[レオナルド・オフィチーナ・イタリアーナ]
レオナルド万年筆・フローレコレクション別注カラー「Caraibi」
近頃ではすっかり、ペンをとって文章をしたためることは少なくなった。確かに手軽で正確、スピード感にも優れるデジタルな文章も有用だが、人に気持ちを伝えたいときに、誰が書いても同じではない、字に心が宿る手書きで手紙を送ることは、忘れてはならない文化のように思える。お気に入りの万年筆を書斎に用意しておくのは、紳士の嗜みのひとつではないだろうか。
万年筆の愛好家ならば、1982年に南イタリア・パレーテで創業したブランド「デルタ」をご存じだろう。このブランドは1994年にナポリで開催された「G7サミット(先進国首脳会議)」にて、各国首脳による調印式で公式筆記用具として使用されるなど、万年筆メーカーとしては後発ながらも、その確かな品質は世界が認めるところであった。
車輪を組み込んだローリングウィールクリップなどの独自のシステムを開発し、南イタリアの職人による手作業で製造される「デルタ」の万年筆だったが、なんとブランドは2017年に突如廃業。現在は在庫のみを手に入れることができる状態となっている。
この記念すべき別注カラーモデルは世界で50本の限定。ペン軸にはあなただけのシリアルナンバーが刻印される。
そして2018年、ナポリ近郊の都市カゼルタにある45年以上の歴史を持つ工房にて、筆記用具メーカー「レオナルド・オフィチーナ・イタリアーナ」が誕生する。このブランドのプロデューサーこそ、あの「デルタ」の創業者の一人であったことは、万年筆ファンたちを大いに驚かせた。
まるでカリブの海の底から海面を見上げたような、深いネイビーの模様が美しいレジン製のペン軸。
「デルタ」直系のまるでアートのようなペン作りと、長い歴史と確かな技術を持つ職人たちの融合。高級万年筆の代名詞であるレジン素材の削り出し製法や、「デルタ」譲りのローリングウィールクリップ、それを一本ずつ手作業で作り出す職人たちの情熱が込められた製品は、長年の使用に耐えるよう、幾多の製品チェックをパスしたもののみが世に送り出される。
こちらの記事も読まれています