだ。
総合満足度ランキングは下記の通りとなる。
第1位:Marriott Bonvoy(715ポイント)
第2位:ヒルトン・オナーズ(687ポイント)
第3位:リッチモンドクラブ(664ポイント)
構成/ino
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