
東急不動産が手掛けたアスクルの物流センター「LOGI‘Q(ロジック)三芳」が2020年1月に完成した。東急ハンズ監修の屋上テラスやカフェのような休憩スペース、ちょっとした運動ができる東急スポーツオアシス監修の「ちょいトレパーク」、アロマスペース、音響空間サービスなど、従来の物流施設には見られなかった驚きの環境が整っている。
物流業界における「新しい働き方」を提案する、この新物流施設の背景やねらいを見ていこう。
「LOGI’Q三芳」の建設背景
「LOGI’Q三芳」は、埼玉県入間郡三芳町上富1163番他にある、地上3階建の建物で、敷地面積約15,675坪、延床面積約21,815坪の大きな物流センターである。2020年1月に竣工し、アスクルによれば、3月以降から順次稼働予定で、本格稼働は今年の中盤以降を予定しているという。
東急不動産は2016年より物流施設開発事業に参入し、深刻化する人手不足、労働環境の改善、働く人の多様化など、物流業界を取り巻く社会課題と向き合うために、働きやすく地域に開かれた施設づくりに取り組んでいる。その物流ブランド「LOGI’Q」のフラッグシップとなるのがこの「LOGI’Q三芳」だ。
2017年2月に起きた倉庫火災後、同社は土地をアスクルより受け、地域の理解も得た上で、今後は安全対策を行い、近隣や従業員にも安心してもらえる施設を作り上げていくことを決めた。
地域の風景をモチーフにした外見デザインの採用、消防ガイドライン以上の防火対策の実施、東急グループのリソースを活用した空間の創出で快適に働ける施設が作り上げられた。
“次世代型物流センター”の創造を目指す
東急不動産の担当小林氏によれば、LOGI’Q三芳では次世代型物流センターの創造を目指すという。
●LOGI’Q三芳のコンセプト
地域に貢献し調和できる施設をつくり、近隣住民と従業員が安心して安らげる施設にするために、「サステナブル・ロジスティクス」×「新しい働き方の提案」の2つをコンセプトにしている。
「サステナブル・ロジスティクス」
消防ガイドラインの規定を上回る防災対策を施し、安全安心を追求。スプリンクラー設備など初期消火活動の円滑化をはかりつつ、十分な延焼対策を行う。また地域との共生や「EV100」への貢献、「緑をつなぐ」プロジェクトを意識した施策も行う。
「新しい働き方の提案」
毎日が楽しくなる居心地のよい空間創造、健康遊具の導入により、従業員の健康をサポート。また五感に訴える音響環境を物流業界で初導入し、ストレスを軽減するアロマスペースデザインを施すなどしている。
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