
「私たちは実験台ではないです」(神奈川県・高校1年生)
2020年度から始まった新しい大学入試制度だが、スタディプラスの調査では、実に高校生の8割以上が新入試制度を「見直すべき」と回答している。
また、入試制度の変更については、「情報不足が不安」という声が最多となり、「英語の外部試験」や「記述式の導入」など試験内容の変更以上に、入試本番まで約1年となっても詳細が未確定な点に悩んでいる実態が判明した。今回は高校生の声も合わせて紹介したい。
新入試制度には大半が「NO」
「実施を見直すべき」が83.6%と大半を占めている。「このまま実施すべき」という声は16.4%にとどまり、新入試制度についての不安の大きさが現れる結果となった。
ユーザーの声(抜粋)
詳細が決まらず発表されない点に憤りを感じます。私たちは実験台ではないです。(神奈川県・高校1年生)
入試制度を変更するならば、小学生の頃からそれに対応した授業を行った上での新入試制度導入にするべきだと思います。(兵庫県・高校1年生)
とにかく情報がなさすぎる。学校の先生方も〝かも〟で、話される。(大阪府・高校1年生)
共通IDや外部試験など複雑な仕組みが多く、学力よりも、書類の心配をしないといけない。(神奈川県・高校2年生)
基本的に全ての点で困る。けれど今さらやっぱりやめますと言われてもなお困る。(東京都・高校2年生)
制度変更自体は伝わっているが、理解には学年差あり
高校1年生、2年生ともに「だいたい知っている」が過半数を超えて最多となった。高校1年生では「あまり知らない」が2位なのに対し、高校2年生では「詳細まで知っている」が2位になった。受験までの日数が少ない2年生のほうがよく理解していることが分かる。
一番不安なのは「情報の不足」
「情報不足」が不安だという声がもっとも多かった。2位以下は「過去問題がない」「英語のテストが変わる」「記述式のテストが導入される」と、試験自体の変更内容に関する不安が上位を占めた。
試験内容の変更も不安だが、それ以上に新しい制度の詳細が決まっておらず、どう対応すれば良いか分からないという声が多数届いている。
ユーザーの声(抜粋)
学校に情報がなんも入ってきてない。怖すぎる。(北海道・高校2年生)
過去の問題がないため、対策が不十分にならないか不安です。また、大学共通テストを実施するのか延期するのか曖昧なところも不安です。(福井県・高校2年生)
英検等の民間試験を3年生のあいだに受けることになっているが、その内容も不明瞭で、英検の申込期間が延びたりしているのも信用性が疑われると感じる。(東京都・高校2年生)
記述式の問題で、大学生アルバイトが採点すると言う話を聞いて、このままだとこれらの問題は採点の質や採点者によって点数にバラツキが出ることに不安だと思いました。(東京都・高校1年生)
地域によるハンデ、また各家庭の経済状況が異なると民間試験の受験可能回数なども限られてくるので受験者全員が平等だとは感じられない。(秋田県・高校1年生)
調査対象:全国のStudyplusユーザー(高校生〜浪人生)
回答者:4,325名
調査方法:インターネット調査
調査時期:2019年10月31日〜11月1日
構成/ino
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