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20代の社員が伸び悩む会社に共通する3つの特徴

2020.01.28

■連載/あるあるビジネス処方箋

今回は、20代で仕事力が伸び悩む会社の特徴を私の取材経験をもとに紹介したい。この場合の「伸び悩む」とは、同業他社で同じような仕事をする20代の社員の仕事力と比べて低い状態が数年以上続くことを意味する。私がイメージするのは、かつて一緒に3年間、仕事をしたことのある広告会社(社員数60人程)の20代の男性社員。新卒(大卒)で入り、4〜6年目くらいだった。この広告会社は、下記ではA社と表記する。

1. 1人で仕事をする

 男性社員が伸び悩む最大の理由は、1人で仕事をしていたからだ。役員からじかに聞くと、上司(40代の課長)から担当する仕事を与えられ、大まかなプロセスは教えられるようだ。ところが、上司がそれ以上、教えない。結果として、作業工程の1つずつを詳細に学ぶ機会がほとんどない。従って仕事の進め方が雑になり、ミスが目立つ。私からすると、時に強引で乱暴な印象すら受けた。通常、上司が経験の浅い社員とは1週間に少なくとも数回は話し合い、何らかの助言や指摘をするものだ。この投げかけをしないと、通常、人は育たない。

 高校の英文読解に例えてみよう。教師から長文を与えられ、生徒は読む。それを教師が批評する。そこから教師が踏み込んで教えないと、力はつかない。本来、教える側は「この強調構文は何を強調しているのか、わかる?」などと投げかけることで、生徒の知識を確実なものにしないといけない。あるいは、「この単語の意味は?」「熟語を単語に置き換えると、どうなる?」と問いかけて、知識を深いものに誘う必要がある。英語の学力(点数や偏差値)が伸び悩む人は、このように精読する機会が少ないのでないだろうか。つまり、「点数を取るための勉強」である。

 これと似たことが、A社には見られた。上司が単に仕事を与えるだけだった可能性が高い。部下に毎日報告を求め、その1つずつに、つまり、隅々にまで注意を配り、懇切丁寧に教えていないのだろう。これでは、経験の浅い人は伸びない。

2. PDCAサイクルが回らない

 いわゆるPDCAサイクル「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」が回らないのだ。3年間にわたり、上司から適切なタイミングで、Checkを受けることがほとんどないために、20代の社員はActionに結びつかないようだった。Checkは「よく頑張った」「これからも、よろしく」といったレベルの感想になっていた可能性が高いのではないだろうか。結果として、同じミスや過ちを繰り返していた。その数は、3年間で数百に及ぶ。

 経験が浅い人が、PDCAサイクルをスムーズに回すのはなかなかできない。本来は上司が、特にCheckを中心に観察し、適宜、助言を与え、指導をしないといけない。このような一連の試みをするから、経験の浅い人は仕事から学んだ知識や技能が高まる。A社には、完全に欠落しているように見えた。

3. 必要以上の大幅な権限移譲

 1と2のステップを踏まえないと、大多数の人は勘違いをするものだ。「自分の仕事の進め方は正しい」と受け止めるものだろう。そもそも、上司からCheckを受けることがない進め方は「会社員の仕事」とは私は言わないと思う。だが、ふだんから上司から丁寧に繰り返し教えられないと、「それなりに、自分は仕事をしている」と感じるものではないだろうか。20代の社員は、そのように私には見えた。もともと、自分の力を過大評価する傾向がある性格に思えたが、ますます顕著になっているようだった。

 さらに問題であるのは、仕事の権限を大幅に委譲していたことだ。私の観察では、PDCAサイクルの「Check(評価)→Action(改善)」がスムーズに機能しない時は、得てして現実離れした(=必要以上の)大幅な権限移譲が行われているケースが多い。たとえば、A社では社会人経験がわずか数年の社員に、その仕事のあらゆる権限を与えているようだった。必要以上の大幅な権限移譲は、「上司不在」や「仕事の丸投げ」に近い状態になりやすい。本人は、様々な意味で勘違いをするようになる。20代の社員の物言いや行動、メールの文面からは尊大なものを感じることが多かった。

 最後に。A社のような会社に就職すると、20代の人は仕事力については伸び悩む可能性が高いと私は思う。読者諸氏がこういう職場にいるならばほかの部署への異動願いを出してみることをお勧めしたい。それが不可能ならば、状況いかんでは、転職を考えてもいいのかもしれない。ただし、慎重に検討してほしい。このレベルの会社が今後、大きく変わる可能性は低いはずだ。そのあたりまで含めて冷静に考えたい。それほどに、人材育成力は大切だ。残念ながら、この力を強化するのは一般職(非管理職)ではできない。役員になったところで、大きくは変えられないだろう。だからこそ、新卒や中途の採用試験を受ける前に、友人や知人に聞いたり、インターネットを使い、人材育成力やその仕組みを調べてみよう。どうか、損をしない会社員人生を送ってほしい。

文/吉田典史

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