
肉・魚を食べない「ベジタリアン(菜食主義者)」をはじめ、卵や乳製品なども口にしない「ヴィーガン(絶対菜食主義者)」をご存知だろうか。そもそもベジタリアンの多い欧米や、宗教上の理由で動物性のものを口にしないインドでは、メジャーな食生活。だが、日本ではその存在を知らない人や、対応が難しい飲食店は、まだまだ少なくない。そんな折、植物性の商品のみを扱う『VEGAN STORE』がオープン。主宰するの鈴木翔子氏に、話を聞いた。
ヴィーガンの食生活を、もっと身近に。
食べたいものを、食べたい時に、食べたいだけーー。そんな、わんぱく志向でガンガンいったのは、いつまでだったか。気がつけば、会食やイベントに備えて食事を調整したり、週末に体を動かしたり。そこにあるのは健康志向だけではない。今や、ジャケットを颯爽と着こなせる健やかな心身は、ビジネスパーソンに必須だ。
そんな背景もあり、さまざまな食生活に注目の集まる近年。なるべくクリーンなものを口にしたいと、ヴィーガンにシフトするビジネスパーソンもいる。また、環境問題への興味関心の高まりや、外国人観光客の増加もあり、ヴィーガンに対応する店の需要も増加中。しかし「日本では、まだまだ少数派」と、『VEGAN STORE』主宰の鈴木氏は言う。
「2020年の東京オリンピックを控えた今、外国人観光客に限らず、日本人にもベジタリアンやヴィーガンは増えています。その対応が、これまでになく盛んにおこなわれているものの、食生活に縛りの多いヴィーガン専門店は少ないのが現状。
もっと、ヴィーガンのための食や商品を身近なものにしたい。原材料表示を見なくても、簡単で安心して購入できる環境をつくりたい。そんな想いで『VEGAN STORE』はできました」
第1号店は、外国人観光客が多く、多様な食生活の人たちが集う東京・浅草。キッチンツールのメッカである合羽橋にもほど近いエリアで、食に興味関心をもつ人たちが国内外から訪れる。
「浅草の第1号店は、実験的な店舗として、現在はラインナップや提供の仕方などを臨機応変に対応しています。ここから全国展開や、自社製造製品の工場化を視野に入れています」。