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「冷え」は病気じゃない!実は普段食べているものにも原因があった!?

2020.01.23

■医師がすすめるカラダにイイこと!教えてDr倉田

カラダを温める「温活」という言葉を目にしますね。「冷え(冷え性)」は女性特有のイメージがありますが、実際には男性でも悩んでいる人が増えています。今回は「冷え」を食事(栄養)や西洋医学の視点からご説明します。

冷えは病気ではない?

「冷え(冷え性)は病気ではない」と聞くと驚かれるかもしれませんね。

2019年10月にリンナイが、20~60歳代の男女1000人(男性500人、女性500人)を対象に調査したところ、女性の72%、男性の40.6%が、冷えを実感していました.

私がほかの調査も調べたところ、対象者数や性別構成・調査時期(季節)などに違いはあっても、「最近は女性だけでなく、男性も冷えで悩んでいる人が多い」結果が見えてきました。

「冷え」は多くの方を悩ませていますが、あくまでも「手足などが冷える”症状”を表わす」言葉であって、病名ではありません。

医学部で学ぶ西洋医学の本に「冷えの仕組みや治療法」は書かれておらず、医師国家試験にもほぼ出題されません。そこで医師たちは自分自身で、漢方薬や東洋医学を学び、患者さんの「冷え」に対応しています。

食事と冷えが関係する??

食事と冷えについての調査研究は非常に少ないです。2017年に聖ヶ丘教育福祉専門学校が「冷えと食事・栄養」について調査を行いました。成人女性14名と対象人数は限られますが、斬新で詳しい分析ですのでご紹介します。

1) 冷えで悩む人は、トランス脂肪酸の摂取量が多い!
2) 冷えで悩まない人は、脂肪エネルギー比率が高く、n-6系脂肪酸を多く摂取している!

「トランス脂肪酸」は菓子パン、ケーキなどの加工食品に多く含まれています。「摂り過ぎると血液中の悪玉(LDL)コレステロールが増えて、善玉(HDL)コレステロールを減らす」ことから近年関心が高まっています。

欧米諸国の方が日本よりトランス脂肪酸をたくさん摂取していますから、「冷え」に悩む人は多そうですが、西洋に冷えの概念が無いので判明は難しそうです。

「トランス脂肪酸」だけが冷えの原因でしょうか?

一般的に「トランス脂肪酸」を含む食品は、同時に「糖分(ショ糖)」も多く含む傾向があります。東洋医学では、「ショ糖」はカラダを冷やす(涼性食品)に分類されています。成人男性に冷えで悩む方が増えていますが、菓子パンだけで食事を済ませる習慣は注意が必要かもしれません。

今回の調査では、n-6脂肪酸を積極的に摂取していた人達は冷えを訴える割合が低い結果でした。n-6脂肪酸はリノール酸が有名ですが、脂質を構成する脂肪酸で、植物油(ベニバナ油、ごま油、米ぬか油)・肉類・大豆などに多く含まれます。人間の体内では合成されないので、食事から摂取する必要があります。

トランス脂肪酸、n-6脂肪酸という「脂質が冷えと関連する」ことが分かったことは大きな発見です。

「太っている人より痩せている人の方が、冷えを感じやすい」という調査結果もいくつかあります。体脂肪が体温維持に重要な役割を担っているからと考えられます。過度なダイエット、脂質を摂らない食事は「冷え」を悪化させることがあります。

冷えで悩む方に勧めしたい食べ物が「羊肉」。「羊肉」に豊富に含まれる「L-カルニチン」は体を温める効果が高いです。北海道のジンギスカン鍋や中国寒冷地域の火鍋など寒い地域で「羊肉」を食べる習慣は、冷え対策として理に適った食事と言えるでしょう。

冷えの西洋医学的な仕組みとは?

肩こり、不眠、便秘や肌荒れなどを同時に悩みやすい現代人を悩ます「冷え」。冷えの仕組みを医師の視点から見ていきます。

西洋医学的に冷えの原因は

1, 血液の流れの悪さ
2, 体内のエネルギー産生力低下(胃腸機能の低下・食事摂取量の減少、老化)
3, 体温調節を行う自律神経(交感神経:運動や緊張状態で優位になる、副交感神経:リラックス状態で優位になる)の乱れ

などが考えられます。

カラダの中では「手足が冷えやすい」と感じる人が多いですよね。足関節(足首)からつま先は、心臓から最も離れています。下半身で血液が届きにくく滞りやすい場所にある結果として、低温(冷え)につながりやすいです(足先は脇の下の体温より約5度も低い)。

40歳代以上のビジネスパーソンではエネルギー産生能力の低下、もう少し高齢になると新陳代謝の低下や食事摂取量の減少など、年齢によって冷えの原因も変化します。

「冷え」は交感神経が優位になり過ぎた状態で、男女に関係なく起こります。精神的身体的ストレスは「冷え」を悪化させます。ストレス社会に生きるビジネスパーソンは、男女を問わず、入浴やマッサージなど自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。

病気でないなら放置しても良いのでは? と思われがちな「冷え」。実は「貧血、更年期障害、関節リウマチ、月経不順、メニエール病、糖尿病、狭心症、悪性腫瘍(ガン)」など色々な病気の症状の1つとして現れることがあります。

「冷えが病気の直接原因」ではなくても、「カラダ自身が不調を訴えているサイン」とも言えます。「冷え」を感じているビジネスパーソンの皆さんは、食生活を振り返ること、定期的な健康診断や人間ドックなども重要だと私は考えます。

取材・文/倉田大輔(池袋さくらクリニック院長)


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