
■連載/石野純也のガチレビュー
一時は“中国のアップル”とも称され、2010年の創業から急成長したXiaomiが、ついに日本市場に上陸した。日本での初号機に選ばれたのが、1億画素の超高画素カメラを搭載した「Mi Note 10」シリーズだ。同モデルには、1億画素のメインカメラ以外にも、2000万画素の超広角カメラや1200万画素のポートレートカメラ、500万画素の望遠カメラを搭載。さらには、200万画素のカメラまで備え、背面には計5つのカメラがズラリと並んでいる。
スマートフォンに1億画素もの画素数は不要とも思われがちだが、4画素分を1つに束ねる形で処理をして感度を上げたり、一部を切り出してズームのように使えたりと、用途の幅は広い。インカメラも3200万画素と高画素。カメラ機能に定評のあったファーウェイの端末とは異なるアプローチで、撮影機能の向上に取り組んだスマホと言える。カメラ以外にも、画面内の指紋センサーや左右がカーブしたディスプレイを搭載するなど、最新の機能がふんだんに盛り込まれている。
Xiaomiの日本投入第1号機となったMi Note 10。試したのは、その上位版のMi Note 10 Pro
一方で、価格はMi Note 10が5万2800円、その上位版ともいえるMi Note 10 Proが6万4800円と、スペックの割にはリーズナブルだ。チップセットが最上位モデル向けのSnapdragon 800シリーズではないものの、その一段下のSnapdragon 730Gを搭載しており、パフォーマンスも高い。ただ、“初物”ということもあって、なかなか購入に踏み切れないユーザーもいるはずだ。リアルな店舗で販売されていないため、試す機会も少なくなる。そこで今回は上位モデルのMi Note 10 Proを借り、実機を評価した。
ディテールまで鮮明に撮れる1億画素のカメラ、課題は夜景?
まずはもっとも気になるカメラ機能をチェックしてみた。背面には5つのカメラがズラリと並んでいるが、内3つがユニット化されたデザインで、超広角カメラとマクロカメラは、ボディに直接組み込まれたようなデザインになっている。ファーウェイのPシリーズに似た印象で、かなりカメラが強調された外観と言えるだろう。
カメラアプリを立ち上げると、通常撮影モードのほかに、「108M」というタブがあることがわかる。この「108M」が、1億画素でそのまま撮るモードだ。逆に通常の「写真」に設定すると、4画素分を1つにまとめて撮れる。感度は向上するが、そのぶん、撮れる写真のサイズは小さくなる。まずは、風景で2つの写真を比べてみよう。
以下に掲載した写真は、上が通常モード、下が1億画素モード。Webで等倍表示するとパッと見の違いを見分けるのは難しいが、拡大して見るとその違いは明白だ。1億画素で撮った写真は、信号機の横についている看板の文字まで、クッキリと見える。画素数が多いため、ディテールまで鮮明な写真が撮れたというわけだ。
拡大すると通常の「写真」モードは劣化が目立つのに対し、「108M」モードのものはクッキリしている
料理の写真もご覧のとおりで、パンの凹凸がクッキリと映し出されている。一般的なハイエンドスマートフォンでも、画素数は1200万画素から4000万画素程度。1億画素はその2倍から9倍程度のサイズになるため、その鮮明さは特筆に値する。後から拡大して使いたい時などは、こちらのモードで撮っておくといいだろう。
ただし、このサイズに1億画素を収めたために、デメリットもある。より正確に言えば、クセがあると言うべきか。まず、暗所での撮影が少々暗く写るうえに、ノイズが多い。また、画素数が多いぶん、拡大すると手ブレも目立つ印象だ。特に暗い場所で撮るときは、端末をしっかり固定するようにした方がいいだろう。
夜景など、暗所での写りはイマイチ。あえて「108M」に設定する必要はない
おもしろいのが、ギャラリーでの写真の扱いだ。さすがに1億画素で撮った写真は、サイズが大きくなるため、開いた時点ではリサイズされた画像が表示されている。写真を2回ダブルタップして拡大すると、「108Mプレビュー」に切り替わり、ボヤっとした映像が1秒から2秒程度で鮮明になる。ただ、Mi Note 10 Proのパフォーマンスにはやや荷が重いのか、撮影後に画像を閲覧できるようになるまで、少し待たされる。その間、連写もできないため、連続して撮影したい動く被写体などを撮るときは、注意しておきたい。どちらかと言えば、風景写真や物撮りで活躍するモードと言える。
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