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「難しくて無理…」「きっと理解できない」苦手意識の強いテクノロジーの説明をわかりやすく噛み砕くマンガの力

2020.02.05

 次々に登場するAI、IoT、5Gなどの新しいテクノロジー、もはや「文系だから~」「苦手だから~」といって避けて通れなくなりつつある。とはいえ、これらの技術は自分とどう関係があるのかわかりにくいゆえに、取っ付きにくさに拍車がかかる。そうしたなかで、テクノロジーを漫画で伝えていこうとする取り組みをご紹介しよう。

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 とっつきにくいテクノロジーを物語の力で身近なものへ

 AI、IoT、5G、ブロックチェーンなどの新技術が次々と現れ、第四次産業革命といわれる大変革のなかで私たちは働き、生活をしている。いま注目されている技術は、従来と少しおもむきが異なるところがある。これまでは個人の便利さや手軽さなどがその効果としてアピールされる傾向が強かった。だが、上述した新しい技術では社会課題の解決や、持続的な成長など必ずしも個人ではなく、集団や環境に対する効用が謳われる傾向が強い。

 こうした新しい技術がどのようなもので、誰に、どんな価値を提供する可能性があるかを知ることは、ビジネスパースンにとっても大事なスキルになるつつある。とはいえ、どうすれば「難しい」「苦手」と思われがちな技術を身近に感じてもらえるか。

 そのひとつが物語というパッケージにすること。誰が、何をして、どうなったか、という人物が時間的な流れのなかで、登場者が変化しながら出来事を説明するスタイルは、古今東西幅広く用いられている。なかでも漫画は登場人物の表情などで、大まかな流れを伝えることができると同時に、テキストで解説を補うことができる表現方法だ。

アステリア社のブロックチェーン事業推進室 室長の森一弥氏

「本当は私がプロットを考えたり、キャラクター設定を考えるのが好きというのもあるのですが、漫画ならば多くの人が読んでくれるのかなという狙いがありました。ブロックチェーンについて知らなくていい、自分たちには関係ないと思っている方があまりにも多かったので」

 こう話すのは、企業向けのデータ連携ソフト「アステリア・ワープ」などを提供するアステリア社のブロックチェーン事業推進室の森一弥室長。ブロックチェーンはビットコインの中核技術として開発されたが、現在は改ざんされにくい分散型の技術として側面が注目され、トレーサビリティなどの用途で、各種業界で使われ始めている。ブロックチェーン=仮想通貨に使われている怪しいもの、という先入観を払拭してもらいたいという思いもあり、森氏らはオウンドメディア「in.LIVE」で、「マンガでわかる!? ブロックチェーン」という全12回の企画をスタートさせた。

「ブロックチェーンそのものをまったく知らなかったので、依頼を受けた時は私で大丈夫なのかと不安はありました。最初の打ち合わせのときにその旨を伝えたんです。すると『そういう方に向けてわかりやすく説明する漫画なので、むしろ適任です』と言っていただいたので、原案・シナリオで、何がわからないのかをしっかり把握できるように心がけました」

 そう話すのは作画を手がけた漫画家の佐倉イサミ氏。無気力な社会人生活していた風間春太が友だちに一人旅を勧められたことで物語が展開していく「春風ふるさと観光協会」(KADOKAWA、2019)や、「おかわり自転車」を漫画誌で連載するプロの漫画家だ。「マンガでわかる!? ブロックチェーン」の主人公・仲元サラのモデルとなったアステリア社広報担当者と佐倉氏が知人だったという縁でこのプロジェクトに関わることになる。

ブロックチェーンの技術的な話はもちろん、キャラクターのビジュアルにもこだわる

 その道のりはもちろん平坦ではなかった。全12回という枠は決まっていたが、原案者の森氏は全12回に渡って連なるストーリーを想定して物語のプロットを構想していた。が、ウェブサイトという媒体の特性を考慮し、一回読み切りで作られることになった。また、ブロックチェーンの説明に軸足を置くなどの理由から、物語の要素は削除されていく。

「いただいたシナリオの専門的な解説部分はすぐに理解できず目が滑ってしまいました(苦笑)。また、どこが分からないのかが分からないことも。なので、ここが分からないので質問するというところにたどり着くまでに工夫が必要でした。いただいたものを場所を変えて何度も読み込んだり、それを時間をおいてまた読んだり、と。

 ただ、そうした苦労は個性的なキャラクターに助けられました。正直、ブロックチェーンの技術的な話よりも、キャラクターのビジュアルの擦り合わせに多くの時間をかけたんですね(笑)。その結果、物語としても楽しいものになったように思います」(佐倉氏)

 詳しくは、ぜひ本編を読んでいただきたいが、オウンドメディアに公開してからの反響は、どうだったか?

「エンジニアのような技術職の方でも、日々忙しいのでトレンドを追いかけるのは大変です。新しい技術だからといって、ホワイトペーパーがあるからそれを読めといわれても、絶対に読まないですよ。なので、漫画で読めるという状態にしておけば、目を通してもらえると思う。また、その技術者が社内で稟議を通すとき、社外の提案などで説明するときに漫画で説明できるものがあると重宝する。私たちもイベントに出展すると、一定数はブロックチェーンって何? という方にお会いします。そうした方には、1話だけを印刷したチラシを渡し、残りはウェブで読んでくださいといった風に使っています」(森氏)

 いまスマホの画面に何を表示させるか、何を使わせるかといった画面占有、可処分時間の奪いあいが激しくなっている。そうした競争のなかで、ディスプレイで読むものの選択肢を増やしても、容易には勝てない。印刷物ならば、画面とは別に時間を確保してもらえる可能性もある、という意味でチラシなどもうまく活用しているようだ。

 上述したアステリア社のオウンドメディア「in.LIVE」は、<技術と人をつなぐテックメディア>を標榜して、運営されている。さまざまな新しい技術が、社会や生活、そして地球環境にとって、どういう役割を果たすか、といった問いには、こうした情報発信がより重要になるのかもしれない。

マンガでわかる!? ブロックチェーン」は、森氏(右)が作った原案・プロットに、オウンドメディア「in.LIVE」を担当する田中伶氏(左)が編集の専門家の視点を加えることで、リーダブルなものへと仕上げられていった。

取材・文/橋本 保 撮影/篠田麦也

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