2020年の食トレンドは〝ジューシーな酸味〟
グルメジャーナリスト 東龍さん
美食、トレンド、食の在り方から飲食店の課題まで独自の切り口で取材、執筆。(一社)日本ブッフェ協会代表理事。
「今や発酵ブームは世界的に広がり、健康=酸味がトレンドに。2020年は酸味をおいしく食べられるジューシーな料理に注目です!」と、話すのはグルメジャーナリストの東龍さん。
そして、2020年は2019年に続き世界的なスポーツの祭典の開催地となる東京に、訪日観光客が大勢やってくる。
「アフリカ勢や南米のマラソン選手の活躍も期待され、いまだ知らぬ北アフリカ以外のアフリカ料理、さらに、経済大国として勢いのあるブラジル料理も盛り上がりそうです。多くの菜食主義者が訪れることも見込まれるため、精進料理から転じた和のビーガンも脚光を浴びますよ! ヘルシーなおいしさに注目です」
【TREND 1】アフリカ
しっとりとした炊き込みご飯やクスクスと、煮込みが好相性。
熱帯音楽酒場ロス・バルバドス
住所:東京都渋谷区宇田川町41-26パピエビル104
豆や葉野菜が多く、思いのほかヘルシーなのがアフリカ料理。『プーレ・ヤッサとクスクス』はジューシーさと酸味が相まって食が進む。
「アフリカは南米やヨーロッパとのつながりも深い。数年前にコンゴを訪れた際に現地の食の豊かさに接し、日本では珍しいサハラ以南のアフリカ料理に特化しました」(店主の上川夫妻)
10席のカウンターのみの店内は様々な国籍の客で連日にぎわう。ベジタリアン、ビーガンも多い。
ガーナやナイジェリアで愛されるご飯
『ヴェジタリアンのジョロフライス』1500円(税込み)
豆と野菜の炊き込みご飯。肉の代わりに豆煮込みやプランティン(揚げバナナ)を添えることも。ビーガンもOKだ。
西アフリカの鶏肉のレモン煮込み
『プーレ・ヤッサとクスクス』1350円(税込み)
サハラ以南によくあるピーナッツのシチュウ
『マフェとチェレ』1450円(税込み)
【TREND 2】ブラジル
ブラジル料理はシュラスコだけじゃない!ブラジリアンバルで1杯が合言葉。
ボテッコ ボンフルート
住所:東京都中央区日本橋人形町2-1-7リビオ日本橋人形町105
2019年2月、シュラスコ以外のブラジル料理と肉を謳ってオープン。オーナーの山田哲平さんは現地に4年半住み、ブラジル人シェフと共に作ったレシピも多い。ヤシの新芽(パルミット)は、ブラジルではサラダとしてよく食べられる食材。「ホワイトアスパラガスと筍を合わせたような独特の食感で、日本人にも好まれるはず」(東龍さん)
独特の食感で癖になる味わい
『ヤシの新芽』650円
ブラジル北部代表のエビの煮込み
『エビのブラジル風煮込み〝ムケッカ〟』1380円
濃厚なエビだしのムケッカとワインの口中マリアージュでジューシーな酸味に!
【TREND 3】ビーガン
野菜が本来持つエキスにジューシーさとやさしい酸を感じる。
ヴィーガンレストラン菜道(さいどう)
住所:東京都目黒区自由が丘2-15-10
「ベジタリアン向けレストラン検索サイトの大手『HappyCow』で、11万店以上の中から日本の『菜道』がベストビーガンレストランに選ばれました。和のビーガンや精進料理が脚光を浴びそう」(東龍さん)
菜道は菜食主義でなくても楽しめる「日本のB級グルメなビーガン料理」がコンセプト。麺や丼もあり、本格和食で食べごたえ十分。
夜は低糖質ワインやビーガン日本酒とともに!
『前齋盛り合わせ』1500円
ディナータイムは和食をタパススタイルで堪能できる。ビーガンワインもあり。
ギルトフリーな麺料理を存分に
『温齋麺』1300円
取材・文/はまだふくこ