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Pontaにポイントを統合されてどうなる?サービス開始から1年が経った「au PAY」の使い勝手を徹底検証

2020.03.11

■連載/石野純也のガチレビュー

 中国でデファクトスタンダードになったQRコード決済の成功を見て、各社が続々とこの分野に参入している。政府が消費税増税の緩和策として打ち出したキャッシュレス・ポイント還元事業も、その勢いを後押ししている。一方で、大規模なキャンペーン合戦が続いた結果、耐えきれない事業者が大手に吸収されるなど、合従連衡の動きも目立ち始めた。

 こうした中、後発として参入したのがKDDIの展開する「au PAY」だ。元々KDDIは、マスターカードブランドを採用したプリペイドカードの「au WALLET」や、三菱UFJ銀行(当時:三菱東京UFJ銀行)と共同で設立したじぶん銀行を抱え、いわゆるフィンテックの分野にいち早く乗り出していた。ただ、QRコード決済についてはやや出遅れたのも事実で、2019年4月にサービスを開始したばかり。元々はauユーザー専用のサービスで、キャリアフリーになったのは8月のことと、ようやく半年が過ぎたところだ。

大規模還元キャンペーンで話題のau PAYを使ってみた

 逆に、加盟店については楽天と提携することで、ロケットスタートで数を増やしている。2020年5月には、au PAYの利用で貯まるポイントが、共通ポイントのPontaに統合されることもあり、認知度の向上を狙った大々的なキャンペーンも展開されている。2月から3月にかけては合計70億円を投じ、1人最大7万円までの超大規模還元を行っている。サービス開始から間もなく1年となるau PAYだが、実際の使い勝手はどうか。キャンペーンに乗る形で実際に数万円を投じて、サービスの中身をチェックしてみた。

毎週10億円ぶん、合計70億円の還元を、3月まで実施中だ

利用方法は簡単だが、チャージの選択肢にややクセが

 au WALLETアプリからau PAYアプリへと名称を変更したのは、2020年2月のこと。KDDIは、大規模還元キャンペーンに合わせ、ブランドをau PAYに統一していく方針を掲げている。ブランドの刷新に合わせ、トップ画面に決済用のバーコードが表示されるよう、仕様が変更された。1タップでバーコードを表示できるため、アプリ起動後に操作をする必要がないのは便利だ。

アプリ起動直後にバーコードを表示できる

 決済方法については、他のQRコード決済アプリとほぼ同じ。スマホの画面に表示されたバーコードやQRコードを決済端末で読み込んでもらうか、店頭に掲示してあるQRコードを読み取り、金額を手動で入力する、2通りの方法が存在する。これまでau PAYを使ってきた中では、圧倒的に前者が多い。POSレジと連動している決済端末や、タブレット型については、ほぼスマホ側のバーコードやQRコードを読み取る仕組みだ。

店舗に掲示されたQRコードを、カメラで読み取る方法にも対応する

 支払いには、au PAYにチャージした残高を使用する。QRコード決済には、あらかじめ残高をチャージするもの、登録したクレジットカードを使用するもの、そのハイブリッド型の3タイプが存在するが、au PAYでは、直接クレジットカードを使用することはできない。これを不便と感じるか、使いすぎの心配がないと感じるかは人それぞれだが、多数の少額決済でクレジットカードの明細を埋め尽くしたくない筆者は、残高をチャージする方が性に合っている。

残高の範囲内でしか使うことができず、クレジットカードでの直接支払いには非対応

 ただし、残高へのチャージには制限はあるものの、クレジットカードが利用できる。対応するクレジットカードは、ブランドがマスターカードやアメリカンエクスプレスなら、発行元を問わない。厄介なのがVISAやJCBしか持っていない場合で、VISAは「au WALLETクレジットカード」や「セゾンカード」「UCカード」「MUFGカード」など、8種類、JCBは2種類の発行元しか対応していない。この場合は、別の方法でチャージするといいだろう。

VISAやJCBだとチャージできる発行元が限定される

 とは言え、残高のチャージに対応する銀行はKDDI傘下のauじぶん銀行のみ。auかんたん決済も、au回線を持っていて、かつ支払い方法が銀行口座からの引き落としか、特定の発行元が発行したクレジットカードでないと、au PAYのチャージには利用できない。筆者の場合、じぶん銀行に口座があり、日々使っていたため銀行チャージができたが、それ以外の場合だと、現金を持ってauショップに行ったり、ローソンの店頭やセブン銀行のATMでチャージしなければならない。

チャージ方法はご覧のとおり。銀行はauじぶん銀行のみだ

 率直に言うと、チャージの手段がまだまだ不足している印象が強い。特に対応する銀行が、競合となるPayPayやメルペイなどに比べると、圧倒的に少ない。キャッシュレス決済を利用するために、わざわざ現金を持って店頭に行くのは、本末転倒とまでは言わないが、やはり無駄が多いのも事実。対応銀行やクレジットカードの種類が、さらに拡大することは強く期待したい。

便利なじぶん銀行と連携したリアルタイムチャージ

 もっとも、数が少ないぶん、auじぶん銀行の口座を持っていると、使い勝手が大幅にアップする。中でも便利なのが、残高不足分を自動的に銀行口座から引き落とす、リアルタイムチャージだ。この機能は元々、au WALLETプリペイドカード用に導入されたものだが、au PAYの残高不足にも利用できる

 何が便利かというと、わざわざチャージをする必要なく、au PAYを利用できるところだ。残高を常時0円にしておけば、決済する都度、auじぶん銀行の残高から支払う分だけが引き落とされる。残高からの引き落としは、まさにリアルタイム。銀行口座から即時引き落とされるデビットカードを使ったことがある人には、その感覚が分かりやすいだろう。まさにあれと同じように、au PAYを利用できるというわけだ。

リアルタイムチャージを設定しておくと、足りないぶんが自動的にauじぶん銀行から引き落とされる

 ただ、これだと使いすぎてしまうおそれもある。そのため、リアルタイムチャージは、月あたりに使う金額の上限額を設定できる。金額は、au WALLETプリペイドカードと共通になるため、月にいくらぐらい使うかに合わせて変更しておくといいだろう。金額の変更も簡単にできるため、大きな買い物をするときだけ、一時的に上限を上げることも可能だ。唯一対応している銀行という点も含めると、au PAYを積極的に使うユーザーは、auじぶん銀行の口座を開設しておいた方がよさそうだ。逆に言えば、auじぶん銀行なしのau PAYは魅力が半減してしまう。

月間のオートチャージ額は、上限を設けることが可能だ

 そのために、わざわざ銀行口座を開設するのは面倒かもしれないが、auじぶん銀行はネットバンクの中でも、振込手数料無料やATM手数料無料などの条件がいい方だ。au PAYを使うのであれば、セットでauじぶん銀行の口座開設を考えておいてもいいだろう。また、au回線がないユーザーは、auじぶん銀行の口座開設が、au WALLETプリペイドカードを発行するための条件になっている。このプリペイドカード用にも、auじぶん銀行の口座は持っておくべきと言える。

QRコード決済以外の多彩な決済方法、マップなどの機能は要改善か

 au PAYアプリの残高は、QRコード決済専用ではなく、au WALLETプリペイドカードと共通のものになる。「au PAY=QRコード決済」というイメージを持つかもしれないが、どちらかと言うと、様々な決済インターフェイスの残高を貯めておく、ウォレットサービスに近い。au WALLETプリペイドカードを発行しておくと、残高を利用できる店舗が一気に広がる。このカードは、マスターカードに対応した店舗での決済に使えるからだ。

au WALLETカードを発行しておくと、残高を使える店舗が一気に広がる

 当然ながら、サービス開始から1年経たないQRコード決済のau PAYより、クレジットカードとして歴史の長いマスターカードに対応した店舗の方が数は多い。百貨店や高級なレストランなど、決済金額が高額になりがちな場所は、現金かクレジットカードしか受け付けていないケースが一般的だが、au WALLETプリペイドカードは、こうした場所でも利用可能だ。手数料が4%ほどかかってしまうため、積極的には使いづらいが、au WALLETプリペイドカードは海外の店舗にも対応している。

 また、iPhoneやApple Watchのユーザーなら、au WALLETプリペイドカードを、Apple Payに設定することもできる。Apple Payでは、QUICPayとして決済が可能。コンビニなどで支払う場合、わざわざアプリを立ち上げ、QRコードを表示させる必要なく、端末を決済機にかざすだけで支払いができ、利便性が高い。QRコード決済を普及させるため、お得なキャンペーンがau PAY限定になっていることも多いが、そうでないときは、QUICPayとしてau WALLETプリペイドカードを使うのも手だ。

iPhoneやApple Watchには、QUICPayとして設定可能

 キャンペーン攻勢をかけているau PAYだが、アプリのインターフェイスも比較的分かりやすい。ただし、難点もある。まず、使えるお店のマップが操作しづらく、見づらい。マップを移動するのに2本指でのドラッグが必要だったり、引いたときのマップでピンがまとまらず、ゴチャっと固まって表示されてしまってタップできなかったりと、改善の余地が多々ある。楽天Payと加盟店を共通化しているが、一部非対応な店舗が存在するのも、少々分かりづらいところだ。

マップの使い勝手は、あまりいいとは言えない

 ポイントの仕組みにも、改善すべき点がある。貯まったポイントは、au PAYの残高にチャージできるが、100ポイント単位になっているため、端数が余ってしまいがちだ。たとえば115ポイント持っていた場合、チャージできるのは100ポイントのみ。15ポイントは、残り85ポイントが貯まるまで利用できない。競合他社のサービスを見ると、1ポイント単位で消費できることが多い。お得感で言えば、やはり端数まできっちり使えた方がいい。Pontaに統合されるのを機に、こうした仕組みが改善されることを期待したい。

ポイントチャージが100ポイント単位で、余りやすいのは残念

【石野's ジャッジメント】
加盟店数        ★★★★
アプリのUI       ★★★★
チャージ方法      ★★★
ポイントの仕組み    ★★★★
連携&ネットワーク   ★★★★
提携クレジットカード数 ★★★★
提携金融機関数     ★★★
キャンペーンの規模   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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