人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

脳腫瘍は周辺組織まで切除すると生存期間が2倍になる可能性、米カリフォルニア大学研究

2020.02.24

積極的な脳腫瘍切除により患者の生存期間が倍増

成人神経膠芽腫では、MRI造影剤によりコントラストが強調される腫瘍(コントラスト増強腫瘍)だけでなく、コントラストが強調されない周辺組織(非コントラスト増強腫瘍)も切除すると、生存期間が2倍になり得ることが、新たな研究で明らかにされた。

研究論文の上席著者である米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)脳腫瘍センターのMitchel Berger氏は、「これまで脳神経外科医が目標としてきたのは、コントラスト増強腫瘍の完全切除だ。しかし、今回の研究により、安全であるなら、非コントラスト増強腫瘍もできる限り切除すべきことが明らかになった」と述べている。

研究の詳細は「JAMA Oncology」2月6日オンライン版に掲載された。

神経膠芽腫は最もよく見られる致死的な種類の脳腫瘍であり、IDH(イソクエン酸デヒドロゲナーゼ)と呼ばれる酵素に影響を及ぼす遺伝子変異の有無に応じて、変異のないIDH野生型とIDH変異型に分類される。

2019年に報告されたある研究によると、平均生存期間は、IDH野生型で1.2年、IDH変異型で3.6年である。

今回の研究は、1997年1月から2017年12月の間にUCSFで神経膠芽腫の治療を受けた761人を対象としたもの。患者の平均年齢は60歳で、全体の61.5%(468人)が男性であった

解析の結果、62人の患者の全生存期間の中央値は3.1年(37.3カ月)であったことが分かった。

これらの患者は、IDH変異型の腫瘍を持つか、または65歳未満でIDH野生型の腫瘍を持ち、いずれも放射線療法と化学療法を受け、外科手術により中央値でコントラスト増強腫瘍を100%、非コントラスト増強腫瘍を90%切除していた。

これに対し、65歳未満でIDH野生型の腫瘍を持ち、同様に放射線療法と化学療法を受けたが、非コントラスト増強腫瘍の切除は控えめだった212人の患者の全生存期間の中央値は1.4年(16.5カ月)であった。

こうした結果を受けて研究チームは、IDH野生型でも、非コントラスト増強腫瘍の最大限の切除により、患者の生存期間はIDH変異型とほぼ同等になることが分かったと結論付けている。

ただし、研究論文の筆頭著者でUCSF神経外科教授のAnnette Molinaro氏によると「IDH野生型の腫瘍を持つ患者では、3年を過ぎると急速に生存率が低下し、その点は違っていた」と指摘する。

この研究結果は、非コントラスト増強腫瘍まで含めた最大限の腫瘍の切除が有益であることを示すものだが、研究グループは、「そのような切除は安全に実施できる場合にのみ行うべきだ」と警告する。

そして、術中脳機能マッピングなどを用いて、言語、運動、感覚、認知機能を司る脳領域が損傷を受けないようにする必要があると強調している。

著者の一人でUCSF神経外科准教授のShawn Hervey-Jumper氏は、医療センターの約80%は脳機能マッピングを行っていないと指摘する。

そして、「今回のデータから、最大限の腫瘍切除により生存期間が延長し得ることが示されたが、外科医は、あくまでも患者に害のない形で腫瘍を除去するよう最善を尽くすことが肝要である」と述べている。(HealthDay News 2020年2月7日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/article-abstract/2760432

Press Release
https://www.ucsf.edu/news/2020/02/416611/brain-tumor-surgery-pushes-boundaries-boosts-patients-survival

構成/DIME編集部

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年5月15日 発売

最新号のDIMEは年間300万円節約するサブスク活用術!特別付録は「デジタルポケットスケール」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。