もうすぐ実物大のガンダムが動く!今年10月にオープンする「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の気になる中身
2020.01.30
■連載/阿部純子のトレンド探検隊
全長18mの実物大ガンダムが動く!
「機動戦士ガンダム」の40周年プロジェクトの一環として、全長18mの実物大ガンダムを動かす「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」がスタートしたのは2014年。アイディアやプランを募集し、研究者、エンジニア、クリエイターなど各界のプロフェッショナルが集結。議論を重ねながら、設計と検証を繰り返してきた。計画から5年が経過した今年10月から、横浜・山下ふ頭にて開催される「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」で、とうとう“動くガンダム”が公開される。
実物大ガンダムは富野由悠季総監督のもと、さまざまな分野の企業がテクニカルパートナーとして参画し、現在も制作が続けられている。1月に開催された「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA 概要発表会」では、現在までの制作状況やロボット技術、開催内容、模型などが公開された。
モデルは初代ガンダム「RX-78」。ガンダムのデザインと可動を実現させるため、デザイン側、メカ側の両方からのアプローチで開発を進めた。鋼鉄製の可動フレーム、カーボン樹脂の外装で本体の質量は125t。関節自由度はハンドを除く全24自由度。アクチュエータはすべて電動。「モータ+減速機」「電動シリンダ」を併用し、大きなトルク部分は電動シリンダを採用している。
腰を後ろから支持する「GUNDAM-CARRIER(ガンダムキャリア)」と名付けた支持台に接続。動作時には人は非搭乗で、遠隔制御室から動作指示を行う。屋外展示のため、雨、塩害、地震、台風の屋外環境や天災を踏まえた設計を進めている。
ガンダムキャリアは作業機械として実績のあるものをベースに開発し、転倒防止等の安全性を確保。ガンダムの後方には、動くガンダムを格納しメンテナンスワークを行う「GUNDAM-DOCK」と呼ばれるメンテナンスデッキがある。ドックは可動デッキでガンダムの前方に回り込むこともでき、保守作業の際には作業者がメンテナンスを行う。
「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」で一般公募から選ばれたのが、東京大学大学院情報理工学系研究科 岡田慧教授が開発した「GGCリサーチ オープンシミュレータ」。ガンダムのCGデータを用いて開発した、ソフトウェア並びにハードウェアのオープンロボットプラットフォームで、今回の動くガンダムもこのシミュレータを活用して開発された。こちらは一般公開され無償で使用することができる(2022年3月まで)。
「生活環境の中で人間のように道具を使って作業できる、人型の汎用型ロボット研究を行っている。最近のロボット開発の中で注目を浴びているのが、無償で使えるオープンシミュレータ。仮想環境でプログラムを作り、それを実際のロボットに適用する。
GGCリサーチ オープンシミュレータにより、さまざまなジャンルの方々にロボット工学に興味を持っていただき、すでにロボットを専攻している学生たちには自由にロボット開発に参加できるような体制を作りたい。
我々研究者は、普段は自分たちだけの狭い世界に没頭しがちだが、子どものころガンダムを見てこういうものが作りたいと思った夢を改めて思い返して、今回の展示だけでなく将来的な“リアルガンダム”の実現に繋げたいと考えている」(岡田教授)
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