
出勤前や昼休み終わりにシャキッとしたい時、コーヒーにお世話になっているというビジネスパーソンは多いことだろう。
そんな眠気覚ましに大活躍するコーヒーが実は、乾燥肌、内側から感じる冷え、体型の変化などを解決する一助になるかもしれないことをご存じだっただろうか?
そこで今回、美味しくて、身体にうれしいコーヒーの魅力を紹介していく。
飲むだけ”で美肌効果UP
■「カフェイン酸」はアンチエイジング&美肌効果あり
美肌に見せる1つのポイントとして、季節関係なく日に日に蓄積されていく「シミ」の存在がある。
シミのもととして知られるメラニンは紫外線などのストレスを受けると産生が促進される。シミの原因になるメラニンの産生を抑えるには、高い抗酸化作用があるカフェイン酸(ポリフェノール)が有効だ。
角化細胞と色素細胞が直接触れないようにフィルターを置いて培養。クロロゲン酸が投入されるとメラニンの生成が約3倍抑制された。また、コーヒーの抗酸化作用は、身体が錆びないようにし、美しくハリのある肌をサポートしてくれる。
出典:コーヒー豆の健康・美容力 安藤秀哉、東勇佑、市橋正光「新試験法を用いたコーヒーポリフェノールのメラニン生成とメラニン移送の抑制作用評価」フレグランスジャーナル Vol40(11):32-36.2012 安藤秀哉、市橋正光「メラニン生成抑制剤の評価とメラノソームトランスファーメカニズムに関する最新情報」フレグランスジャーナル Vol40(9):35-39.2012 神戸大学 市橋正光名誉教授(現在、再生未来クリニック神戸院長)の研究
コーヒー摂取は冷え性の対策にも
■コーヒーに含まれる「ポリフェノール」が冷え性改善の元
「コーヒーは身体を冷やす」とも思われていることもあるが、実は、コーヒーに含まれる成分「コーヒーポリフェノール」は、冷え性改善の対応の役割を果たすことを示唆する研究結果が発表されている。
コーヒー豆由来のコーヒーポリフェノール(CPP)には、血圧と血管内皮機能に有益な効果がある。
乾燥した皮膚に対するCPPの影響と、寒さによるストレスで変化する皮膚温度の回復率(RR)を調査した結果によると、 4週間、毎日297.8mgのCPPを含む飲料を摂取した被験者は、頬の皮膚のうろこ状の滑らかさが著しく改善された。
冷たさによるストレスを与えた後の皮膚の改善が見られたことから、コーヒーポリフェノールは血流調節に役割を果たすと言えそうだ。
また、コーヒーには脂肪燃焼効果があることも研究で明らかになっている。脂肪燃焼が行われるとともに、 体の代謝が促進されることで、血行をサポート。冷え性改善を助ける。
出典:Ueda S, et al.: Ingestion of coffee polyphenols Improves a scaly skin surface and the recovery rate of skin temperature after cold stress.J Nutr Sci Vitaminol 2017; 63:291–297.Kurobe K, et al.: Combined effect of coffee ingestion and repeated bouts of low-intensity exercise on fatoxidation. Clin Physiol Funct Imaging 2017; 37: 148-54.
■組み合わせで美味しくさらにぽかぽか
コーヒーのポリフェノールに他の要素を組み合わせることで、より冷え性改善効果が高まることも。
体を温める食材で代表的な生姜と組み合わせた「ジンジャーコーヒー」、血行の促進し、体を芯から温められるアーモンドミルクと合わせた「アーモンドミルクラテ」など、味わいの変化も楽しみながら冷え性対策をしてみては?
出典:http://www.kimameya.co.jp/mame/ginger.html
https://cafend.net/coffee-onkatsu/
痩せやすい体型づくりにも効果アリ
■代謝を高め、脂質がつきにくい体に
コーヒーの習慣的な摂取が脂質代謝に影響したという研究結果も出ている。47人の被験者に臨床試験を行い、1カ月目はコーヒーの摂取を控えてもらい、2カ月目は1日4杯のコーヒーを、3カ月目は1日8杯のコーヒーを摂取してもらう調査が実施された。
それぞれの段階で、細胞中にあるリピドーム(脂質の総体)を空腹時に採血されたところ、脂質成分のホスファチジルコリン種に有意な低下が認められたと言う。
出典:Kuang A, et al.: Lipidomic response to coffee consumption. Nutrients 2018; 10: 1851-62.
■食後血糖値を抑えて脂質増加を防ぐ
また、コーヒーは食中・食後に飲むことでポリフェノールが作用し、血糖値を抑える動きをする。そうすることで、食後の血糖値上昇をケアすることができる。普通、血糖値が急激に上がると、血液内の糖分が脂質に積極的に変わることで血糖値を下げようとする。
血糖値が上がりすぎると、体は糖分濃度を下げようと働きかけるものですから、体内の脂質が増加する可能性を常にはらんでいることになる。血糖値を抑えるコーヒーは太りにくい体の仕組みを作るのに大切な存在と言える。
高血圧、高血糖 、高血中脂質の“トリプルリスク”を下げる
■「ポリフェノール」が健康リスクを軽減し、健康を助ける
血圧・血糖・血中脂質は、どこか1つでも高くなると、残りの2つも高くなる「トリプルリスク」を誘発する可能性がある。3つのうち、1つでも高いままで放置していると、脳梗塞や心筋梗塞などの大きな病気にも繋がり得る。
高血圧・高血糖・高血中脂質、それぞれに対して、コーヒーに含まれるポリフェノールが効果を示している。
2017年発表の論文では、コーヒーを1日3~5杯摂取する集団が心血管疾患や冠状動脈性心疾患、脳卒中の発症リスクが最も低いことが明らかにされた。また、コーヒー1日3杯で全死因リスクが最も低かったうえに、がんについては1日のコーヒー摂取量が多い人の方が低い人よりも発症リスクが低いこと、2型糖尿病でもコーヒー1日1~6杯の場合は摂取量が増えるほど発症リスクが低いことが示された。
出典:Poole R, et al.: Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes. BMJ 2017; 359: j5024-42.
1日3杯のレギュラーコーヒーでポリフェノール効果が持続
美容や健康効果をサポートするコーヒーのポリフェノールは、代謝が良く、体に吸収しやすい性質を持っている。脂肪燃焼で、持続的な効果を得るためには、1日数回の摂取がより効果的だ。
コーヒーの目安は1日およそ3杯。ポリフェノールは、実は代謝が良いという特徴があり、コーヒーの摂取後、体内のポリフェノールは1~2時間後にピークを迎え、4時間ほどで検出量が少なくなるという研究結果が出ている。
つまりポリフェノールは代謝がよく、身体に吸収されやすい性質を持っているため、一度に大量に摂取しても体内に長く留まらない。体内で発生した活性酸素に対し抗酸化作用を期待するには、食後や休憩時間にコーヒーをこまめに摂取することが大事なのだ。
中でも、レギュラーコーヒーの140mlあたりのポリフェノール含有量はインスタントコーヒーの約5倍。レギュラーコーヒーなら、より多くのポリフェノールの効果が期待できそうだ。
出典:Renouf M, et al.: Measurement of caffeic and ferulic acid equivalents in plasma after coffee consumption: smallintestine and colon are key sites for coffee metabolism. Mol Nutr Food Res 2010; 54: 760-6.
:Unno T, et al.: Analysis of (-)-Epigallocatechin gallate in human serum obtained after ingesting green tea. BiosciBiotech Biochem 1996; 60: 2066-8.
:Ohmori R, et al.: Antioxidant activity of various teas against free radicals and LDL oxidation. Lipids 2005; 40: 849-53.
:https://www.ucc.co.jp/company/research/health/
: https://www.ucc.co.jp/enjoy/polyphenol/
毎日にコーヒーの習慣を
乾燥した肌や健康リスクにも効果が高いコーヒー。体のためを思って飲むのはもちろん、気持ちをリラックスさせるためにも効果的なドリンクだ。
コーヒーと精神的ストレスの関係に迫った研究によると、ストレスの多い作業を行った後にコーヒーを飲んだ被験者の方が、お湯を飲んだ被験者よりも大幅にストレスが軽減されることがわかった。
食後にほっと一息つきたい時、頭をリフレッシュさせたい休憩中など、毎日の習慣にコーヒーを取り入れることで生活がぐっと豊かになりそうだ。
出典:Yamato T, et al.: Relationship between coffee drinking and reduction of mental stress in young women. Food SciTechnol Res 2005; 11: 395-9
出典元:UCC
構成/こじへい