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【ドラッカーに学ぶ】定年前から学んでおくべきマーケティング

2020.02.25

定年後に起業したい方が、まず考えるべきこと

定年後のセカンドキャリアとして、起業を考えている方は少なくないでしょう。起業とサラリーマンの違いは、活動の目的や使命を自分自身で定義することにあります。サラリーマン時代は今期の目標を達成することが重要でしたが、前提となる部分から自分自身で決めるのです。

そのためのヒントとして、ドラッカーの『マネジメント【エッセンシャル版】』(ダイヤモンド社)から、2つの金言を紹介します。

「企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される」

「顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。したがって「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる」

自分は何をしたいのか、という意志や意欲はもちろん大切です。しかし、趣味ではなく、ビジネスとして考えるならば、「顧客」の存在を決して無視できません。

次に、ドラッカーの「5つの質問」をあらためて紹介します。

①われわれのミッションは何か
②われわれの顧客は誰か
③顧客にとっての価値は何か
④われわれにとっての成果は何か
⑤われわれの計画は何か

スタート時点で重要なのは1〜3の問い、「われわれのミッションは何か」「われわれの顧客は誰か」「顧客にとっての価値は何か」です。これらの問いはセットで考えるとよいでしょう。その理由をこれから説明します。

同じ業界の顧客でも、求める価値は異なる

例として、精密電子部品メーカーK社の話を紹介します。K社の「ミッション」は「高品質・高性能・新機能の製品を提供し、顧客に貢献する」こと。そしてK社の「顧客」は主に家電メーカーです。ただ、大手家電メーカーA社との取引では、あまり利益があがっていませんでした。

なぜなら、A社の購買部が求める「顧客にとっての価値」は「コストと納期」だったからです。A社の購買部にとって、K社製品の価値「高品質・高性能・新機能」はさほど重要ではなく、安く迅速に納品されることが最重要でした。

そこでK社の営業担当が考えたのは、自社の顧客の再定義でした。「高品質・高性能・新機能という価値を理解し、重視してくれる顧客は誰だろうか?」。その結果、A社の「購買部」ではなく、A社の「研究開発部」という答えにたどり着きました。研究開発部であれば、K社製品と他社製品の違いを、専門的・技術的な観点から判断できるためです。

この事例から学べることは、「われわれのミッションは何か」「われわれの顧客は誰か」「顧客にとっての価値は何か」という問いは、セットで考えるべきだということ。そして、活動の中で常に見直しを必要とするということです。

自分のコンテンツで勝負したい方が、まず考えるべきこと

長年の仕事や趣味で培った知見を生かし、出版や講演活動をしたい方もいるでしょう。最近はSNSやブログで手軽に自己表現ができますが、やはり出版の影響力は凄まじいものがあります。私自身、還暦直前までごく普通のサラリーマンでしたが、幸いにも『ゴルフで覚えるドラッカー』(ゴルフダイジェスト社)という書籍を出版する機会に恵まれました。

この書籍のコンセプトは、「ゴルフがうまくなり、ドラッカーも学べる、1冊で2度おいしい本」。私のサラリーマン経験とドラッカー学会で学んだマネジメントおよびフィードバックの本質を、趣味のゴルフに応用したものです。切り口の目新しさだけでなく、これに価値を認める顧客がいたからこそ、出版という成果につながりました。

しかし出版後、私は次のハードルにつまずきました。このメソッドを広めるためにセミナーを開催したのですが、参加者の反応が思いのほか薄かったのです。「書籍の読者」の多くは、ゴルフ×ドラッカーという切り口に興味を持ち、「読み物としての面白さ」に価値を認めてくれていたのだと思います。一方、「セミナーの参加者」は、「ゴルフが上達する近道」を求めていたのです。

つまり「顧客にとっての価値」と「自分が提供している価値」のミスマッチが起こっています。ここで考えるべきことは2つ。一つは、「顧客にとっての価値」に「自分が提供している価値」を合わせること。もう一つは、「自分が提供している価値」を求める顧客を探し出すことです。

競合のことを考える前に、顧客について考え抜く

出版後のセミナー展開の前に、当然ながら市場分析や競合分析をしています。ゴルフ人口や市場規模などのマクロな数値、人気ゴルフスクールの取り組みなどを調べ、何となく理解した気になっていました。しかし、肝心の「顧客にとっての価値」を考え抜いていなかったのです。

セミナー参加者からいただいた意見をまとめると、「手軽に実践できる」「すぐに効果が現れる」ことが求められていることがわかりました。参加者の立場で考えれば、当然のニーズです。そこで、メソッドの内容を変えることなく、入門部分をよりシンプルに見せること、途中で効果を実感しやすくすることを、サービス改善のための重点課題としました。現在、その成果が現れ始めています。

この教訓をシンプルに言い表したスティーブ・ジョブズの金言が『MBA100の基本』(東洋経済新報社)にあります。

「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ」

つまり、相手の女性が何を望んでいるのかを見極めないと意味がないのです。

顧客にとっての価値は何か?

文/飯田利男

KYBで油圧部品の営業・広報部を歴任。海外営業部長としてグローバル拡販に貢献。2014年にドラッカー学会入会。2016年以後は明治大学サービス創新研究所客員研究員として活動。2017年に定年退職後、2018年にドラッカーとゴルフを融合した『ゴルフで覚えるドラッカー』(ゴルフダイジェスト社)を出版。現在、「セルフマネジメント」「セカンドキャリア」のアドバイザーとして活動中。
Facebook:https://www.facebook.com/toshio.iida.1

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