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ついにプレミアデビュー!南野拓実はザルツブルクの5年で学んだ忍耐力でチャンスをものにできるか?

2020.01.25

 欧州王者・リバプール移籍から3週間。南野拓実がついに長年の悲願だったイングランド・プレミアリーグデビューを飾った。
 現地時間23日(日本時間24日未明)に行われたプレミアリーグ第24節・ウルヴァー・ハンプトン戦。サディオ・マネの負傷によって前半33分、背番号18をつけた25歳の日本人アタッカーがピッチに送り出された。名将、ユルゲン・クロップから直々に指示を受けて大舞台に立った彼にしてみれば、ここまで来るのは本当に長い長い時間だったに違いない。

なぜ欧州屈指の育成クラブ、ザルツブルクからのステップアップに5年もかかったのか?

 振り返ってみると、南野が欧州挑戦に踏み切ったのは、ちょうど5年前の2015年1月。アカデミー時代から過ごしていたセレッソ大阪で順調にトップ昇格し、2013年にJリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞し、2014年にはアルベルト・ザッケローニ監督率いる日本代表候補に選ばれ、2014年ブラジルワールドカップ予備登録入りを果たすなど、ここまでは凄まじい勢いで階段を駆け上がっていた。それだけに、20歳目前でのレッドブル・ザルツブルク移籍は決して驚きではなかった。多くの関係者が「オーストリアは単なるステップ。1~2年のうちに欧州5大リーグのクラブに移籍するだろう」と見ていた。

 ご存じの通り、ザルツブルクというのは「欧州屈指の育成クラブ」として一定の評価を得ている。優秀な若手を育成、あるいは他国からスカウトしてきてビッグクラブに売る術に長けていて、南野加入前にも22歳だったマネがサウサンプトンに買われ、24歳だったケヴィン・カンプルもボルシア・ドルトムントに飛躍を遂げている。マネがサウサンプトンからリバプールへ赴いたのは周知の事実であり、カンプルもドルトムントから半年後にはレバークーゼンへ移籍。その2年後にはクラブ史上最高額の2000万ユーロ(約24億円)でライプツィヒに買われるほどのブレイクを遂げた。

 南野はもちろんこういった成功例を熟知したうえで、ザルツブルクに赴いていた。移籍から1年足らずの2015年10月には、「僕もカンプルみたいにビッグクラブへ行くのを狙ってます、ここに来たのはステップアップのため。1人で欧州にいれば、人としても強くなれるし、欧州サッカーを身近に感じられる。そこらへんにすごいやつがいるっていうのは実際に来てみて、肌で実感することですね」と目を輝かせていた。
 実際、数字も残していた。移籍1年目の14-15シーズンは後半戦だけで国内リーグ・14試合出場3得点を記録。続く15-16シーズンは同32試合出場10得点、16-17シーズンは21試合出場11得点と2年連続2ケタゴールを記録。2017年夏にはいよいよ5大リーグから声がかかるかと思われた。年齢的にも22歳とタイミング的にもベストだったが、なぜか南野は残留。同世代のナビ・ケイタ(リバプール)や年下のサヴェル・シュラーガー(ヴォルフスブルク)らがどんどん先に引き抜かれていった。

 日本人である南野に外国人枠の壁があり、言葉の部分でもドイツ語を母国語とするオーストリア人選手に比べると劣るというマイナス面があったのは確かだが、活躍度が見劣りしたわけではない。にもかかわらず、2017年、2018年、2019年と時間が過ぎていく。まさか丸5年もザルツブルクに塩漬けになるとは、本人も予想だにしなかったはずだ。
「もちろん今の状況には満足してない。だからこそ、結果が必要だと思う。自分の現状を変えるには結果だけを求めていくしかない。2・3シーズン目にリーグ2ケタ得点を取りましたけど、そうやってコンスタントに毎年得点を取れる選手ってことを証明することで、チームでの信頼も変わってくる。自分としても『もっとできる』という手ごたえはあるし、それを示していきたいです」

 筆者が何度か現地を訪れるたびにこんな話をしていた南野。ガムシャラに上を目指して突き進んでいたが、2018年ロシアワールドカップまで日本代表定着を果たせなかったこともあり、欧州内での市場価値が劇的に上がらなかったのだろう。やはりアジア人選手が欧州でのし上がっていくためには、代表歴も重要。香川真司(サラゴサ)や岡崎慎司(ウエスカ)はテレビの実況で「ジャパニーズ・インターナショナル」と紹介されるのとされないのでは、欧州クラブやスカウトの印象も違ってくる。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(現モロッコ代表)による南野への冷遇が、ザルツブルクに5年間留まることになった一因だったのは確かだろう。

CLに出れば何かが変わる

 そんな停滞感を打破するきっかけになったのが、2018年ロシアワールドカップ直後の森保一監督率いる代表新体制のスタートだ。南野はチーム発足当時から前線の主軸に位置付けられ、コンスタントに結果を残すようになる。2019年アジアカップ(UAE)では壁にぶつかり、その後戻ったクラブでもアーリング・ハーランド(ドルトムント)の加入などで出番が減るといった苦境に直面したものの、決してめげることはなかった。

「僕は他の趣味もなくて、少年時代はサッカーに1日のほとんどの時間を投じるくらいの勢いでした。それだけ時間をかけることが苦じゃなかった」と話していたこともあるが、とにかくサッカーに全身全霊を注ぎ、高みを目指すことをやめなかった。今季前半戦もザルツブルクに残留することになったが、それはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)参戦という大きなチャンスがあったから。「CLに出れば何かが変わる」と彼自身も大舞台にフォーカスし、本当に2019年10月のリバプールとの試合で1ゴール1アシストという強烈なインパクトを残した。アタッカーは1つのゴールで人生が変わるというが、彼のケースはまさにそう。名将・クロップを苦笑いさせたあの一撃が新たなキャリアを切り開く突破口になったのは間違いない。

 そして迎えた2020年。南野は名門の一員となり、FAカップに続いてプレミアという世界最高峰リーグに身を投じた。今回のゲームは後半15分に1本シュートを打っただけで、前線の点取屋としてはやや不完全燃焼感の残る出来だったかもしれないが、モハメド・サラーやロベルト・フィルミーノら強力3トップの一角に入ってプレーした経験は大きい。マネがケガで長期離脱することになれば、スタメンのチャンスも回ってくるかもしれない。この機を逃す手はない。南野が本当にイングランドで成功できるか否かはこのタイミングにかかっているといっても過言ではない。これからしばらくは背番号18の一挙手一投足をしっかりと見極めたい。

文/元川悦子

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