人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

優秀な30代社員から学んだ2つのこと

2020.02.08

■あるあるビジネス処方箋

 年末年始にかけて気分がよくなる機会があった。出版業界で新卒時の入社の難易度が、おそらく上位5番以内に入る出版社(正社員300人ほど)の30代前半の編集者と仕事をした。その仕事力は、様ざまな点で大変に優れていると感じた。

思い起こしたのが、この男性と同世代の男性の編集者だ。数年前にコンビを組んで仕事をした。業界紙(正社員60人ほど)に勤務していた。2人は同じような仕事をしながら、仕事力の差は大きかった。新卒時の入社の難易度が上位5番以内と、下位1割以内に位置する会社の人材の違いと言えばそれまでかもしれない。だが、広い視野でみると多くの点で大きな違いがあることに気がつく。今回は、それらについて私の考えを紹介したい。

1、相手のことを考えて、仕事ができるか

 2人は、小中学校の国語教育で言うところの「相手意識」に決定的な差があった。相手意識とは相手のことを考え、適切な内容の発言をしたり、メールを書いたりすることだ。

出版社に勤務する優秀な編集者は私(発注先のライター)、あるいは上司である編集長や部長、読者や取材相手(企業や社員)に対し、どうすればよいのかと考え、随時、適切な判断をしていた。判断のタイミングは、極めて正しかった。判断の内容や理由を尋ねると、わかりやすく丁寧に説明をする。いずれも説得力のあるもので、情報収集や分析は正確だった。

 一方、業界紙の編集者は相手意識が低い。仕事の中で重要なところでも1人で判断し、独断で決めていた。その決定は、確実に間違いだった。根拠はあいまいで、事実誤認が非常に多かった。タイミングも明らかに誤っていた。ミスやトラブルがここまで多いのは珍しく、私自身、どのように対応していいのか、わからなかった。電話やメールの文面も、非常に乱暴に見えた。

 双方の大きな差は、相手意識にある。相手は何を考えているか。どうすると良好な関係を作り、レベルの高い仕事ができるのか。これらを具現化した発言や行動をとるだけでも、多少は仕事力が上がるものだ。2人は、そこに大きな差があった。

 新卒(主に専門学校、大卒)時の採用試験での入社の難易度が下がると、人材の質は相対的に低くなる。顕著であるのは、相手意識だ。難易度が低い会社の社員は自分の考えや意見をごり押しすることには力を入れるが、相手への配慮に欠しい。人間関係のトラブルが多い理由の1つは、ここにある。厚生労働省の調査でも明らかなように、このような小さな会社でパワハラが大企業に比べると目立つのも、相手意識が低いことに一因があると私は思っている。

2、組織の一員としての自覚

 相手意識が低いのは、見方を変えると組織の一員としての自覚に欠しいことを意味する。出版社に勤務する優秀な編集者は、常に上司のスケジュールや仕事をするうえでのクセを見抜き、適切なタイミングで報告、連絡、相談をしていた。それは、惚れ惚れするほどだった。

 上司との関係が密になるので状況認識が正確になり、正しい判断ができる。仕事全体が精度の高いものになる。周囲の社員や取引先、顧客からも信用される。上司や周囲との関係づくりができているから、視野が広くなり、自分の至らないところや足りない点を早いうちに把握する。仕事に謙虚になり、周囲の社員や取引先、顧客からさらに信頼される。組織の一員としての自覚を高め、仕事が楽しくなり、おもしろくなっていく。仕事を早くマスターし、同世代の中でも抜きん出た存在となる。つまり、好循環になる。

出版社に勤務する優秀な編集者は、このサイクルを確実に回すことができていた。サイクルを回すことができない人は、得てして一人で強引になんとかしようとする。これがさらに悪循環になり、泥沼にはまる。私の観察ではいったんはまると、多くの人が抜け出すことができない。業界紙の編集者も、その1人に見えた。

 最後に。冒頭でも説明したが、新卒時の入社の難易度で社員の質はある程度、察しがつく。今後、新卒や中途の採用試験を受ける時に参考にしていただきたい。インターネットのツイッターやフェイスブックで入りたい会社の社員の投稿や書き込みを見てみよう。内容や言葉、表現から、社員の基礎学力、意識や考え方、価値観がある程度把握できるはずだ。入社の難易度が業界で最上位と下位の会社の社員を比べると驚き、言葉を失うほどになると思う。ちなみに、今回取り上げた出版社の優秀な編集者の書き込みを見ると、相手意識を強く感じる。新年早々、爽快な気分になる仕事となった。ぜひ、参考にしていただきたい。

文/吉田典史

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年7月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録はミクロの世界を楽しめる「90倍スマホ顕微鏡」!特集は「家ナカ オフィス改造計画」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。