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ベントレー「コンチネンタルGT」に乗って垣間見たクルマの進むべき道

2020.01.28

商品として魅力的か? ★★★★★5.0(★5つが満点)

 第3世代となった「コンチネンタルGT」は、CASEと呼ばれる現代の自動車が直面することとなった新しい課題にも対応している。SIMカードを装備してインターネットに常時接続し、車内はWiFi環境下にある。ACCとレーンキープ&トラフィックジャムアシスト、パーキングアシストなどの運転支援機能も装備されている。

 フルデジタル化されたメーターパネルはステアリングホイール上のボタンで豊富な機能の表示を切り替えていくことができる。驚かされたのは、エンジン制御のエコ志向が強まっていることだった。W型12気筒はスピードが一定の巡航時などには気筒の半分を停止し、残り半分の6気筒で走行できるのは以前から行われていたが、さらに条件が揃えばコースティングも行なうようになった。

 コースティングとは、走行中にエンジンとギアボックスが切り離され、そこからクルマは惰性で走り、エンジンはアイドリング状態になることだ。ちょっとでもステアリングを切ったり、アクセルペダルを踏んだりした途端にエンジンとギアボックスは接続する。一回ごとのコースティング状態の時間は短いが、チリも積もれば山となるの喩え通り、燃費はそのぶん確実に良くなる。

 CASEの課題をクリアしつつ、いわゆる世界観を崩していないのが頼もしいところだ。CASEの課題を素早くクリアしている筆頭格であるテスラやボルボなどは大きなモニター画面に操作系統を集約し、物理スイッチを減らしていく方向にある。世界のベストセラー、フォルクスワーゲン「ゴルフ」も昨年末に発表された第8世代はメーター類がすべてデジタルパネル化された。「コンチネンタルGT」も、その方向に進んでいるのだけれども、まだまだスイッチは多い。しかし、ずっと続けてきた、スイッチやレバーなどを動かすところには滑り止めのローレット加工を施しているのも、また、ベントレーのデザイン文法を守り続けている証しである。

 つまり、ドライバーインターフェイスまではこれまでの「コンチネンタルGT」なりベントレーの様式を守りながら、メカニズムやデジタル制御などのクルマの内側の部分は最新のものを揃えているのである。100年を超える歴史を持つ超高級車メーカーであっても、昨今の進境著しいCASEを織り込むことを怠らず、それでいてそれだけに流されることもない。世界観に揺るぎがないのだ。

 将来、アップルやグーグルが完全自動運転を先に実現してクルマを造り始めるようになった時に、既存の自動車メーカーはどうやってそれを太刀打ちするのか? 自動車メーカーだって自動運転の開発を行なっているが、アップルやグーグルが持っていない“歴史と伝統”は強い武器になるだろう。ブランド価値の有無が、コモディティ化する自動車に対抗できる大きな手段となる。

 そうなった時のために既存のクルマの進む道がどんなものなのか示すヒントが「コンチネンタルGT」の進化に含まれているように思えた。

■関連情報
https://www.bentleymotors.jp/models/continental/new-continental/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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