人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【ドラッカーに学ぶ】顧客起点で考えるプレゼンテーション術

2020.02.28

プレゼンのエッセンスは、ドラッカーとソクラテスから学んだ

定年後、個人での活動を考えている方にとって、プレゼンのスキルは不可欠です。私自身、出版・講演活動をしている定年サラリーマンであり、顧客に対するセミナー、潜在顧客に対する講演、キーパーソンとの商談など、人前で自分のコンテンツを伝える機会の連続です。

私は営業職が長く、人前で話す技術については長年研究し、試行錯誤を繰り返してきました。その中で、いわゆる“プレゼンの名人”たちのアドバイス以上に大切にしている金言が2つあります。一つはソクラテスの「大工と話すときは、大工の言葉を使え」、もう一つはドラッカーの「顧客にとっての価値は何か」です。

ソクラテスの「大工と話すときは、大工の言葉を使え」

言うまでもなく、コミュニケーションは「言葉」を介して行われます。そのため、聞き手が理解できる言葉、聞き手の腑に落ちる言葉、聞き手の心に響く言葉を慎重に選ばなければなりません。まず注意すべきなのは専門用語や業界用語です。これらは理解しにくいだけでなく、相手に疎外感を与えてしまうこともあります。

また、同じ話をいろいろな相手にする際は、聞き手の属性に合わせて、例え話のバリエーションを用意します。「大工と話すときは、大工の言葉を使え」は、表現だけでなく内容も含めて考えるべきだと私は解釈しています。

聞き手のことを理解し、それに合わせて話すのは、まさに言うは易く行うは難しです。しかし、これを意識するか否かで大差がつきます。

ドラッカーの「顧客にとっての価値は何か」

プレゼンターが陥りがちな失敗として、「持論を正当化することに必死になる」ことが挙げられます。私自身も、持論に確信が持てていないときは、このモードに入ってしまうことがありました。

しかし、聞き手は全く異なる角度から話を聞いています。自分が興味を持てるか、共感できるか、役に立つか。基準はすべて聞き手自身です。そのためプレゼンにおいては、マーケティング意識が欠かせません。

マーケティングの本質について、ドラッカーの『マネジメント【エッセンシャル版】』(ダイヤモンド社)で次のように述べています。

「真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち現実、欲求、価値からスタートする。「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。「われわれの製品やサービスにできることはこれである」でなく「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」と言う」

ありがちな間違いは、自分が売りたいものを出発点にして、市場調査データなどを都合よく解釈し、顧客に向けてゴリ押しをすること。先に述べた「持論を正当化するのに必死なプレゼン」と同じ構図です。

これとは反対に、顧客が欲しいものを出発点にしなければなりません。ドラッカーは、現場に足を運び、顧客を観察し、対話することを重視しています。顧客との対話により、アンケート調査に現れなかった真実に気づくことは少なくありません。

プレゼン前・プレゼン中・プレゼン後のすべてにマーケティング意識

プレゼンの目的は、その場を盛り上げることではありません。聞き手の心を動かし、何らかのアクションを促すことが主な目的となります。そのためには、プレゼン前・プレゼン中・プレゼン後のすべてにマーケティング意識を持ち続けるべきです。

<プレゼン前>

・聞き手にとっての価値を把握しておく。
・リハーサルを何十回も行い、表現を磨く。
・スライドを見ずに話せるように暗記する。

<プレゼン中>

・聞き手の反応をよく観察する。
・笑いが起きた、メモがとられたポイントなどを把握する。
・聞き手の反応に合わせて、伝え方を変える。
・聞き手の集中力が途切れていたら、質問を投げかけてみる。

<プレゼン後>

・聞き手から感想を聞く。
・聞き手の反応をふまえてブラッシュアップする。

私は上記をセミナー・講演・商談などさまざまなシチュエーションで実践しており、回数を重ねるごとに磨かれていく実感があります。

とくに講演の場合、聞き手の人数が多く、聞き手との距離も離れているため、サービス精神が不可欠です。「どうせ退屈な話を棒読みするんでしょ?」という聴衆の予想を、いい意味で裏切ってあげましょう。

スライドは見ない。顧客を見る。

文/飯田利男

KYBで油圧部品の営業・広報部を歴任。海外営業部長としてグローバル拡販に貢献。2014年にドラッカー学会入会。2016年以後は明治大学サービス創新研究所客員研究員として活動。2017年に定年退職後、2018年にドラッカーとゴルフを融合した『ゴルフで覚えるドラッカー』(ゴルフダイジェスト社)を出版。現在、「セルフマネジメント」「セカンドキャリア」のアドバイザーとして活動中。
Facebook:https://www.facebook.com/toshio.iida.1

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年6月16日(火) 発売

DIME最新号の特別付録は「デジタル調理温度計」!特集は「安くてイイもの」&「新しい働き方」&「マイナポイント」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。