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職場勤務と在宅勤務で大きく異なるコミュニケーションのポイント

2020.03.10

■あるあるビジネス処方箋

前々回、前回に引き続き、テレワークについて考えたい。新型コロナウイルスの感染が拡大し、在宅勤務を始める動きがある。今回は、前半で在宅勤務制度を導入する際に心得るべき大きなポイント、後半で在宅勤務と社内でのコミュニケーションの違いを取り上げたい。

仕事の成果がわかりやすい

2011年の私の取材ではあるが、テレワークを考えるうえであらためて検証すべき事例なので紹介する。

大手の航空会社が、「2011年9月から正社員の一部を対象に在宅勤務制度を導入する」と発表した。人事部は、「11年度内に利用者を50人にしたい」と話していた。仕事に集中する日を設けることで、生産性の向上を図るのだという。原則として、在宅勤務日は週1回。

対象者は、次のような社員だった。

・運行管理や人材配置などの計画策定、マニュアル作成など、仕事の成果がわかりやすく、かつ、1人で集中して取り組む時間が必要とされる業務に携わる人

「仕事の成果がわかりやすいのが、大切」と人事部は話していた。ここが、ポイントなのだ。上司からは見えない自宅で仕事をしても、成果を正確に判断できることが必要になる。たとえば、データ入力だ。理想を言えば、複雑な計算でデータを算出するよりは、単純計算のほうが好ましい。そのほうが、上司が判断しやすいからだ。

言い換えると、まずは、「本当にこの仕事は在宅勤務に向いているのだろうか」と考えるべきだろう。部内には、自宅での仕事には適していない仕事が必ずある。むしろ、そのほうが多いのではないだろうか。さらに日ごろから、部署全体や個々の部員の仕事をできるだけ細かくわけて、会議やグループウェアなどを通じて皆で共有しておくことが好ましい。

在宅勤務の日には、それらの中で仕事の成果がわかりやすく、1人で対応できて、単純作業のものに優先的に取りかかりたい。実は、このような作業はほかの部員が対応しても、ある程度はできるはずだ。その仕組み、つまり、1人の仕事を複数で対応できる態勢をつくると、残業時間の削減や有給休暇消化促進がスムーズになるケースが多い。年1度の定期の配置転換なども可能になる。

自宅と社内での仕事におけるコミュニケーション

2011年には冒頭の大手航空会社の取材で、著名な人事コンサルタントに話をうかがった際、こう答えていた。

「在宅勤務にはいくつかのパターンがあるが、今は自己完結型の作業が目立つ。それを時間内で一定のレベルで仕上げることが求められる。この場合は、上司からすると報告・連絡・相談がきちんとできれば大きな問題は起きない。それ以上のコミュニケーションはさほど求められていない」

では、社内の職場での仕事におけるミュニケーションでは何が必要なのか。人事コンサルタントは、「黙々と仕事をこなすだけでは不十分。ポイントは、シナジー(相乗効果)だ」と言い、こう続ける。

「私が人材育成のコンサルティングをしていたソフト開発会社(社員200人程)には、プログラマーとして単純な仕事をこなす社員は多い。ところが、この人たちの半数近くが上司や周囲、クライアントと意思疎通が時間内でうまく図れない。だから、いつまでも、難易度の低いプログラミングをしている。これも大切な仕事だと私は思うが、人事部は不満を述べていた。その不満とは、プログラマーが30歳を越えるころには、クライアントとの関係づくりや交渉ができ、チームを引っ張ってもらわないと、人件費の管理という観点からも困る、といったものだ。

私が強調する職場でのコミュニケーションにおけるシナジーとは、2人で仕事をする時にも、その成果が3人分、あわよくば5∼6人分にもなることを意味する。これが、チームを作るうえで欠かせない発想。前述のプログラマーは、この力が弱いのかもしれない。人事部としては、30代以上ならば上司から与えられたことをこなすだけでは不十分と見ているのだろう。

30代、40代、50代と年齢を積み重ねて、正社員として社内でプログラマーをするだけで生き残っていくことは難しい。会社を辞めて独立をするとしても、プログラマーとして長きにわたり、仕事をして家族を養えるだけの収入を得て生活をしていくのはなお難しい。さらに、企業がその仕事を今後、コスト削減の一環として海外の企業に移すことがありうる。グローバル化が進むと、単純な仕事はよりコストが安い方向にシフトする可能性が高まる。会社員をする以上、付加価値を一層に高める試みを続けていくしかない」

職場と在宅のコミュニケーションの違いは、「付加価値をより一層に高めることができるか否か」なのだ。新型コロナウイルスの感染拡大にともない、在宅勤務に緊急に取り組む企業がある。それも1つの考え方であり、ある程度は止むを得ないとは思う。だが、感染の拡大が一段落した後、各企業でぜひ、考えてほしい。

そもそも、在宅勤務の必要があるのかどうか。どこまでが可能か、どこからができないのか。そして、何が自宅で対応できるか。職場でするべきことは何か。社内と在宅での仕事のコミュニケーションの違いは、どこにあるか。このあたりの整理をつけて社内で共有しないと、必ず混乱が生じることを心得ておきたい。

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文/吉田典史

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