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朝食抜きの生活を続けると学業低迷、メンタル悪化のリスクが高まる可能性、豪・タスマニア大学研究チーム

2020.02.07

 忙しい朝にはなかなか朝食は摂れないという向きも少なくないだろう。これまでの研究で朝食を食べたほうが1日の総摂取カロリーが少なくなることが報告されているが、体型のためというよりもむしろメンタルの健康のためにも朝食をきちんと食べたほうがよいことが最近の研究で示されている。

朝食を抜くと高まるメンタル悪化リスク

 体調管理と同じく重要なのがメンタルの健康管理だが、朝食を抜くと気分障害(mood disorder)のリスクが高まることが最近の研究で報告されている。メンタルの健康維持のためにも朝食をきちんと摂ったほうが良いようだ。

 豪・タスマニア大学の研究チームが2019年10月に「Psychological Medicine」で発表した研究では、実験参加者を調査当時から5年後に再調査することで、食事パターンとメンタルヘルスの関係を探っている。

 まずは2004年から2006年の間に26歳から36歳の1300人の実験参加者に1日の中での食事の時間帯のパターンを詳しく報告してもらい、加えて気分障害の度合いを計測するインタビューが行われた。そして5年後の2009年から2011年の間に、同じ参加者に同じ調査を再び行ったのである。

PsyPost」より


 収集したデータ分析したところ、リズム正しく健康的な食生活を送っている者は、メンタルの健康も良好に保たれている傾向が明らかになった。そして朝食を抜いたり遅らせたりすることが多い者は、気分の落ち込みや不安障害を体験する頻度が高まることもまた浮き彫りになったのだ。

 心身の健康のためには食べる量をコントロールすることも大切だが、今回の研究では1日の時間帯の中でいつ食事を摂るのかもまた同じように重要であることが示唆されることになった。朝食を抜いたり、夕食に1日の大半のカロリーを摂取するような食生活はメンタル悪化リスクを高めるということだ。

 朝食を抜くことで気分障害のリスクが増加するのか、気分障害を発症することで朝食を抜きやすくなるのか、その因果関係はまだよくわかっていないが、研究チームによれば双方向で影響を及ぼしあっている可能性があるということだ。生活のリズムは人それぞれではあるが、3食のどれかに偏ることなく栄養面はもちろん時間的にもバランスの摂れた食生活が求められているようだ。

朝食を抜く中学生は成績が低迷

 朝食を抜くことは大人ばかりでなく、中学生にも無視できない悪影響を及ぼしているようだ。朝食を食べない生徒は総じて学業成績が低くなっていることが最近の研究で報告されている。

 英・リーズ大学の研究チームが2019年11月に「Frontiers in Public Health」で発表した研究では、イギリスの中学生の教育終了時試験(General Certificate of Secondary Education、GCSE)の成績と朝食の関係を探っている。

 まずは生徒・学生たちの朝食の実態はどうなっているのか。研究者チームは2011年にウェストヨークシャーの294人の生徒と学生を調査している。約53%は毎日朝食を食べていたのだが、18%は毎日は食べておらず、なんと約29パーセントがほとんど朝食を食べないかまったく食べないと回答していた。

MedicalXpress」より


 そして中学生のGCSEの成績を照らし合わせてみると、朝食をほとんど食べなかった生徒は、社会経済的地位、民族性、年齢、性別、BMIを含む重要な要因を考慮に入れて算出すると、朝食を頻繁に食べた人より平均10.25ポイント低く、ほぼ2グレードの差があることが浮き彫りになった。

 この結果を受けて研究チームは栄養不足と低い学業成績に関係があると結論づけている。特に朝食は脳の“燃料”であるということだ。

 最近ではイギリスでも生徒に無料の昼食を提供するプログラムが進んでいるが、残念ながら昼食は学業成績にそれほど影響を及ぼさないという。そこで子どもたちに健康的な朝食を無償で提供する「Magic Breakfast」のプログラムも推進されている。学業における朝食の重要性を今一度確認しなくてはならないのだろう。

朝食として悪くない意外なフードメニューとは?

 忙しい朝であっても朝食は摂ったほうがよさそうだが、では朝食に何を食べたらよいのか。もちろんご飯を炊く余裕があればあまり迷うことはなさそうだが、ストレスなく準備できてしっかり栄養が取れるものを選ぶとなると選択肢は狭まりそうだ。

 決して少なくない人々は、栄養のバランスが考えられたシリアル製品を牛乳と共に食べるオプションを選ぶかもしれない。しかし意外なことにおよそ朝食には似つかわしくない、あるフードメニューも有効であるという。それはピザだ。

 米・ニューヨークで活動する栄養士のチェルシー・アメール氏は、忙しい朝にシリアルなどを“かきこむ”のであれば、昨晩の食べ残しのピザを食べたほうが栄養のバランスがとれるのだと指摘している。

Metros」より


「一切れのプレーンなチーズピザはタンパク質、炭水化物、脂肪がバランスよく含まれています。一方、ボウル1杯分の砂糖が入ったシリアルと低脂肪牛乳の組み合わせはほとんどが砂糖と炭水化物になってしまいます」(アメール氏)

 もちろん朝食としてピザが絶対的に優れているというわけではない。忙しい朝に手っ取り早く砂糖と炭水化物ばかりを摂ってしまうのであれば、前夜に残してしておいたピザのほうが朝食として栄養のバランスが良いことを指摘しているのだ。

 ちなみに理想的な朝食としては全粒粉パンのトースト、卵、ホウレンソウ、ナッツ、種子類、ヨーグルト、フルーツであるという。

 シリアルを販売している各社も昨今は砂糖の使用を減らすことに積極的に取り組んでいる。砂糖を40%削減した商品がある一方、残念ながら砂糖を減らしたことでユーザーから非難されているケースもある。

 またシリアルを選ぶ際にはやはり成分表示をよくチェックするべきで、1食の量も一度は計ってみることが推奨される。気ままにボウルに入れるとたいていの場合はかなり多くなってしまうということだ。朝に時間があってもなくても、栄養バランスに優れた朝食を摂りたいものである。

文/仲田しんじ

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