日本の冬を彩る、クリスマスケーキや恵方巻きなどの〝イベント飯〟。一方で深刻なのが食品ロスの問題で、特に恵方巻きは需要に見合った販売をするよう農林水産省が通達を出したほどだ。
だがその農林水産省が発表した平成28年データによると、日本の食品ロスのうち約45%は一般家庭によるものだという。確かにData1を見ても、一般家庭の食品ロスは世界的にも深刻。その大部分を占めるのは「過剰除去」(Data2)で、例えばブロッコリーの芯など、食べられるのに除去されてしまう野菜や果実類の部位が大量に捨てられているのだ。
また、各国とも外食産業のロスも多い。日本の外食業界で持ち帰りサービスを実施しているのは4割以下(Data3)で、食べきれなければ自動的に食品ロスとなってしまう。さらにData4を見ると、それ以上に深刻なのは宴会と結婚披露宴。確かにこういった場では、大量の料理が出てくるのが常。楽しい席の陰では、大量の食品ロスが発生していたのだ。
つまり恵方巻きを売る小売業界だけをバッシングしても、食品ロスの問題は解決しない。まずは自分たちの食品ロスを減らすことから始めるのが重要だ。
Data1|悪いのは業者だけじゃない!食品ロスの約45%は一般家庭から
食品ロスが多いフランスは、政府が2025年までに50%削減する目標を掲げている。日本政府にも同様の危機意識を期待したいところ。
Data2|食品ロスの大敵!過剰除去を減らすには?
■ 主な食品別の食品ロス率
野菜や果物の皮は過剰除去の対象外。あくまでも本来食べられる部分だけに限られるが、皮を厚くむきすぎた場合は過剰除去となる。
Data3|レストランのお持ち帰り、実施店舗は3割
■ 食べ残しの持ち帰りサービス
■ 実施しない理由
持ち帰りサービスを実施しない一番の理由は「衛生上の懸念」。あくまでも当事者の自己責任でOKにするのは難しいのだろうか?
Data4|ひそかに深刻なのは結婚披露宴と宴会の食品ロス!
■ 食べ残し量の割合(平成27年度)
おもてなしの意味も大きい宴会や結婚披露宴は、どうしても量が過剰になりがち。これも持ち帰りサービスがあればいいのに……。
取材・文/編集部 イラスト/トーマス・オン・デマンド