
オフィス用のラベルプリンターの代名詞とも言える『テプラ』。1988年に漢字変換可能の国内初のモデルを発売して以来、シリーズの累計販売台数は1000万台を突破。そんな『テプラ』の最上位機種が発売された。
ラベルプリンター『テプラ PRO SR-R7900P』(2月20日発売予定)5万9800円。W193×D198×H144mm、約2900g(テープ除く)。
今回の新製品である『テプラ PRO SR-R7900P』の最大の特徴は、幅広の50mm幅テープカートリッジに対応したこと。これまでは36mmが最大だったが、それが50mmまで幅広くなったことで、表面積は約2倍に拡大。
最大印字可能幅が47.9mmと、テープの端ギリギリまで印字できるので、屋外に貼る案内表示など、大きな文字印刷が可能。複数行の印刷もできるので、インバウンド向けの多言語表示の案内を作成したい時にも最適だ。
今回、50mm幅のラベルプリンターを開発したことに対して、キングジムの商品開発部の畑山優貴氏は、「36mmよりもっと広いラベルが欲しいという市場の声は従来からありましたが、既存のラベルが使え、かつ広幅のラベルに対応するのには技術的なハードルの高さから、今まではできずにいました。ですが長年のノウハウの蓄積でこの課題が解決でき、今回の新製品発表に至りました」と語る。
キングジム 常務取締役開発本部長 亀田登信氏(右)、同社 商品開発部 畑山優貴氏(左)。
『テプラ』には入力するためのキーボード付きのモデルもあるが、この『テプラ PRO SR-R7900P』は、パソコンやスマホに接続するモデル。USBや有線LAN、無線LANで接続でき、ネットワークに接続されている複数のパソコンから印刷できる。
この50mm幅ラベル対応の『テプラ』の開発と共に、『EXロングテープカートリッジ』も開発。通常のテープの長さが8mなのに対して、これは45mと約5.6倍の長さ。大量印刷時にカートリッジ交換の手間が省け、コストも抑えることができる。
『EXロングテープカートリッジ』接続時。本体の外に「EXロングテープ専用ケース」入りのロングテープをセットする。
『EXロングテープカートリッジ』は「EXロングテープ専用ケース」付きで、12mm幅と50mm幅を用意。詰替用のロングテープは12mm、18mm、24mm、36mm、50mmがあるので、「EXロングテープ専用ケース」にセットして様々なサイズを利用できる。
大量印刷時の便利機能はほかにもあり、従来機と比べて印刷速度を約1.4倍に高速化。そして従来は修理対応だったカッター刃についても、交換用カッター刃を購入することで、簡単に交換できるようになった。
ラベルの作成には、パソコンやスマホでレイアウトや文字の編集ができるアプリを、キングジムのサイトからダウンロード。テンプレートなども豊富に用意されているので、本格的なデザインのラベルが簡単に作成できる。これらのアプリを利用することで、Excelデータを読み込んだり、入力した文章を翻訳し、多言語ラベルの作成もできる。
建築関係やインバウンド対応の企業などでの需要を想定。初年度発売目標として、5000台を目指す。
取材・文/綿谷禎子
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