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本格参入を表明したトラストバンクの新社長が語る「企業版ふるさと納税」の現状と課題

2020.01.26

「ふるさと納税」というと個人が寄付するものというイメージがあるが、「企業版ふるさと納税」の存在はあまり知られていない。

ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクの新社長に就任した川村憲一氏は、今後の事業展開の一つに「企業版ふるさと納税への本格参入」を挙げた。そこで川村社長に「企業版ふるさと納税」の現状や課題、今後のことについてコメントをもらった。また個人向けのふるさと納税の活用術についても聞いた。

企業版ふるさと納税とは

「企業版ふるさと納税」は、2016年4月に創設された企業を対象としたふるさと納税制度だ。

自治体による地方創生に係る事業で、内閣府による認可を受けた事業について、企業が寄附を行った際に税額が控除される。ただし、本社などの主たる事務所の立地する自治体への寄附は対象とならないなど、条件がある。

先日、トラストバンクでは、2020年1月1日付で、前代表取締役の須永珠代氏が会長兼ファウンダーに、前取締役の川村憲一氏が代表取締役に就任した。川村新社長は、新たな事業構想の一つとして「企業版ふるさと納税へ本格参入」を挙げる。

トラストバンク代表取締役 川村憲一氏

そんな川村社長に、企業版ふるさと納税の現状や、今後の構想について聞いた。

「企業版ふるさと納税は、当初は2020年の3月に終わる予定でしたが、法改正でさらに5年間延長され、令和6年まで延びました。さらに税額の控除の幅が広がり、軽減率が6割から9割になるため、企業側は実質1割の企業負担で済みます。自治体側はプロジェクトを立ち上げるにあたって、非常に複雑化していた手続きが簡素化されることで、取り組みやすくなります」

「内閣府の資料によれば、企業側にとってのメリットとしては、地方創生に貢献する企業であることのPRや、地方公共団体とのリレーションシップが構築され、SDGs(持続可能な開発目標)を通じて企業の価値が向上できることが挙げられています。そのため、企業版ふるさと納税への関心が高まっています」

自治体と企業をマッチング

トラストバンクは、企業版ふるさと納税において、自治体の事業提案から資金調達まで一気通貫のスキームを立ち上げるという。本来は自治体がプロジェクトを考えて、内閣府に申請して承認を得る形だが、トラストバンクは、地域を創生する課題解決をパッケージ化して自治体に提案する。そして自治体が選んだ提案と、寄付したい企業とのマッチングをトラストバンクが請け負う。

特に大企業は地域創生に対して非常に関心が高く、すでに寄付を行っている企業も非常に多い。そしてそのうちのほとんどの企業が、地域の課題解決のツールやノウハウを持っている。その企業と自治体とのマッチングをトラストバンクが担うというわけだ。

川村社長の発表におけるスライドの一部

2020年4月以降に「企業版ふるさと納税」のサイトを新たに立ち上げる予定だ。

トラストバンクの目的としては、経済循環の中に「企業版ふるさと納税」を加えることで、地域に新しいお金の循環を創出すること。また人の循環も企業版ふるさと納税によって変わっていくと考えている、と川村社長。企業版ふるさと納税への関係企業の増加により、高い技術力を持った人材が関わることで、地域の課題が解決しやすくなる。

つまり、“地域共創型”の企業版ふるさと納税を進めていく構想であると川村社長は述べる。本格展開は、2020年の4月からとなる。

「企業版ふるさと納税」の現状課題は知名度の低さ

ところで、企業版ふるさと納税にはどんな課題があるのだろうか? 川村社長に聞いた。

「企業版ふるさと納税の現状の課題としては、圧倒的に知名度が低いことが挙げられます。これまでは自治体がプロジェクトを立ち上げるまでが複雑で、そもそも提案数が少なかったため、企業側とのマッチングがむずかしいところがありました。数が少ないと話題にもなりにくいため、自治体も企業も情報に触れる機会がなかったことが、第一の原因なのではないかと考えています。

今回の法改正によって自治体側の手続きが簡素化されるため、プロジェクトが立ち上がりやすくなることによって、この知名度が低いという課題も解決しやすくなっていくと考えられます。自治体の課題は山積みであるため、ビジネスとしての可能性は大いにあると思っています」

「企業版ふるさと納税」は、2020年にはどうなる?

2020年、企業版ふるさと納税はどうなっていくのか。川村社長は次のように語る。

「寄付する企業側の控除が9割になったということは、1割負担で済むことになり、仮に同じ金額を寄付すると、昨年までの4~7倍増が見込めることになります。企業版ふるさと納税に意識の高い企業が参入しようとしていることが、我々にとってもビジネスチャンスになると思っています」

個人向けふるさと納税の2020年活用術

ところで、トラストバンクといえばポータルサイト「ふるさとチョイス」になじみがある人も多いのではないだろうか? そこで川村社長に、2020年のふるさと納税の活用術について教えてもらった。

「ふるさと納税の定期便がおすすめです。定期便とは1回の寄附で地域の特産品が複数回に渡って届くものです。定期便には12ヶ月もの、6ヶ月もの、3ヶ月ものがあり、その期間中、毎月届きます。返礼品が一度にドバッと届いて、冷蔵庫に入りきらずに大変なことになる人が多いですが、小分けになって届くため、冷蔵庫がいっぱいになるのを防ぐことができます。また返礼品の選択肢も増えます」

また、こんな活用法もあるという。

「毎年12月31日に駆け込みでふるさと納税を申請しても、実際には1月1日の0時を過ぎても手続きが終わらず、翌年に繰り越されるケースも多いです。前もって計画的にやっておけば、そういうことがなくなります。返礼品を選ぶのは意外と時間がかかりますので、まずはポイントに変えておいて、後でじっくりと選ぶという方法もおすすめです」

ふるさとチョイスには、独自のポイント制度がある。寄付をした時点では返礼品の代わりにポイントに変えておくことができる。そして後からポイントを返礼品に交換するという流れになる。このポイントを活用することで、余裕を持って好みの返礼品を受け取ることができるだろう。

企業版ふるさと納税は今後、知名度が高まっていくか。その動向を気にしていよう。また個人向けのふるさと納税のテクニックもぜひ活用しよう。

【取材協力】
株式会社トラストバンク
https://www.trustbank.co.jp/

取材・文/石原亜香利

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