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新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は全国で8件。帝国データバンクが調査レポートを公開

2020.03.11

帝国データバンクが行なった調査によると2020年3月11日13時現在で判明している新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は、全国に8件あることが判明した。

調査結果(要旨)

2020年3月11日13時現在で判明している新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または事業停止)は、全国に8件あることが判明。法的整理が5件、事業停止が3件となる。

エリア別に見ると「近畿」が3件で最多。「北海道」「東北」「北陸」「中部」「中国」がそれぞれ1件。

どのケースももともと経営難、厳しい経営環境に置かれていた共通点があり、新型コロナウイルスが追い打ちをかけ法的整理・事業停止に踏み切っている。

今後は、エリア拡大や新型コロナウイルスが主要因となる倒産、連鎖倒産の発生が懸念される。

新型コロナウィルス関連倒産(法的整理・事業停止)2020年3月11日13時現在(負債総額順)

個別事例

(1)ルミナスクルーズ(株) 

~神戸港クルーズ船「ルミナス神戸2」運航~
(資本金1000万円、神戸市中央区波止場町5-6、登記面=神戸市北区青葉台15-12)

3月2日に神戸地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。

再建策として、同じく神戸港クルーズ船「コンチェルト」を運航する(株)神戸クルーザー(神戸市中央区)の 100%株主であるファースト・パシフィック・キャピタル(有)(東京都目黒区)より支援表明を受けている。

現在「ルミナス神戸2」の運航は休止しているが、早期の再開を目指すと同時に、既に「ルミナス神戸2」に予約中の顧客に対しては、前払いをした消費者保護施策として「コンチェルト」が代わってサービスを提供する。

1985年(昭和60年)2月に人材派遣および保険代理業を目的に千扇興産(株)の商号で設立。

その後、2008年1月に現商号へ変更し、同年6月には関係会社のルミナス観光(株)〈現・(株)仁志興業、同所、同代表清算人、2008年6月解散〉から吸収分割により観光クルーズ船運航事業を引き継いだ。

定員1000名の大型レストランシップとして神戸中突堤を発着点に、神戸港・大阪湾・明石海峡クルーズのほかランチ・ディナー・ブライダルなどの観光クルーズを運航し、ピークとなる2009年5月期には年収入高約11億円を計上していた。

しかし、2018年6月の大阪府北部地震、同年7月の豪雨、9月の台風21号をはじめ、翌2019年も台風など自然災害による運航中止が相次ぎ、 2019年5月期の年収入高は約8億6900万円にとどまり、燃料費高騰の影響もあって収益が悪化し、資金繰りもひっ迫。

インバウンドへの依存は低いながらも、今年1月以降は新型コロナウイルスの余波で多数のキャンセルが発生したことで自主再建を断念し、裁判所管理下での再建を選択した。

負債は約12億4300万円。

(2)(株)冨士見荘 

~旅館経営~
(資本金9600万円、愛知県蒲郡市西浦町大山17)

2月14日に事業停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。

1956年(昭和31年)2月設立の旅館経営業者。60年以上の業歴で、2005年12月期には年収入高約5億円を計上していた。

しかし、その後は業況悪化により2013年には決済難となるなど資金繰りの厳しさが表面化していた。

近年は中国人ツアー客の受け入れで業況改善を図っていたが、新型コロナウイルスの影響で予約がキャンセル、事業継続が困難となり今回の事態となった。

負債は約7億円とみられるが流動的。

(3)(有)田村屋旅館

~明治19年創業・旅館経営~
(資本金2000万円、福島県耶麻郡猪苗代町蚕養沼尻山甲2855)

3月6日に福島地裁会津若松支部へ民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。

1886年(明治19年)3月創業、1964年(昭和39年)4月に法人改組した老舗旅館。鉄筋コンクリート4階建、客室40室、宿泊人員250名と沼尻温泉内では最大規模を誇っていた。

また1985年から1992年にかけて旅館建物をリニューアルし、国内の利用 客に加えて年間5000人ほどの外国人利用客があった。

しかし2011年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響により、震災前まで利用が多かった学生や外国人観光客が激減し、収入高は 震災前の半分以下まで減少していた。

そのためインターネットエージェントの利用や日帰り入浴客のリピート利用の増加に取り組んだが、客足は回復せず、最新期となる2019年6月期年収入高はピーク時の約3分の1まで減少し、過年度の旅館リニューアル資金に対する返済にも苦慮していた。

さらに今冬は暖冬の影響でスキー客の利用も減っていたところ、新型コロナウイルス感染拡大による宿泊客のキャンセルが発生し、事業の継続と現状の借入返済を並行して行っていくことができないと判断し、今回の措置となった。

なお、新型コロナウイルスの影響による倒産は、本件が東北地方および県内初となる。

申請時点での負債は、再生債権者31名(うち別除付債権者2名)に対して約4億2000万円。

(4)(株)志学アカデミー 

~学習塾「志学アカデミー」運営~
(資本金1000万円、富山市一番町3-20)

3月3日に富山地裁より破産手続き開始決定を受けた。

1975年(昭和50年)12月創業、76年(昭和51年)4月に法人改組した学習塾運営会社。小・中学生および高校生を対象とする総合学習塾 「志学アカデミー」を富山・石川両県内で展開。

小学校高学年から中学生向けの集団授業を行うほか、講師1人が生徒2人を指導する個別指導塾、映像配信システムを用いた授業を行うフランチャイズ形式の大学受験予備校も展開していた。

安定した合格実績を背景に富山県内では地場大手学習塾の一つとして認知され、2003年3月期には年収入高約3億8000万円を計上していた。

しかし、その後は少子化の影響に加え、全国展開する大手学習塾の進出もあって生徒数が伸び悩み、教室を順次閉鎖。近年は、富山本校1教室のほか、個別指 導塾7教室、大学受験予備校2教室での事業展開となっていた。

また、アルバイト講師の確保にも苦戦し労務費がかさむなど収益も低調に推移。

過年度の本校不動産取得や教室展開に伴う金融債務が重荷となり、金融機関に担保提供していた代表者所有不動産を売却するなどで立て直しを図っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年3月以降に予定していたテスト・模試の中止を余儀なくされるなど資金状況は改善せず、事業継続は困難と判断。2月29日までに事業を停止していた。

負債は申請時点で債権者約68名に対し約3億3400万円。

(5)(株)愛トラベル 

~国内旅行業~
(資本金5500万円、広島市安佐南区川内6-44-32)

3月10日に広島地裁へ自己破産を申請した。

1998年(平成10年)6月に設立された国内旅行業者。大型観光バスの導入を進めて、自社企画した中国・四国エリアの観光名所を巡る日帰りバスツアーを主体に事業を展開、広島市と福山市の2拠点で積極的な格安プランの広告宣伝、営業活動を行い、2007年5月期には13億円を上回る年売上高を計上していた。

しかし、近年は同業者との価格競争の激化や節約志向の高まりなどで最低募集定員すれすれの集客しかできないツアーなどもあり、年売上高は10億円を下回る状況が続いていた。

また、2018年夏に発生した西日本豪雨災害の影響を受けて売り上げが大きく減少し、採算性も悪化していた。

このため、割安感のあるツアーを企画して立て直しを図っていたが、業況は改善せず厳しい資金繰りが続くなか、新型コロナウイルスの影響で予定したツアーの中止が相次いだため、経営継続が不可能となり、近く広島地裁へ自己破産申請する旨の告示書を本店事務所に掲示して事業を停止していた。

負債は推定2億円。

(6)京洛和蒼(株) 

~和装製品卸、着物レンタル~
(資本金1000万円、京都市下京区中堂寺庄ノ内町40-3、登記面=京都市右京区太 秦井戸ケ尻町13-17)

2月12日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。

2015年(平成27年)10月に創業、2016年(平成28年)2月に法人改組した和装製品卸売業者。前代表尾崎哲也氏の長年の業界経験を活かし、呉服や浴衣、和装小物など和装製品の企画・販売を手がけ、6000万円程度の年商規模で推移していた。

近年は京都市東山区や京都市伏見区などに「千都四季」の名称で着物レンタルショップを構え、外国人観光客などを対象に着物レンタル事業も手がけ、2019年1月期の年売上高は約2億円を計上するなど、業容拡大基調にあった。

しかし、2019年4月に前代表の尾崎哲也氏が死去。同年6月以降は、香港における反政府デモの影響で京都を訪れる香港人観光客が減少したことで同業者との価格競争が激化し、収益性が悪化していた。

2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大で、京都を訪れる外国人観光客が急減したことが追い打ちをかけ、今後の事業継続が困難となった。

負債は推定1億5000万円。

(7)(株)愛織 

~雑貨店「aideco」を展開~
(資本金1500万円、大阪市中央区本町1-6-16、登記面=奈良県奈良市三碓1-8-15)

3月2日付で事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。

1974年(昭和49年)11月創業、77年(昭和52年)3月に法人改組し、インテリアやリビング用品、生活雑貨などの企画・デザインおよび 販売を手掛けていた。

「aideco(アイデコ)」などの店名で関西エリアのショッピングセンター内を中心に雑貨店14店舗を展開し、インテリア雑貨や キッチン用品、レディース衣料、ベビー用品などヨーロピアンテイストの幅広い商品を販売。

小量・多品種の品揃えを行うことで差別化を図り、一時はFC店を含め40店舗近く展開するまでに拡大していた。加盟店など向けに「SAB」という名称で一部卸売りも事業も手がけ、2012年2月期には年売上高約8億5000万円を計上していた。

しかし、その後は景気低迷による個人消費の落ち込みに加え、同業他社との競合激化で売り上げは漸減し、2017年2月期の年売上高は約3億4000万円 にまでダウン。過年度から赤字も散発し、財務内容も大幅な債務超過に陥るなど資金繰りは悪化していた。

不採算店舗の閉店を進めたほか、SNSなどを活用して集客を行うなど業績改善に努めていたなか、ここへ来て消費税増税による消費の落ち込みに加えて、新型コロナウイルスの影響により来店客数が減少し、収益改善の見通しが立たなくなったことから事業継続を断念した。

負債は現在調査中だが、1億円を超える見込み。

(8)北海道三富屋(株)

~コロッケ製造販売~
(資本金1600万円、夕張郡栗山町杵臼274-3)

2月25日に札幌地裁岩見沢支部より破産手続き開始決定を受けた。

2005年(平成17年)6月に設立。オリジナルの「くりやまコロッケ」を自社工場で製造しているほか、地元食材をメインに使った洋食レストラン「蔵」を手がけていた。

同社で生産したカボチャやジャガイモなどの野菜や、地元農家が生産した農作物、北海道産の肉などを使用し、ビーフコロッケ、カボチャコロッケ、ポテトコロッケなど8アイテムを製造し、すべて自社工場で手作り製造していた。

当社で製造するコロッケは卸部門のほか、全国で年間 120回ほどの催事販売に出店するなどして2012年8月期には年売上高約1億1000万円を計上。

地元情報TV番組で紹介されるほか、近年においても北 海道日本ハムファイターズが主催する「2018年度第9回 なまらうまいっしょ!グランプリ」でグランプリを獲得するなど、相応の知名度を有していた。

しかし価格競争が激しく、不採算となっていた小売店をレストラン内に集約するなどの措置を講じたものの業況改善には至らず、この間、金融機関より経営改 善計画の策定を受けるなどしていた。

こうしたなか、今年になり札幌市内で開催されたイベントへの出店を行ったものの、中国で急拡大した新型コロナウイルス影響から来場者が予想以上に伸び悩み集客に苦慮、先行きの見通しが立たず、2月21日に自己破産を申請していた。

負債は約7446万円。

関連情報:https://www.tdb.co.jp/

構成/DIME編集部

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