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健康寿命を延ばすために不可欠なのは健全な食生活!管理栄養士が説く高齢者がおいしく食事を摂るコツ

2020.02.29

高齢化が進む日本においては「平均寿命」と「健康寿命」の差を短くすることが重要視されている。

この差は日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味しており、男性では8.84年、女性では12.35年となる。

それでは健康寿命を長くするための秘訣とは何か?今回はタイガー魔法瓶の「健康寿命と高齢者の身体に起こる変化」に関するレポートを紹介したい。

健康寿命を長くするための秘訣とは?

健全な食生活を心がけている人の割合(年代別)(%)

健康寿命を長くするためには健全な食生活が重要となる。農林水産省の調査によると、高齢になるにつれて健全な食生活を心がける人の割合は増加傾向にあり、70歳以上では男性で71.8%、女性で84.6%が健全な食生活を心がけていると回答。食事は高齢者にとって健康に過ごすための関心事の一つといえるだろう。

高齢者に起こる身体の変化

高齢になると、歯の残存数の減少や唾液分泌量の減少により咀嚼機能の低下(噛みにくくなる)や口周りの筋力の衰えによる嚥下機能の低下(飲み込みにくくなる)といった変化が起こり、食事量が減ってしまうことがある。

食事量が減ると、1日に必要なカロリー摂取が困難になって低栄養状態に陥り、筋肉量の低下や体重減少が見られる。厚生労働省の調査によると、男女ともに80歳以上からやせ形の割合が増えていることが分かる。

やせ(BMI<18.5)の割合

このように身体活動量が下がった、要介護状態の前段階の状態のことを「フレイル」と呼ぶ。「フレイル」は身体的問題のみならず、認知機能障害などの精神・心理的問題、独居などの社会的問題を含む概念だ。フレイル予防の重要性を認識することで、高齢者の QOL の向上を図ることが可能になるとされている。

摂食・嚥下のメカニズム

摂食・嚥下は、食べ物を認識してから、口を経由して胃の中へ送り込む、一連の動作のことです。私たちは普段、何気なく食事をしているが、食べ物を摂食し嚥下する流れは様々な器官が関わっている。

加齢で嚥下反射のタイミングのずれや働きが弱まると、誤嚥が生じやすくなってしまったりと、摂食嚥下の機能低下により、満足に食べることが難しくなることもある。

食・栄養のプロに聞いた 「高齢者の食と栄養」

公益社団法人 日本栄養士会が認定する在宅栄養専門管理栄養士の資格を持ち、認定栄養ケア・ステーションLINKの代表として、訪問看護ステーションやグループホームなどの事業所で栄養サポートを行い地域医療に貢献する傍ら、大学でも栄養学の講師をされている花本美奈子さんに、高齢者にとっての食の課題とおいしく食事をとるポイントについて聞いた。

Q.高齢者にとっての食の課題を教えてください

A.オーラルフレイル(口腔内の問題による活動低下) による体重の減少に注意しましょう。
食事量が減って低栄養になり、活動性が低下して要介護状態に陥りやすい状態をフレイル※1と言いますが、口腔内の問題によっておこるオーラルフレイル※2(口腔機能低下)も見過ごせません。

75歳以上では約8割の方が何らかの義歯(ブリッジ・部分入れ歯・総入れ歯)を使われています。※3  義歯が合っていない場合は食べ物を噛むのに時間がかかって食べ疲れが起こってしまい、結果として食事量も減ってしまいます。※4 また、義歯が合っていたとしても、噛む力が落ちるために食べる食品の種類が偏ることが知られています。

このように口腔機能の低下をきっかけに体重が減ってしまうこともあります。体重減少は見た目の変化につながり精神的に影響を与えることがあり、フレイルの一因といえます。しっかり食べるためにも定期的な口腔ケアでお口の状態を整えることが大切です。

Q.高齢者がおいしく食事をとるポイントは?

A. 主食・主菜・副菜をそろえてバランスのよい食事を。孤食の解消も大切です。
栄養バランスのよい食事をとることが重要です。エネルギー源であるご飯などの主食、たんぱく質である肉や魚がとれる主菜や副菜、汁物といった和食を食べることでバランスよく栄養を摂取できます。また、「温度もごちそう」ですのであたたかいものはあたたかく、冷めたとしてもおいしく食べられるような工夫が必要ですね。見た目も重要で、施設の中でも「みんなと同じものを食べたい」という方は多いです。

他にも孤食の解消、すなわち誰かと一緒に調理をしたり食べることも大切です。人とのかかわりがないと食自体の楽しみもが少なくなりますし、調理意欲も低下し食事量が減ったり同じメニューが続いて栄養バランスに偏ったりしてしまいます。

出典)
※1 フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント  
   https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20140513_01_01.pdf
※2 日本歯科医師会「オーラルフレイルについて」 
   https://www.jda.or.jp/enlightenment/oral/about.html
※3 平成28年厚生労働省 歯科疾患実態調査結果の概要
※4 平成16年国民栄養調査 第4部生活習慣の結果 

構成/ino

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