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進まない日本のテレワークの救世主となるか?中小企業こそ導入すべき「VDR」のメリット

2020.03.10

効果アリと分かっていても進まない日本のテレワーク

新型コロナウイルスの感染者数が世界で10万人を突破したことを受けて、アップルはシリコンバレー本社に勤務する社員1万2000人に対してテレワークを要請した。日本でも働き方改革と東京五輪・パラリンピックで注目されたテレワークに、導入した企業の81.8%が効果があったと回答している。国土交通省の「平成27年度テレワーク推進調査報告書」によれば、週に8時間以上オフィスを離れて仕事をしている人は、全労働者約5930万人うち13.3%の約790万人。週1日以上の終日在宅勤務者は、160万人で全労働者の2.7%に過ぎないのである。その原因につていは下記が考えられる。

1.自宅から会社の機密データにどうアクセスすればいいか。
2.別々の場所からどのように効率的に共同作業をおこなうのか。
3.セキュリティ対策をどうすればいいのか。

特に問題視されるのが、情報漏洩である。これを防止するために仕事用のノートPCは、社外持ち出し禁止、機密データの保存禁止、アプリのインストール禁止という企業もある。ではテレワークを実施するにはどんな方法があるのだろうか。

情報漏洩の可能性が少ないシンクライアント方式

それではテレワークをおこなうために会社の機密データへアクセスするにはどんな方法があるのか。6種類の方法がある。

1.リモートデスクトップ方式(Remote Desktop)
2.バーチャルデスクトップ方式(VDI)
3.クラウド型アプリ方式
4.クラウド型セキュアブラウザ方式(VDR)
5.アプリケーションラッピング方式
6.会社PC持ち帰り方式

セキュリティの面から考えるとテレワーク端末に会社のデータを保存しないことが望ましい。従来から行われていた6.会社PC持ち帰り方式はアプリもデータもテレワーク端末に保存される。これ以外の方式はインターネット回線、または専用回線を使ってテレワーク端末にデータを保存しない。これらをシンクライアント方式と呼ぶ。シンは薄いを意味するThinのことで、端末には最小限の機能、処理はサーバーに任せるという方式で1990年代に登場した。

1.リモートデスクトップの場合は自宅のPCから自分用の会社のマシンにアクセスして作業するため、違和感なく作業できるが、アクセス用のインターネット回線が高速でないと作業効率が低下する恐れがある。2.VDIはテレワーク端末からVDIサーバの仮想デスクトップ基盤に遠隔ログインして作業する。オフィスに端末を置く必要がなく、システム管理者が仮想デスクトップ基盤を一元管理できるというメリットがある。

1も2も接続するインターネット回線の速度に左右されるのが弱点で、これを解消するために生まれたのが3.クラウド型アプリである。テレワーク端末でもデータを保存できる機能を追加して、クラウド上に保存するのかローカル上に保存するのか選択可能になった。4.セキュアブラウザ型はさらに安全性を高めた方式でインターネットブラウザを使ってファイルのダウンロードや印刷などの機能に制限を掛けることで、テレワーク端末にデータを残さない。

5.アプリケーションラッピング型はテレワーク端末にコンテナと呼ばれる仮想環境を作り、その中でテレワーク用のアプリケーションを使う方式。ローカルからはコンテナ内部にアクセスできないため、データの安全性を確保しつつ、ローカル端末でアプリを動かしているためインターネットの回線速度の影響を抑えられる。6.会社PC持ち帰り方式はインターネット回線を使う場合、VPNの利用が前提となる。テレワーク端末とオフィスの端末が同一になり、移動のため社外に持ち出すので最も情報漏洩の危険度が高まる。

日本初の国産サーバーを使ったVDRが登場!

テレワークに欠かせないシンクライアント方式で注目を浴びているのがセキュア方式のバーチャルデータルーム(VDR)である。ブラウザを利用するためPCのOSを問わずに使え、タブレットPCやスマホでもアクセスが可能。安全にファイルを共有でき、細かいアクセス制限の設定が可能、アクセスログが取得できるなどテレワークに適した特性がある。しかし、日本の企業には敬遠されてきた。その理由は海外企業が提供するサービスで、海外サーバを使っていること。これだけで大企業は情報漏洩問題や現地監査が出来ないことから導入を断念していた。

そこで国内サーバを使ってオリジナルの国産VDRサービスを開始した、リーガルテック代表取締役社長 佐々木隆仁さんに話を聞いた。

リーガルテック代表取締役社長 佐々木隆仁さん

佐々木さんによるとVDRは企業の合併や株式譲渡などのM&Aを円滑におこなうためのツールとして生まれたという。大規模なM&Aでは何千億円もの資金が動く。セキュリティを確保するため企業の関連書類を集めて、当事者だけに開示する部屋が設けられていた。これがデータルームである。

物理的なデータルームは膨大な資料を印刷して、関係者はそこに行って資料を閲覧するという能率の悪いものだったので、書類をPDFなどで電子化してセキュリティが確保されたサーバ上でデータを共有するVDRが活用されるようになったという。

Google Driveはビジネスには使えない

それならばVDRでなく、既存のGoogle Driveなどのファイル共有サービスを使えばいいのではと思うのだがダメなのだろうか?
「ファイル共有サービスはセキュリティではなく、使いやすさ優先なのでデフォルトで共有がONになっています。このようなインターフェイスでは人為的なミスによる機密漏洩の心配があります。さらに権限設定やアクセスログの機能がありません。一番の問題点はGoogleがお客様のデータにアクセスできることが、利用規約に入っていることです。これらの理由から多くの企業はファイル共有サービスのビジネス利用を禁じています。もちろん機密文章を圧縮してパスワードでロックして、圧縮ファイルとパスワードを別々のメールで送る方法も危険です。ファイルとパスワードが暗号化されていないため、ハッカーの手にかかればどちらも盗まれる心配があります」

ファイル共有サービスとメールはテレワークに使おうとすると問題が多い

ファイル共有サービスにもセキュリティの脆弱性があるとすれば、テレワークの敷居は高くなりそうだが、VDRは簡単に導入できるのだろうか?

VDRは導入即日から使えてコストは1人5000円

VDRはM&Aのために生まれただけあって、運用コストも高額で佐々木さんによれば、数100億円規模の取引には使われるが、数千万〜数億円規模では使えなかったという。リーガルテックのVDRも、もともとは国産サーバを使ったM&Aのサービスだったが、これを改良して現在はテレワーク用に特化させた。
「弊社のVDRは運用コストを従来の6分の1まで抑えています。初期費用ナシ、月1人5000円、月10人5万円から運用できます。既存のブラウザを使うので導入した日から、すぐに使えます」

アプリがなくてもExcel、Word、Illustratorのファイルが閲覧可能

画期的な低額ということで、機能が制限されたり、素人に使い難いなどのデメリットは発生しないのだろうか。海外格安VDRではサポートは英語のメールのみで、機能制限があり、使えるブラウザが限られている場合があったのだが。

「VDRはセキュリティ面ばかりをアピールしても採用されるのは正直難しいです。そこで利便性も高めています。ビュアー機能を搭載してテレワーク端末にAdobe Illustrator、Adobe Photoshop、Microsoft Excel、Microsoft WordなどのアプリがインストールされてなくてもVDRにあるこれらのファイルを閲覧できます。さらにOCR機能があって、スキャンしてPDF化したファイルのテキスト検索を可能にしています。細かいアクセス制限に対応してアクセスログも保存しています」

VDRを使えば社内でも社外でもデータを安全に管理できる

フォルダの階層にも対応したインターフェイス

ブラウザをベースにしたVDRは誰でもマニュアル不要で直感的に使えるというが、実際のところどんなインターフェイスを使っているのだろうか。
「下記のような画面で操作します。左側に階層化されたフォルダがあり、選択すると右側にフォルダの中にあるファイルを表示。さらに右端のビュアー機能でファイルを閲覧できます。ここには閲覧者のEメールアドレスが電子透かしで入ります。もしこの画面をキャプチャーして情報が漏洩した場合、出所を特定できるわけです。」

ブラウザ画面から通常のPCを使う感覚で必要なファイルにアクセスできる

中小企業にこそVDR導入のメリットがある

佐々木さんによればVDRはクラウド上の貸金庫であるという。企業のサーバに置かれた機密情報もテレワークのためにインターネットと接続すれば、それがセキュリティーホールとなって情報漏洩の危機にさらされる。これを防ぐにはVDRにデータを預けて安全に共有化、さらにログ管理で誰がアクセスしたのかを監視、アクセス制限によるファイルの不可視化もおこなえる。テレワークのためだけでなく、社内での機密データ管理にも極めて有用なVDR。グローバル市場では2022年には2000億円市場になるとの予測もあり、日本での注目度も高まっている。

写真/小平尚典、文/ゴン川野

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