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早期化する妊活の開始時期、3人に1人が「20代後半から」

2020.03.21

「妊活」という言葉が聞かれるようになって久しい。では、妊活は何歳くらいから行われるのがスタンダードで、また、夫婦でどの程度協力体制が築けているのだろうか。

そんな「妊活の今」を知るべくこのほど、全国の10代から60代の男女24,992人を対象とした「妊活」に対する意識調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。

妊活をスタートした年齢は平均「32.1才」。やや早期化傾向にあることが判明

2018年の「32.3才」に対し、やや早期化。特に20代後半(25~29才)の割合が、2018年は23.4%だったのに対し、2019年では28.6%に上昇。約3人に1人の割合で、20代後半に妊活を始めていることが分かった。

一方、35才以上の男女の場合、20代から妊活に取り組んでいるのは1割にも満たない結果に。男女ともに、年齢が上がるほど妊活開始年齢が遅い傾向がうかがえる。

既婚男女の半数近くが「夫婦で積極的に妊活」

妊活に対して「夫婦ともに積極的」(49%)が最多という結果だった。2018年と比較しても少し増加傾向に。

ただし、男女で比較すると、女性のほうが妊活への意識は高く、パートナーよりも「自分は積極的」だと回答した女性が7割いた。

また、男女ともに年齢と比例して、パートナーが「積極的にかかわってくれない」と感じる割合が上昇する傾向に。加えて、妊活意識の差がある夫婦ほど、妊活中に精神的ストレスを感じており、特に女性がストレスをより多く感じている一方で、男性は、3人に1人が「パートナーの精神不安定」をつらいと感じた経験があると回答した。

周囲への協力要請、親への相談も1割程度

既婚男女のうち、「妊活に対して周囲への協力を要請した」人は1割程度。また、「親と妊活についての会話をした」経験がある人は約2割という結果に。

妊活については「家族みんなで取り組むもの」というイメージが最多だったが、一方で大事なトピックスだからこそ周囲への協力や相談には慎重になっていることがうかがえる。

理想の妊活サポート、会社は「時間の融通」、行政は「金銭的なサポート」が最多

会社の妊活サポートに関して、既婚男女の8割近くが「制度がない/分からない」と回答。利用した経験はまだ1割程度となった。行政・自治体の妊活サポートをリサーチした経験があるのは、2割弱。

理想の妊活サポートについても調査が行われたところ、会社の場合は「休み・時間が融通しやすい環境」(19.1%)、「勤務時間短縮・在宅ワークなどの自由な働き方の容認」(18.3%)など、仕事と妊活が両立できる環境への要望が高いことがわかった。

また、自治体に対しては、「金銭的なサポート」(38.9%)が圧倒的多数という結果に。妊活のハードルの最多は「金銭面」という結果と照らし合わせても、妊活を継続するには費用的な負担が大きいということがうかがえる。

若年層の結婚・出産希望時期がやや早期化傾向に

若年男女の結婚希望年齢の平均は「29.4才」。2018年の平均「29.7才」と比較するとやや早期化傾向に。

特に、20代後半(25~29才)での結婚希望が2018年の38.5%から、2019年は41.4%にまで伸張した。

また、第一子の出産希望年齢は、平均「30.9才」。こちらも、2018年の「31.0才」よりもやや早期化傾向となった。

結婚希望年齢と同様に、20代後半(25~29才)を希望する人が増加し、2018年の29.3%から、2019年は32.5%と伸張し、約3人に1人が20代後半での出産を希望していることがわかった。

若年男女の3人に1人が何かしらの妊活への取り組みを実施

将来子供を授かるために取り組みを行っている若年男女は約3割。妊活は、通院や治療だけではなく、日常的な取り組みから始めることができ、若年男女の中でも「カフェインを控える」(若年女性14.7%)や「カラダを冷やさない」(若年女性11.7%)、「適度な運動」(若年男性15.5%)といった、日常生活から始められる取り組みをしている。

さらに、「情報収集」(若年男性9.6%、若年女性8.7%)を行うなど、積極的な行動を取っている傾向もみられる。

専門家によるコメント

■専門家プロフィール(1)

佐藤雄一 (さとう ゆういち)氏
フィーカレディースクリニック 佐藤病院グループ代表 / 産婦人科医
順天堂大学医学部大学院を卒業後、同大学付属病院勤務を経て、現在、産科婦人科舘出張(さんかふじんか たてでばり)佐藤病院 院長。女性の生涯にわたる心身の健康を支援していくことをライフワークと考え、予防医療の観点からNPO法人ラサーナ理事としても活動。

今、自然に子供ができない人が増えています。その理由として「出産年齢の高齢化」、「性交渉の減少」、「夫婦の多忙」が挙げられます。子供がなかなかできないことで、劣等感や焦燥感を抱く人も多いですが、それは特別なことではありません。今、多くの人が同じように悩んでいるので、しっかりと向き合って取り組んでいきましょう。

現場で感じる変化は、以前はひとりで悩んでいる方が多い印象がありましたが、最近では気軽に婦人科にいらっしゃる方が増えたということです。ブライダルチェックや、子供を考えたいから早めに診察を受けるなど、自分の体を知ろうとすることはとても大切なことですね。

妊活はひとりではできないため、協力者の存在が必要不可欠です。夫婦でお互いに悩みを打ち明け合えるよう優しい気持ちで接することも妊活のサポートになります。特に、気持ちに共感してくれる人がいるだけで妻側は精神的負担が軽くなります。

また、社会で「妊活に関する情報をシェア(共有)」している例もあります。最近企業で妊活の講演をしたのですが、企画したのは不妊治療中の女性社員でした。このように先輩が後輩たちに向けて、妊活の知識を広めようと動いているケースも珍しくありません。体験談のシェアは妊活前の女性には大事なことですし、妊活についてオープンに話すことができる職場環境は妊活中の方に⼼強いものだと感じます。

■専門家プロフィール(2)

ハヤカワ五味 (はやかわ ごみ)氏
1995年東京生まれ、多摩美術大学卒業。株式会社ウツワ代表取締役。 大学入学後にランジェリーブランド《feast》2017年にはワンピースの《ダブルチャカ》を立ち上げ、Eコマースを主として販売を続ける。2018年にはラフォーレ原宿に直営店舗《LAVISHOP》を出店。 2019年より生理用品のセレクトショップ《illuminate》を始動。

社会が変わってきていて、経済的にも家庭をふたりで支えているところが多いですよね。それなのに、妊娠出産だけどちらかひとりのものになるのであれば不思議ですよね。私としては、一家を支える共同体として、妊活についてもふたりで考えていくべきだと思います。

前提として、今の日本は超個人主義的な社会になっています。その中で子供を産むことは、とてもハードなことだと思っています。今すぐ「社会全体で妊活をサポートしていこう!」と変化をもたらすのは難しいかもしれませんが、まずは会社や自治体などの身近なコミュニティから始めてみるのがいいかもしれませんね。

■専門家プロフィール(3)

白河桃子(しらかわ とうこ)氏
相模女子大学 客員教授、昭和女子大学 総合教育センター 客員教授、
東京大学 大学院情報学環客員研究員
東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、住友商事などを経て執筆活動に入る。2008年中央大学教授山田昌弘氏と『「婚活」時代』を上梓、婚活ブームの火付け役に。働き方改革、ダイバーシティ、女性活躍、ワークライフ・バランス、自律的キャリア形成、SDGsとダイバーシティ経営、ジェンダーなどをテーマとする。著書に『後悔しない「産む」×「働く」』(齊藤英和氏と共著、ポプラ新書)がある。

今の社会では、「全て女性の自己責任」に押し付けすぎているような印象があります。そのような状況の中で、女性たちの孤立が生まれているのではないでしょうか。そのため、妊娠を考えたタイミングから、女性たちに孤独感を感じさせないことが必要だと感じています。私は今まで「多様性」の重要性について発信してきました。

今後、安⼼して妊娠・出産できる社会を実現させるには、「多様な働き方」の受容が必須になると思います。女性だけに適応するのではなく、働くすべての人が利用できる制度であるべきだと考えています。妊活している女性ということで特別扱いすればするほど、利用しづらくなる面もあるのではないでしょうか。

子育て中だけでなく誰もがテレワークやフレックスで働くことが当たり前になる、時間あたりの成果で評価する、そんな多様な働き方が実現してこそ、多様なライフ&ワークも実現するのです。

<本調査概要>
調査名 :妊活白書2019
調査期間 :2019年9月27日(金)~10月1日(火)
調査地域 :全国
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :
① 25~44才 既婚男女(子供がいない、現在子供を欲しいと思っている)800名
② 18~29才 未婚男女(子供がいない ※妊娠中の人は除く)400名
③ 45~69才 男女(25~44才の既婚の子供がいる、孫あり・なしを半数ずつ)200名

出典元:ロート製薬株式会社

構成/こじへい

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