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なぜ働き方改革が進んでいる企業ほど中間管理職の負担が増えているのか?

2020.02.05

現在、多くの企業で進んでいる働き方改革には「二重の矮小化」が見られる。本来は働き方というプロセス全般の見直しが必要なのだが、もっぱら「労働時間の削減」が目的になり、さらにそれが「非管理職」の労働時間の削減へと矮小化されている。

そうした中、パーソル総合研究所は「中間管理職の就業負担に関する定量調査」の調査結果を発表した。

働き方改革で業務量が増す中間管理

昨年2018年から働き方改革が進んでいる企業群と進んでいない企業群を比較すると、働き方改革が進んでいる企業群の方が中間管理職の負担感は増している。

働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%(進んでいない企業群では48.2%。全企業の平均52.5%)。また、働き方改革が進んでいる企業群では組織の業務量の増加は69.0%(進んでいない企業群では36.3%)、人手不足は65.7%(同44.2%)、時間不足から付加価値を生む業務に着手できないは56.9%(同42.3%)となった。

中間管理職と人事の認識の食い違い

中間管理職本人が課題と感じている割合が高かったのは、1位=人手不足(57.5%)、2位=後任者不足(56.2%)、3位=自身の業務量の増加(52.5%)。

一方、中間管理職が抱えている課題だと人事が考える割合が高かったのは、1位=働き方改革への対応の増加(52.0%)、2位=ハラスメントの対応の増加(42.7%)、3位=コンプライアンスの対応の増加(38.7%)。中間管理職本人は、人材や時間の不足を感じているが、人事の意識は法やリスクへの対応に偏っている。

中間管理職への支援について、人事の約4分の1(24.0%)が「特に行っていない」

中間管理職を負担感の高さに応じて「高群」「中群」「低群」に分けると、「高群」では様々な問題を高い割合で抱えている。

高群は「残業が増えた」が47.7%(低群は40.2%)、「仕事の意欲が低下した」が23.8%(同18.6%)、「転職したい」が27.0%(同20.0%)、「学びの時間が確保できていない」が63.0%(同41.1%)、「時間不足から付加価値を生む業務に着手できない」が64.7%(同38.7%)。

分析コメント(パーソル総合研究所 主任研究員 小林祐児)

業務量やプロセスに手を付けず、単に労働時間に上限を設けることが主流の現在の働き方改革では、逆に中間管理職の業務量の負担が増してしまうことが調査データから示唆されている。

そうした職場では、労働時間が制約されて人手不足感に拍車がかかっており、付加価値を生むことも困難になっている。 「管理職のなり手がいない」ともよく聞かれるが、そうした後任者不足の問題も、負担の高い職場でより顕著だ。働き方改革は、関連法案への「対応」のフェーズから、業務プロセスの効率化や組織風土改革など、より抜本的な改善フェーズに進むことが求められている。

企業・人事としては、まずは中間管理職が抱える人手不足や業務量などの課題を認識すべきだ。その上で、何でも「中間管理職頼み」にすることは避けなければならない。働き方改革・コンプライアンス遵守・ダイバーシティ対応といった近年の課題を、すべて「マネジメント・スキルの問題」として中間管理職に背負わせるのは酷だ。

そして、自社の中間管理職が担っている業務の種類や量を洗い出し、役割のシェア、デジタル化での負担軽減、権限移譲などを進め、過剰な負荷を背負わないようにメリハリをつけていくことが必要だろう。

構成/ino

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