
■連載/阿部純子のトレンド探検隊
320種類もの北海道産チーズが集合
北海道の地チーズの魅力を発信するイベント「北海道地チーズ博 2020」が2月16日まで表参道ヒルズで開催された。販売するチーズは約320種類。今年は会場の本館B3F「スペースオー」のほか、吹き抜け大階段まで拡張。チーズ食べ比べやワインとのペアリングも広いスペースでゆっくりと楽しめるスタイルに。
昨年も好評だった「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」(500円)は、フレッシュ、ハード、セミハード、青カビ、パスタフィラータ(裂けるチーズ)の45商品から、好きなものを5種類選ぶ。さらに食べ比べしたチーズの中から好みのチーズを投票、「北海道地チーズセレクション2020」が決定する。
今年初登場の北海道産ナチュラルチーズを使った「北海道地チーズソフトクリーム」(500円)。日替わりで楽しめるトッピングも楽しく、個人的なおすすめは「ゴーダ」(新札幌乳業 北海道小林牧場物語「カリッとゴーダ」を使用)で、ゴーダチーズの塩味がソフトクリームの甘さとミルク感を引き立て、抜群の相性だった。
トレンド探検隊のおすすめチーズセレクト
乳業メーカーやチーズ工房が並ぶ会場は、直接生産者と話をしながら、お気に入りのチーズ、気になるチーズを探索する楽しみがある。トレンド探検隊は、各ブースをまわり、「セレクト5 食べ比べ」もチェック。みなさんにもぜひおすすめしたいチーズをピックアップしてみた。
〇JA中標津 乳製品工場「なかしべつなめらかクリームチーズ」
こちらのブースでは「なかしべつ牛乳」の試飲もしたが、甘味とコクのある牛乳は絶品。その中標津町産の新鮮な生乳と、知床羅臼海洋深層水の塩「ラウシップ」で仕上げたクリームチーズ。
ヨーグルトを濃縮したような、ほのかな酸味のあるフレッシュ感あふれるチーズ。なめらかな舌触りで、そのまま食べてもコクがあっておいしい。パンやクラッカーにも塗りやすいのでバターのように使えるが、冷蔵庫から取り出してすぐは硬いので、少し置いてから塗った方がいいかも。
〇Fattoria Bio Hokkaido「リコッタ・エ・リモーネ・コンミエーレ」「カチョカヴァロ」
2013年に来日し、札幌に住みながらイタリアのフレッシュチーズを作る南イタリア・カラブリア出身のチーズ職人、ジョバンニ・グラッツィアーノ氏によるチーズ。モッツァレラ、リコッタ、日本国内で初めて作られたブッラータはいずれも美味。
「リコッタ・エ・リモーネ・コンミエーレ」は、軽い口当たりで、あっさりとしたミルクの甘味が感じられるフレッシュチーズ。サラダやパスタのトッピングはもちろん、はちみつやメイプルシロップをかければ極上のスイーツに変身。このリコッタをさらに濃縮した限定数の「リコッタ サラータ」は、ひとかけらでも濃厚なミルク感で口のなかが満たされ芳醇な味わいが広がる。生産数も少なく、都内で出回ることはほとんどないそうなので、見つけたら即買い?
熱を加えると伸びるのが特徴の「カチョカヴァロ」は、ステーキのように両面にこんがり焼き色をつけて食べると、外側は香ばしく中はもっちりとした食感に。火を入れると溶けやすいので、熱したフライパン(またはホットプレート)で、強火で一気に焼き色を付けるのがポイント。
〇村上牧場 レプレラ「スカモルツァ・スモーク」
モッツァレラを塩水に漬けた後、乾燥熟成させたチーズが「スカモルツァ」。そこからさらに燻製で仕上げた。モチモチとした食感で、味自体はあっさりとしているが、熟成とスモークでコクと旨味がプラスされて風味がアップ。
〇はやきたチーズ工房 夢民舎「ダブルチーズ~クリームチーズ&ブルーチーズ~」
クリームチーズとブルーチーズを絶妙なバランスでブレンド。クリームチーズのまろやかさとブルーチーズの塩味と旨味が相乗して、食べやすいが味もしっかりとしており、ワインのお供としても超おすすめ。2019年の北海道地チーズセレクションでグランプリを受賞。
〇チーズ工房 アドナイ「ミモレット・アドナイ」
興部町にあるチーズ工房。一般的なミモレットだとパンチのある旨味とボソッとした食感をイメージするが、こちらのミモレットは熟成が3~6カ月と若く、旨味とともにミルク感の残るまろやかな味わいが特徴。塩味も少なく、弾力の残る食感で一般的なミモレットとは一線を画して面白い。
〇冨田ファーム「ジャパンブルーおこっぺ」
山吹色のボディに青カビを生育させたチーズ。青かびチーズだがにおいやクセが少なく食べやすい。青カビ特有のピリッとした味わいが魅力で、塩味が強くコクを感じる。口どけの良さもあり、ワインはもちろん日本酒にも合いそう。
〇Ange de fromage「ganos soga pinot noir」
余市町のワイナリー「ドメーヌタカヒコ」のブドウの搾りかすに漬け込んだチーズ。ブドウ由来の酸味と渋みを感じる不思議な味わい。
取材、文/阿部純子、伊藤まさみ
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