
CaaS[カース]
同じ略だが、IT用語であるContainer as a Service、自動車業界で用いられるCar as a Service、Fintechの分野で使われるCard as a Serviceなど異なる内容を指すことがあるので、注意が必要。このうちCar as a Serviceは、その名のとおり「サービスとしての自動車」という意味で、自動車を活用したサービスを指す。MaaS(Mobility as a Service)と同じ文脈で語られることが多い。
IDaaS[アイダース]
Identity as a Serviceの略でIDなどログイン情報をクラウド上で管理するサービス。自社でプラットフォームを準備するのではなく、IDaaSのようなサービスを活用することで、セキュリティーを向上しつつ管理の手間を省くことができる。なおひとつのIDとパスワードで認証を行なうことで、複数のWebサービスやクラウドサービスにアクセスできる「シングルサインオン」も、IDaaSに求められる機能のひとつだ。
MaaS[マース]
Mobility as a Serviceの略で、サービスとしての移動手段のこと。電車、バスなど様々な移動手段をクラウド化してひとつのプラットフォーム上で組み合わせて、必要な時に必要なところへスマートに移動できるようにする取り組み。自動車のライドシェアやタクシーの配車サービスなども含めて交通手段全体をMaaSとしてとらえ、シームレスに利用できようにするという考え方のほかに、自動車についてはCaaSとして分ける考え方もある。
RaaS[ラース]
Robot as a ServiceまたはRobotics as a Serviceの略で、ロボットの制御をクラウド経由で行なう仕組み。または必要な時に必要なところへロボットをサービスとして提供するビジネスモデルのこと。クラウドを活用することで導入から運営までのスピードが速く、ニーズの変化にも素早く対応できるメリットがある。またロボットをシェアすることで導入コストを大幅に削減できるとして、注目されている。
SaaS[サース]
Software as a Serviceの略。クラウドで提供されるソフトウェアをネットワークを通じて利用できるサービス。こうしたサービスを提供する事業者およびビジネスモデルをApplication Service Provider(ASP)と呼ぶ。ASPの提供するサービスの多くは月額料金を支払うサブスクリプション型になっていて、近年多くのソフトウェアがライセンス型からASPによるサブスクリプション型に移行している。
取材・文/太田百合子