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「ボンドカー」のミッションはポッシブル!?アストンマーティンの華麗なる変革

2020.02.16

「アストンマーティンはクルマを製造するだけでなく、ライフスタイルを創造する独立企業としてやっていく」

 これは、2018年にアストンマーティン・アジア・リージョナルプレジデントのパトリック・ニールソン氏にお会いした時の彼のコメントだ。100年以上の歴史を持つアストンマーティンは、幾多の危機を乗り越え、近年ではフォード傘下から独立しダイムラーと提携関係を築くなど新たなフェーズに突入、精力的なブランド強化を進めている。

 背景には、第一に正式社名アストンマーティン・ラゴンダが自ら打ち立てた持続可能なブランドの再構築を目指すことを目的とした「セカンドセンチュリープラン」があり、同社はこれを2015年からスタートした。その主な内容が2022年までに「DB11」、新型「Vantage」「Rapid AMR DBS Superleggera」、新型SUVを含む7つのニューモデルの導入、さらにウェールズ州のセント・アサンでの生産拠点の新開設などを軸としている。この7年間を長距離レースに例えるなら、今は終盤へ突入という感じだろうか。先月、ニールソン氏が東京オートサロン開催に伴い来日した時に、改めてその取り組みについてうかがう機会を得た。

「あんなに美しいSUVを発表してしまって、スポーツカーの販売台数の減少が心配だったのですが、スポーツカーも昨年は前の年にくらべ売り上げが世界12%アップ。相変わらず記録を更新中です」とニールソン氏は笑顔で答えてくれた。

ブランドの魅力を積極的に伝えることの大切さ

 同社は初めてのSUVとなる「DBX」を昨年11月に発表。SUVやEVなどを生産する新工場も稼働を開始している。アストンマーティン初のEVとなる「Rapid E」や超ラグジュアリーなEVモデルがラゴンダから登場する予定だ。ブランドの再構築プランをロングディスタンスレースに例えるなら、終盤に差し掛かったところだろうか。

 日本でも、アストンマーティンは各地で開催されるモーターショーをはじめ、近年では名だたる国内外の自動車メーカーも出展するチューニングカーショーなどでも最新モデルを披露するなど、多くの人の目にアストンマーティンが触れる機会を増やしている。年明けのオートサロンではラグジュアリーなディーラーの雰囲気を採り入れたブースづくりも世界感を伝える役割として意識をしたそうだ。

「アストンマーティンの名前は知っているけど、どんなクルマかを知らない人も多い。このような機会に(※1月の東京オートサロンを本当のクルマ好きが集まるイベントと捉え)、アストンマーティンのこと、また楽しみ方を含む魅力を、他ブランドよりも能動的に外に出て行き、布教活動ではないけれど、伝えていかなければいけないと思いました。他社のスーパーカーと比べてもっと丁寧にクルマの魅力をまさに“今”伝えていかなければいけないと思っています」

 昨年の東京モーターショー、さらに地方のモーターショーへの出展は、各地のディーラーによるもので、他のイベント参加も含めクルマ好きなユーザーとのコミュニケーションの機会を増やしている。

「アストンマーティンは絶妙な位置付けのクルマです。ジェームス・ボンドがパーティーに乗っていくような使い方もできれば、アストンマーティン・レーシングのファクトリードライバーであるダレンターナー(日本でも活躍中)がサーキットを疾走するような使い方もできる。その両方を1台で可能にするクルマなんです。

 でも両方ができることでともすれば中途半端に映ってしまっているかもしれない。実は、どっちも楽しめるから“絶妙”という表現になるんです。その感じを理解してもらうのって難しいですよね。我々のブランドの、その尖った特徴をアピールする場は重要なんです。そしてアストンマーティンのすべての活動の要には美がある。それは1913年の創業当初から変わることはない。見て、体験すれば美の追求は各部で確認できるはずです」

世界で最も美しいSUV「DBX」

 例えば、昨年11月に発表されたアストンマーティン初のSUVモデルとなる「DBX」は、チーフクリエイティブオフィサーのマレー・クライッヒマン氏が「世界で最も美しいSUVを造ろう」と、これまでスポーツカーに採用してきたデザインの黄金比をこのSUVの随所に散りばめ、どの角度から見ても世界で最も美しいSUVを造り出すことに成功したと言い切っているという。

 確かに、筆者が観ても「DBX」は最新の同ブランドのスポーツカーのテイストを絶妙に採り入れており、これほどの才色かつ精悍なSUVは他にはないと感じた。4L、V8ツインターボエンジンは550ps/700Nmを発揮し、0-100mを4.5秒、最高速度は291km/hを誇る。

 3つのコンセプトを元に開発され、1つはSUVとして完全な性能を備えること。あらゆる地形を走行可能とし上に45mm、下に50mmと車高の高低差が変わる。高速では車高を最も低く構え、颯爽と走ることとなる。2つ目はスポーツGTとしての完全な性能を持ち合わせること。「DBS」や「DB11」同様にGT(グランドツーリング)モード、スポーツ、スポーツ+というドライビングモードが選べるようになっている。

 そして、あらゆるライフスタイルに対応すべく居住性と利便性を充実させることにも「DBX」は積極的だ。せっかくの4ドア、せっかくの初のSUVであるからこそ、そうでなければもったいない。そしてそんなSUVにもアストンマーティンの美とクラフトマンシップの世界感がしっかりと備わっている。「DBX」の登場で初めてアストンマーティンというブランドを認知する人やオーナーがいたとしても不思議ではない。現に、ランボルギーニも「ウルス」というSUVの登場によって新たなユーザーを大勢迎え入れているのだ。

異業種コラボ、最先端テクノロジー、「セカンドセンチュリープラン」が目指すもの

 最後にご紹介しておきたいのが、同ブランドがライフスタイルの創造を拡げるべく行なっている異業種とのコラボレーションのこと。例えば、マイアミにある高級コンドミニアムのペントハウスのインテリアやパワーボート(クインテッセンス・ヨットとの共同プロジェクト)、ヨットに積んで海に潜る時のレジャー用の“潜水艦”、ロードバイク、イギリスの歴史あるバイクメーカーであるブラフ・シューペリアと共同開発したモーターバイク、エアバス社と共同開発するヘリコプターの内外装などがそう。アストンマーティンのクラフトマンシップやデザインフィロソフィー、さらには素材やテクノロジーを用いた製品開発にも取り組んでいる。

 ボンドカーとして知られるアストンマーティンがブランド力を強化すべく進行している「セカンドセンチュリープラン」というミッションは、今のところ順調らしい。ニールソン氏によると、4月に公開される「007/ ノー・タイム・トゥ・ダイ」(新作)では、4台のアストンマーティンが登場する予定だとか。

 はたして劇中にはどんなモデルが登場するのか。クルマ好きであれば現在のアストンマーティンのアクティブかつクリエイティブな躍進を頭の隅に置いて観ると、違った面白さを味わえるかもしれない。というわけで、ボンドカーで知られるアストンマーティンが「セカンドセンチュリープラン」というミッションを成功させるのは、インポッシブルというよりも、ポッシブルと言えそうだが、レースの最終ラップまでどんな事物が登場するのか目が離せない。

■関連情報
https://www.astonmartin.com/ja

取材・文/飯田裕子(モータージャーナリスト)

テクノロジーにドライビング、また日常から非日常(旅、一般道ではできないドライビング体験など)、『人×クルマ×生活』を視点の中心に置き、ジャーナリスト活動を行っている。自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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