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低用量のアスピリン投与で妊婦の早産リスクが低下する可能性、米医療機関発表

2020.02.11

低用量アスピリンが早産リスクを低下させる?

初めての出産を控えた妊婦(初産婦)に低用量アスピリンを投与したところ、プラセボを投与した妊婦に比べ、妊娠37週未満で出産する早産リスクが11%低下したとする臨床試験の結果が「The Lancet」1月25日号に発表された。

米国では既に、妊娠高血圧腎症のリスクが高い妊婦に対しては、低用量アスピリン(1日81mg)の使用が推奨されている。

妊娠20週以降に高血圧や蛋白尿が見られる妊娠高血圧腎症では、早産リスクが高まることが分かっている。

アスピリンの使用と妊娠高血圧腎症に関するこれまでの研究からは、低用量アスピリンが早産の予防に役立つことが示唆されていたが、いずれの研究も、治療効果は統計的に意味があると結論づけられる規模のものではなかった。

そこで今回、米Christiana CareのMatthew K. Hoffman氏らは、コンゴ民主共和国、グアテマラ、インド、ケニア、パキスタン、ザンビアの14~40歳の初産婦約1万2,000人を対象に大規模臨床試験を実施。

対象者を半数ずつ、低用量アスピリンを毎日使用する群とプラセボを使用する群のいずれかにランダムに割り付けた。

アスピリンまたはプラセボの使用期間は妊娠6週から36週または出産までとし、解析には妊娠が20週以上継続した女性のみを組み入れた。

その結果、妊娠37週までの早産率はプラセボ群の13.1%(754例)に対してアスピリン群では11.6%(668例)と低く(相対リスク0.89)、妊娠34週までの早産率もプラセボ群の4%に対してアスピリン群では3.3%と、25%減少していた(相対リスク0.75)。

さらに、周産期死亡率(死産または生後7日未満の死亡)も、プラセボ群では53.6(出産1,000対)であったのに対し、アスピリン群では45.7(出産1,000対)であった。アスピリン群の母子いずれにおいても、出血などのリスクの上昇は認められなかった。

この結果について、論文の共著者で米国立小児保健人間発達研究所(NICHD)のMarion Koso-Thomas氏は「これらは低・中所得国で低用量アスピリンをルーチンで使用することを強く支持する結果だ」との見解を示し、アスピリンには安価で投与も簡便であるなどの利点があり、安全性も高いと話す。

今回の研究には関与していない、米国の非営利団体マーチ・オブ・ダイムズのRahul Gupta氏も「極めて重要な研究結果だ」と高く評価する。

そして、入手が容易で、安価かつ安全性も高いアスピリンは、特に早産で生まれた乳児の死亡例が多い低所得国で大きな意味を持つ可能性があると指摘している。

その一方で、Gupta氏は米国などの高所得国にもこの結果が当てはまるかどうかは不明だとの見解を示し、「米国で早産率の高い黒人女性などを対象に同様の臨床試験を実施する価値はあるだろう」としている。

なお、米疾病対策センター(CDC)によると、2018年の米国人女性の早産率は、白人の9%に対して黒人では14%と高い。

この臨床試験に関する付随論評を執筆したノートルダム大学(オーストラリア)のJulie Quinlivan氏も、今回の研究で確認されたアスピリンの「統計学的に意義のある有益性」が高所得国でも認められるかどうかは不明だと述べている。

その上で同氏は、妊娠中に低用量アスピリンなど何らかの薬剤を使用する場合は、必ず医師に相談すべきだと注意を促す。

また、早産リスクの低減に有効な別の方法として、禁煙やインフルエンザワクチンの接種、貧血や性感染症、尿路感染症に対する妊娠前の治療、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれる食品や魚油サプリメントの摂取を勧めている。(HealthDay News 2020年1月24日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)32973-3/fulltext

Press Release
https://www.nichd.nih.gov/newsroom/news/012420-aspirin-preterm

構成/DIME編集部

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