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【開発秘話】シリーズ累計1800万個以上売れているファミリーマート「スフレ・プリン」

2020.02.04

■連載/ヒット商品開発秘話

 ファミリーマートが2018年11月に発売した『スフレ・プリン』が、発売以来好調に売れている。

 商品名からイメージできると思うが、スフレとプリンが楽しめるハイブリッドスイーツ。スフレのふわふわ食感とプリンのとろとろ食感が同時に楽しめるのが特徴だ。ファミリーマートのデザートで人気ナンバー1になるほど売れており、販売終了したフレーバーを含めて全5種類を販売。これまでにシリーズ累計で1800万個超を販売している。

得意商品と人気商品の合体

『スフレ・プリン』が企画されたのは2018年4月。きっかけは、ファミリーマートの手づくりデザートブランド『ファミマスイーツ』をリニューアルするに当たり、看板商品となるものを用意することにしたことだった。

 当時のファミリーマートは低糖質ブームなどの影響からか、デザート類の売上が下降気味。テコ入れの必要性を痛感したことから『ファミマスイーツ』のリニューアルを決断した。

 リニューアルに当たりユーザーの声を集めたが、その中で注目したのが、「目玉となる商品が見当たらない」というもの。社内でも同様の認識だったことから、『ファミマスイーツ』の看板になる新たなスイーツをつくることにした。

 看板にふさわしい新しいスイーツの検討でも、ユーザーの声に耳を傾けた。すると、「プリンが美味しい」という声が目立つことがわかった。『ファミマスイーツ』では『窯出しとろけるプリン』を筆頭に数種類のプリンが発売されているが、ユーザーからの高い支持から看板となる新デザートはプリンに決めた。

 プリンが得意で強みであることを確認したところで、トレンドであるハイブリッドスイーツに目を向ける。そこで注目したのが、当時のファミリーマートで売れ筋であったチーズスフレ(現在は販売終了)であった。

「社内で『プリンとスフレをくっつけてみたら面白いんじゃない?』という声がありました」

 こう振り返るのは、商品・物流・品質管理本部デリカ食品部デザート・アイスグループ デザート担当の佐藤光さん。低価格でカジュアルなコンビニデザートに、2つが一緒に食べられる贅沢さやご褒美感を持たせることができることから、プリンとスフレを合体した『スフレ・プリン』をつくることにした。

ファミリーマート
商品・物流・品質管理本部デリカ食品部デザート・アイスグループ
デザート担当 佐藤光さん

オノマトペから連想して食感を決める

 スフレとプリンの2つを合わせるときに悩ましかったのが、両者の食感であった。美味しいと定評のあるプリンはとろける食感が特徴。売れ筋のスフレはしっとりした食感で濃厚な味わいが評価されていた。両者の食感をどのようにすれば、両方一緒に食べたときに最も美味しく感じられるか、という点について頭を悩ますことになった。食感はいかようにでもできるので、ベストなバランスを見出すのが難しかったというわけである。少なくとも10種類以上の試作をつくって現在のものにたどり着いたそうだ。

 まず、両方とも重たい食感にしたところ、食べきれないものになってしまった。次は両方とも軽い食感にしたところ、2つのスイーツを食べている満足感が得られなかった。この2つの試作から、似たような食感の組み合わせでは満足できるものはつくれない、と確信する。

 食感はいかようにもできるので、最適解を導き出すのは簡単なことではない。ただ、「食感をオノマトペで表現して打ち出した方が消費者には刺さるのでは?という仮説があった」と佐藤さん。シズルを表す言葉から食感の組み合わせに関するアイデアを得て試作をつくってみることにした。

 シズルを表す言葉で注目したのが、「ふわふわ」と「とろとろ」の2つ。スフレをふわふわ、プリンをとろとろ食感でつくり合わせてみたところ、それぞれをそのまま食べても、一緒に食べても美味しい。さらに、一緒に食べると新しい「ふわとろ」食感になり楽しめるものになった。これで『スフレ・プリン』の骨格が決まり、商品自体は微調整を繰り返すことで完成まで持って行くことができた。

 ただ、ふわふわ食感のスフレを量産することはとても気を遣うものだった。多くの空気を混ぜて軽くふわふわに仕上げるとはいっても、量産していくとやがて、最初の方でつくったものが潰れていってしまう。製造工場が人手と手間をかけてスフレを潰れないようにつくることにしたが、「販売する私たちも、大丈夫なのかと心配になるほどでした」と佐藤さんは振り返る。

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