
ラグビーブームに沸いた2019年。1月12日には「ラグビートップリーグ」が開幕し、各地で会場が満員になるなど、2020年に入ってもその熱は収まらない。
そんなラグビーブームのきっかけを作った「ラグビーワールドカップ2019日本大会」と現在開催中のトップリーグに関する意識調査がこのほど、公益財団法人笹川スポーツ財団により、全国18~79歳までの男女4000人を対象にして行われたので、その結果を紹介していきたい。
ラグビーワールドカップ2019日本大会の観戦率
ラグビーワールドカップ2019日本大会の観戦状況が調べられたところ、「テレビやインターネットのメディアでの中継で観た」が58.3%で、「試合会場で直接観た」が2.2%だった。
また、「(直接・間接を問わず、何らかのかたちで)試合を観た」が約6割 (59.0%)という結果に。
図表1 RWC2019日本大会の観戦状況
※あなたは、テレビ中継やスタジアムでの観戦など、何らかの方法で【ラグビーワールドカップ2019日本大会】の試合を観たか。(複数選択可)
RWC2019日本大会観戦者における、今後のラグビー試合の観戦希望率
ラグビーワールドカップ2019を観戦した人を対象に「今後、ラグビー試合を観戦したいと思うか」尋ねる調査が行われた。
すると、「日本代表試合をテレビやインターネットのメディアでの中継で観戦したい」が57.4%で最多となり、「日本代表試合をスタジアムや競技場で直接観戦したい」が29.7%と続いた。
W杯後も、桜のユニフォームをまとって世界と戦う選手たちを観たいと思う人は多いようだ。
図表2 RWC2019日本大会観戦者における、今後のラグビー観戦希望
※あなたは今後、テレビ中継やスタジアムでの観戦など、何らかの方法で国内で行われているラグビーの試合を観たいと思うか。(複数選択可)
【参考】
RWC2019日本大会観戦者における、RWC2019開幕(2019年9月20日)以前の過去1年間のラグビー観戦状況(直接・間接)
ラグビーワールドカップ2019日本大会観戦者の新リーグへの期待度
日本ラグビー協会は、代表チームの強化など今後の日本ラグビーの発展のため、現在のトップリーグ(TL)に代わる新たなリーグを2021年秋に発足する方針を決定した。これについて、意見を求める調査が行われたところ、「大いに期待する」が25.7%、「ある程度期待する」が48.8%となり、「期待する」の合計は74.5%となった。
図表3 RWC2019日本大会観戦者の新リーグへの期待
※新リーグについてどのように考えるか。(1つ選択)
■研究担当者コメント
本調査結果より、ラグビーワールドカップ2019を試合会場やテレビなど、何らかの方法で観戦した者は6割であり、また、観戦した人の8割が今後もラグビーの試合を観戦したいと回答し、新リーグへの期待も高いことが明らかとなった。
メガイベントの国内開催が人々に与えるインパクトは大きく、加えて日本代表の快進撃により、ラグビーに対する人々の関心は確実に高まっていると言える。
今後は、ラグビーを気軽に観戦できる環境整備や情報発信、メディアでの試合配信の増加などが求められる。観戦者の詳細や意識の変化については引き続き分析をしていく。
【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 シニア政策オフィサー 武長理栄】
<調査概要>
調査目的 :ラグビーワールドカップ2019日本大会における人々の観戦行動の実態やラグビーへの意識の変化、ニーズなどを把握し、メガイベントを契機とした国内スポーツの活性化を図るための基礎資料とする。類似するメガイベントの影響を比較検討する基盤となるとともに、今後、国内外で開催される同種のメガイベントの継続的な調査が必須となる。
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :全国の市区町村に在住する18~79歳までの男女4000人
(4,000サンプルが地区・都市規模別の性別・年代別人口構成比率に近似するよう割当)
調査期間 :2019年12月28日(土)~2020年1月5日(日)
主な調査項目:ラグビーワールドカップ2019日本大会の直接観戦、テレビ等での観戦、観戦した理由・きっかけ、スポーツ観戦経験、今後のトップリーグの観戦希望、過去1年間のスポーツ実施状況、印象に残った選手 他
出典元:笹川スポーツ財団
http://www.ssf.or.jp/
構成/こじへい
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