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朝思い出せないことでも夕方まで待つと思い出せるのはなぜか?

2020.01.09

 普段は念頭にない物事を思い出すことは特に齢を重ねるほどに難しくなるものだ。そうした切実なニーズもあってか、いくつもの“脳トレ”が提案されているが、最新の研究からは物事をよりよく思い出すには時間帯が鍵を握っていることが指摘されている。

朝思い出せなくとも夕方まで待つと思い出せる?

 物事を思い出す能力を計測するのは実は意外に難しい。一度は記憶していた物事がどうも思い出せないというケースと、そもそも記憶していなかったために思い出しようがないというケースを判別するのが難しいからだ。

 東京大学・生物化学研究室の研究チームが2019年12月に「Nature Communications」で発表した研究では、マウスを使って1日のさまざまな時刻に記憶力テストを課す実験を行った。ここで使われた記憶力テストは学習したことを思い出すことができるのかどうかを判別するために専用設計されたテストである。

 研究チームは1日の異なる時間にマウスに記憶力テストを課し、さらに“体内時計”であると考えられている「Bmal1」という遺伝子発現を司るタンパク質を欠損させたマウスも実験に用いられた。Bmal1欠損マウスは当然、その体内時計を失う。

Neuroscience News」より

 実験データを分析した結果、Bmal1欠損マウスはテスト成績がより悪くなる有意の傾向が見られた。したがって記憶の想起能力に体内時計が関係していることが示唆されることになったのだ。Bmal1欠損マウスは物事を記憶することはできるのだが、思い出す能力が著しく損なわれていたのである。

 Bmal1のレベルは1日を通じて変動しており、通常起床時には低く、就寝時に高くなっている。健康なマウスであっても、Bmal1のレベルが低い起床時は、物事を思い出す能力は低下していた。したがって午前中に何か思い出せないことがあったとしても、夕方近くまで待ってあらためて思い出してみるとうまくいくのかもしれない。

 研究チームは記憶の検索におけるBmal1の役割を脳の海馬の領域まで追跡したところ、Bmal1が記憶に深く関係しているといわれている海馬で神経伝達物質・ドーパミンの情報伝達が活性化されていることが突き止められた。

 研究チームはBmal1の1経路を介して記憶の回復を促進する方法を特定できれば、認知症やアルツハイマー病などの記憶障害の治療への道が拓けることを指摘している。しかしながら体内時計がどうして記憶形成や記憶想起に影響を及ぼしているのかは依然として謎のままであるというから興味深い。

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