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ニュージーランドからハリウッドへ!アカデミー賞にノミネートされた経験をもつタイカ・ワイティティ監督が日本のネタで笑わせていた昔の傑作

2020.01.19

■連載/Londonトレンド通信

 タイカ・ワイティティ監督『ジョジョ・ラビット』が1月17日から公開される。アカデミー賞6部門でノミネートされたこの作品と、快進撃を続けるワイティティ監督について、日本ネタで笑わせていた過去作も合わせご紹介したい。

『ジョジョ・ラビット』は、第二次世界大戦末期のドイツを舞台に、少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)を主人公にしたコメディーだ。

Roman Griffin Davis attends the "JoJo Rabbit" European Premiere during the 63rd BFI London Film Festival at Odeon Luxe Leicester Square on October 05, 2019 in London, England. (Photo by Gareth Cattermole/Getty Images for BFI) 

 ワイティティ監督は脚本も書いたほか、役者としてもコメディー部分を担っている。ワイティティ監督が演じているのはアドルフ・ヒトラー、といってもジョジョの空想の中のヒトラー、ジョジョのイマジナリーフレンドだ。ヒトラーを信奉し、ユダヤは悪と思いこんでいる少年の世界で、絶妙のかけあいをみせる。

 後述するが、ワイティティ監督は子役をメインにした作品で成功してきた。役者として絡むのも、脚本家、監督として子供の面白さを引き出すのも実に上手い。

 ほかにも、サム・ロックウェルなど芸達者が支えるコメディー部分は万全だ。

 一方、ドラマを転換させるのが、戦時下ジョジョとの2人暮らしでも笑顔を絶やさない母(スカーレット・ヨハンソン)と、その母にかくまわれていたところをジョジョに見つかってしまうユダヤ人の少女(トーマシン・マッケンジー)だ。

 コメディーとドラマのバランスよく、笑わせ、泣かせ、ほっこりさせてくれる。

(L-R back row) Alfie Allen, Sam Haygarth, Thomasin McKenzie, Taika Waititi, Carthew Neal and (front) Archie Yates and Roman Griffin Davis attend the "JoJo Rabbit" European Premiere during the 63rd BFI London Film Festival at Odeon Luxe Leicester Square on October 05, 2019 in London, England. (Photo by Gareth Cattermole/Getty Images for BFI)

 この13日に発表されたアカデミー賞ノミネーションでは、作品賞、助演女優賞(ヨハンソン)など6つのノミネートとなった。  

 トップは作品賞、監督賞、主演男優賞などメインどころズラリの11ノミネートとなったトッド・フィリップス監督『ジョーカー』だ。

 追ってマーティン・スコセッシ監督『アイリッシュマン』、クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、サム・メンデス監督『1917 命をかけた伝令』が10ノミネートに並んだ。

 続いて、ボン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』、グレタ・ガーウィグ監督『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』、ノア・バームバック監督『マリッジ・ストーリー』とそろっての6ノミネートとなっている。

 作品としては今年度の話題をさらった『ジョーカー』がやはり強かったが、製作/配給では『アイリッシュマン』、『マリッジ・ストーリー』、『2人のローマ教皇』の(『アクション多めでみんなでワイワイできる映画は劇場で、じっくり楽しみたい映画は家で...変わりつつある映画鑑賞スタイルの二極化』でご紹介)Netflixが目立つ。

 アルフォンソ・キュアロン監督『ROMA/ローマ』が3冠をさらった前回から、複数の作品を送り込んできた今回で、Netflixは賞レースにおけるゲームチェンジャーからメインストリームにその位置を変えていきそうだ。

 ちなみに、ヨハンソンは『マリッジ・ストーリー』では主演女優賞ノミネートで、主演と助演の両方に名を連ねた。

 このまま『ジョーカー』が多くの賞を獲得するのか、『ジョジョ・ラビット』がさらうことがあるのか2月9日発表予定の結果が楽しみだ。

 さて、ニュージーランド出身のワイティティ監督はマオリの父とロシア系ユダヤ人の血を引く母を持つ。

 コメディアンとして成功した後、監督としても頭角を現し、監督・脚本・出演の『BOY』(2010)がニュージーランドの興行記録を塗り替え、同じく監督・脚本・出演の『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』(2016)でさらに記録更新、ハリウッド進出を果たした監督・出演『マイティ・ソー バトルロワイヤル』(2017)も成功を収めた。

『BOY』、『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』とも少年を主人公にニュージーランドを舞台にしたコメディーで、ローカル感あふれるところも地元ニュージーランドでヒットした理由だろう。

『BOY』は2018年に日本でイベント上映され、『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』はオンライン配信されている。

『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』は、素行不良の少年(ジュリアン・デニソン)が田舎の夫婦に引き取られていくところから始まる。この少年が時々、俳句を詠む。いや、むしろHAIKUか。日本語のものと違って、英語なので決まりなども違うのだろうが、それにしても、状況をそのまま言ってるだけのようなおとぼけHAIKUが笑いの1つになっている。

 日本ネタとしてはもう1つ、出前一丁が登場する。少年を引き取ることに積極的だった妻があっけなく事故死して後に残された偏屈者の夫(サム・ニール)と少年がひょんなことから野山を逃げまどうシーンだ。

 出前一丁は海外でも出回っていて、日本の袋入りインスタントラーメンでは一番よく見かける。イギリスでは大手チェーンスーパーが扱っていることもありポピュラーだが、ニュージーランドでも似たような状況らしい。

 日本人でなくても食べる人もいるが、もちろん、食べない人もいる。この映画のキャラクターたちは食べない人だったようで...というところで笑いを生む。

 ワイティティ監督の監督・脚本・出演作としては『BOY』と『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』の間にジェマイン・クレメントとの共同監督・脚本で『What We Do in the Shadows』(2014)もあるが、こちらは『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』として日本でもDVDが出ている。

 1つの屋敷でシェアハウスするヴァンパイアをドキュメンタリー形式で観せるモキュメンタリーで、仲間内で撮ったような手作り感が魅力ともなっている変わり種コメディーだ。

 それぞれに評価が高い作品だったが、日本では劇場公開とまではいかず、それほど知られていない。今回の『ジョジョ・ラビット』の勢いで、より多くの人に届くことを期待したい。

Taika Waititi attends the "JoJo Rabbit" European Premiere during the 63rd BFI London Film Festival at Odeon Luxe Leicester Square on October 05, 2019 in London, England. (Photo by Gareth Cattermole/Getty Images for BFI)

文/山口ゆかり
ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。http://eigauk.com

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