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【海外で輝く人】「日本とヨーロッパの間に風穴を開けたい」経営者として、母として、私がベルリンで挑戦し続ける理由

2020.01.25

「誰かと知り合いたいと思ったら、知人を2〜3人たどれば繋がるもの。自分の持っているネットワークを最大限に生かすべき。」そう話すのは、山本知佳さん。これまで、ニューヨーク、ヘルシンキ、ロンドンなどを拠点にキャリアを積み、現在はベルリンで「bistream」COOとして、日本企業と、ドイツ・欧州のスタートアップ企業との連携支援や、ベルリン経産省のイベント「Asia Pacific Week」の一部を担う。めまぐるしい日々を送る彼女だが、16時には仕事を終え、家族との時間を過ごすという。経営者として、母として、彼女が挑戦し続けられる理由とは。

「仕事」が自分であり、生き甲斐だった

特定の仕事というよりは、いろんな仕事をしたいと思っていたので、大学卒業後は、銀行や広告代理店などを経て、通信インフラ施設・無線技術を中心とする開発ベンダーノキア・ジャパン株式会社に入社しました。国を超えたプラットフォームを造る業務を担当していたため、実務上の上司はフィンランドに、チームメイトは世界各国にいました。自分自身も、ヘルシンキ、ロンドン、ニューヨークへと仕事の場を移し、新たな仕事にどんどん関わりました。色々な国を訪れるのが楽しく、慌ただしい日々ではありましたが、苦ではありませんでした。

主人の転勤でベルリンに行くことが決まった時には第一子を妊娠中。初めての出産、育児を海外で経験することになるのですが、「もしもベルリンが合わなければ別の場所に移ればいいし、仕事の都合でそう長くはいないかもしれない。」と、あまり深くは考えていませんでした。いわば自分にとっての「産休」と捉えていました。ベルリンで初めて住んだのは、プレンツラウアーバーグという町で、当時、ヨーロッパで一番出産率の高いエリアと言われていました。若い家族が多く、1ブロック歩く間に10台ものベビーカーとすれ違うほど。ベルリンにいる元同僚も、何人か同じタイミングで妊娠していましたし、主人の友人が市役所との手続きなどをサポートしてくれたのも心強かったです。

仕事にも、子供にも、まっすぐ向き合えていなかった

2010年、ベルリンで長男を出産しました。それまで、「世の中のことは何でも知っている」という図々しさがありましたが、出産後は、分からないことばかり。母親として一つ一つ学びながら、子供が日々できることが増えていく様子を見るのは新鮮で、楽しかったです。実は、出産するまで、子供が好きだと思ったことがありませんでした。「仕事=自分」であり、生きがいだったので、生まれてきた子に対して、愛情を持てるのか。邪魔に思ってしまうのではないかと、不安でした。そんな自分が、「まだ近くで成長を見ていたい!」と、復職を拒むなんて、当時は想像もしていませんでした。

息子が1歳になったタイミングで、ノキアに再入社しました。出産前は、「定時」という時間の制限がない中で、達成できることを目標としていたので、時間と業務とのバランスに苦しみました。これまでの感覚では、「できる」と思うことが、9時から17時までに制限されるとできない。そのうち、自分で仕事をセーブしてしまうようになり、それがストレスになりました。仕事をしながらも、「保育園で楽しくやってるかな?泣いてないかな?」と子供のことを考えてしまい、子供と一緒にいるときは、仕事が気になってしまう。どちらも中途半場。海外とやり取りをする私の業務は、夜にwebでの打ち合わせが入ることも多く、時短勤務にはできない。限界を感じ、次男の産休・育休中に、ベビーグッズの会社を起業したのをきっかけに、退職しました。

日本とヨーロッパの間に風穴をあけたい

退職後は、友人の起業サポートなどを経て、2018年より、「bistream」のCo-founder(共同創立者) COOとして、ドイツ・欧州のスタートアップ企業との連携支援事業を行っています。ヨーロッパに進出する企業のサポートや、グローバルリーダーシップを育成するプログラム・社員研修などを中心に、ベルリンの経産省が開催する「アジアパシフィックウィーク」の国際カンファレンスの一部を担ったりと、業務は多岐にわたります。世界のスタートアップの先端で、チャレンジし続けられる環境にいられるのはとてもエキサイティングで、やりがいを感じます。

子供ができてからは、特に複文化・複言語教育にも注目していて、増加する海外で育つ子供達の日本語教育にも関わっています。世界が持続可能であるためには、日本ももっとグローバル化するべき。ベルリンは、その良いモデルであり、それが、しばらくベルリンにいようと思った理由の一つでもあります。外国から移住してきた人が多いので、違う文化に対してオープン。助けあいの精神が旺盛で、私が逆境にいた時に助けてくれたのは、ベルリンの文化です。現在長男は9歳、次男は6歳。子供達が大きくなった頃に、グローバル化している日本を目指し、「bistream」の事業を通じて、日本とヨーロッパの間に風穴をあけたいと思っています。

【取材協力】

bitstream Co-founder, COO
山本知佳
http://www.bistream.de
http://www.startup-dojo.com/

取材・文/岡のぞみ
ライター/広報。営業、留学カウンセラー、広報の仕事を経て会社員10年目に独立。横浜、湘南を拠点に活動。
http://www.tsunagalo.com

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