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「座っているだけでお客さんが来てくれる」は昔の話!?銭湯での働き方体験ツアー潜入レポート

2020.02.19

ブームになっているとはいえ、年々減少の一途をたどる銭湯。銭湯は日本の歴史・文化を体験する場でありながら、社会的な役割や存在感は絶大。そんな銭湯継続のため、東京都では「銭湯働き方体験ツアー」を実施中。ツアーの内容をお伝えいたします!

大人のキッザニア!?「銭湯働き方体験ツアー」

銭湯は、人々が汗を流してさっぱりする公衆浴場ですが、それ以外にも地域交流や高齢者見守りなど、役割はいっぱい。経営者の高齢化などにより廃業する銭湯も少なくないため、東京都では平成30年度から、「東京都公衆浴場活性化支援実証事業」(銭湯ラボ)を実施しています。

開催日時と会場は

2019年12月19日 はすぬま温泉(大田区)
2020年1月25日 梅の湯(立川市)
2020年2月9日 桜湯(府中市)

と、全3回。「桜湯」(府中市)のにおじゃましたところ、参加者は17名となかなかの盛況ぶり。

東京・府中「桜湯」の撮って出しレポート!

こちら桜湯は経営者が変わり、大正ロマン風おしゃれ銭湯に変身したばかり。リニューアルオープン後わずか2週間でのツアー開催となりました。まさに、銭湯経営の現実に興味がある人にとっては絶妙のタイミングです。リアルなお金の話も大公開してくれたので、こちらも惜しげもなく書かせていただきます!

オーナーの佐伯雅斗(さえき まさとし)さんは、府中と同じ多摩エリアの立川市にある銭湯「梅の湯」の3代目で、東京都浴場組合の常任理事を務める銭湯界の偉人。老舗の銭湯を13年前にリニューアルし、人気店へと成長させたスゴ腕経営者(写真上)です。梅の湯でアルバイトしていたイマドキの青年(写真下)を、桜湯の店長に抜擢しました。

今回のツアーは、バックヤード見学や開店前の清掃体験など、内容は盛りだくさん。体験とはいえ、参加者は浴槽にブラシをかけたりイスや桶を洗ったりとやることは満載。見た目以上の重労働ですがこれも現実! とはいえ、参加者の皆さんは楽しそうに取り組んでいました。

頑張れば夢がある!銭湯経営のお金事情

ツアーの最後に興味深いお話がありました。桜湯が廃業するとき、浴場組合理事である佐伯さんに連絡が入りましたが、後継者は見つからず。そこで、佐伯さん本人が引き継ぐことになりましたが、条件がなかなかシビア。

 家賃 約50万円
 維持光熱費 60~70万円
 修繕費 約10万円
 月の出費合計 約120万円(少なく見積もって)

ちなみに、前経営者の帳簿によると、月の売り上げは80万円ほど。これでは、売り上げどころか自分の給料が出ない! さらに、中を見たらなかなかひどい状況だったらしい。もし自分が引き継ぐとして、新装開業するにあたり必要な経費を計算すると、

 建物の敷金 約500万円
 全LED化 約300万円
 ロッカーや床などの備品 900~1,000万円
 合計 1,700~1,800万円

ここからの狙いが佐伯さんのすごいところ。

「前経営者時代は、月80万円ほどの売り上げだったので、1日の来客は50人ほどでしょう。私が店を開けて2週間で1日平均70人前後。客単価500円とすると、1日3万5千円の売り上げ。休みなく営業すれば、3万5千円×30日で月100万円ほどしかなく、店長の給料を払えば大赤字。ですが、東京都の銭湯の平均入浴者数は130人とされています。私は付加価値をつけることで、客単価600円まで上げるつもりです。単価値上げと集客に成功できれば1日の売り上げが8万円、月だと240万円も可能。店長にもしっかり給料を払えます」

壁紙の貼り直しやロッカーのリメイクなど、セルフでやればコストダウンも可能。銭湯経営も、アイデア勝負とセンスの時代。

夫婦ではじめる一生涯のライフワーク

銭湯に限らず、開業したその月から十分な収入がある商売ってなかなかありません。どんな世界でも独立や開業を決めたら、自己資金を貯めたり資金調達をしたりして、ゼロからお客様を増やしていくもの。佐伯さんも「今ではラクラクやっていますが、私が立川の『梅の湯』を引き継いだときは心配されました。半年くらいはきつくて、『こんな贅沢をしていいんだろうか』と、ポテトチップを開ける手が震えたこともあります」と、苦労話を打ち明けてくれました。

銭湯経営では、開店前が働く時間で営業中は休憩時間。工夫と努力次第で、「座っているだけでお客さんがきてくれるいい商売!」を実現するのも十分可能と言います。なんといっても、日本人は大きなお風呂が大好きだから。例えば若い夫婦で廃業する銭湯を引き継いで、二人三脚で商売をやっていくなんていうのは理想的。最初はアルバイトからでも、頑張っていればチャンスは巡ってくるはずです。

桜湯
東京都府中市宮町1−23−3
※銭湯働き方ツアーについては、TwitterやInstagramなどのSNSにて #銭湯 #働き方体験ツアー などのハッシュタグ検索で情報収集できます。

取材・文/木村悦子

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