
■連載/石野純也のガチレビュー
スマホに接続するアクセサリーとして、急成長しているのが、左右独立型のBluetoothイヤホンだ。アップルのAirPodsを筆頭に、街で装着している人を見かける場面も増えている。そのAirPodsに、強力な対抗馬が現れた。ファーウェイの「FreeBuds 3」がそれだ。
AirPodsと同様の開放型で、軽いフィット感で耳に装着できるのが特徴。耳に装着するスピーカー部分から棒状のパーツが伸びている点も、AirPodsと同じだ。一方で、FreeBuds 3は、この形状でノイズキャンセリングを実現しているところに、技術面での優位性がある。
左右独立型のBluetoothイヤホンでノイズキャンセリング対応というと、ソニーの「WF-1000XM3」や、アップルの「AirPods Pro」がメジャーな存在だが、いずれも耳栓のように耳を密閉するカナル型。開放型のままノイズキャンセリングを実現した、FreeBuds 3の特異性がわかるはずだ。しかも販売店によっては、価格が2万円を下回る。ここで挙げたほかの製品と比べた時、一段安い価格で手に入るというわけだ。
とはいえ、ファーウェイのオーディオメーカーとしての実力は未知数。スマホでおなじみのメーカーではあるものの、イヤホンは開発のノウハウが異なるため、気になってはいてもなかなか購入に踏み切れない人もいるはずだ。そこで今回は、このFreebuds 3を試用し、使い勝手や音質を評価していきたい。
デザインはAirPods似で、スピーカー部分から棒状のパーツが伸びる
専用アプリでペアリングが簡単、操作のカスタマイズも可能
スマホとのペアリングには、専用アプリの「HUAWEI AI Life」を使用するのが手っ取り早い。ファーウェイ製のイヤホンではあるが、一般的なBluetoothで接続しているため、スマホの種類は選ばない。アプリなしでも接続はできるし、ファーウェイ以外のAndroidスマホはもちろん、iPhoneでも接続は可能だ。ただし、アプリが用意されているのはAndroidのみで、iOSの場合は標準設定のまま使うことになる。ファーウェイ製である必要はないが、Freebuds 3の実力を生かすなら、Androidスマホがオススメだ。
ペアリングも簡単になるため、あらかじめアプリをダウンロードしておきたい。HUAWEI AI Lifeで管理を行う
ペアリングは簡単で、アプリを起動し、FreeBuds 3のケースを開き、横にあるボタンを2秒間長押しするだけ。特に難しい設定は必要なく、すぐにスマホと接続することができた。今回のレビューには、筆者の私物であるサムスン製の「Galaxy Note10+」を利用したが、初期設定や利用に問題は起こらなかった。アプリの挙動にも違和感はなく、きちんと他社製の端末との接続が考えられていることがうかがえた。
ファーウェイのEMUI 10以降の端末であれば、ふたを開くだけでペアリングできるが、Galaxy Note10+でもボタンを押すなどの手間が増えるだけで、接続自体は簡単だった
このアプリでは、FreeBuds 3の本体およびケースのバッテリー残量を確認することができる。初期設定では、右のイヤホンをダブルタップすると音楽の再生および曲送り、左のイヤホンをダブルタップするとノイズキャンセリング(アプリ上の表記はアクティブノイズリダクション)のオン/オフを設定できるようになっているが、これはアプリ上で変更可能だ。
本体をダブルタップして操作可能。割り当てる操作は、アプリ上で変更できる
ただし、操作を割り当てられるのがダブルタップのみなのは、少々残念。再生、曲送りと一時停止を左右それぞれに設定してしまうと、ノイズキャンリングのオン/オフはアプリ上からしかできなくなる。ノイズキャンセリングを頻繁に切り替えるわけでなければこれでもいいが、シングルタップでも操作できるようにするなど、もう少しイヤホン側からできる項目は増やしてほしいと感じた。
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