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待ち続けた14年の間に何が起こった?日本人で初めて宇宙旅行に行く稲波紀明さん

2020.02.08

宇宙旅行予定者

サラリーマンにとって宇宙旅行なんて夢のまた夢。そう思っている人も多いのではないだろうか? だが、実は日本の民間人として初めて宇宙に行くのは、どこかの通販サイトの前社長ではなく、申し込み時28歳で一般企業に勤める稲波さん。宇宙旅行に行く方法をレクチャーいただいた。

稲波紀明さん

船井総合研究所 稲波紀明さん
大学では宇宙物理学を専攻。現在は船井総合研究所シニアエキスパート兼宇宙ビジネスコンサルタントとして、企業のサポートを行なう。

■ ちなみに今のお値段は……

出発地:米国ニューメキシコ州 宇宙港「スペースポートアメリカ」
参加料金:1人当たり25万米ドル(約2650万円)
※宇宙旅行フライト費用と3日間の準備訓練費用を含む
参加条件:18歳以上で一般的に健康な方(年齢の上限はなし)
問い合わせ先:http://www.club-t.com/space/
※クラブツーリズム・スペースツアーズHPより

宇宙旅行

 2018年12月、宇宙旅行会社・ヴァージン・ギャラクティック社が、宇宙空間(82.7km)への有人試験飛行に成功。ついに民間宇宙旅行が現実味を帯びてきた。同社の宇宙旅行の初便に搭乗する予定の稲波さんに話を聞いた。

――稲波さんが予約された宇宙旅行とはどのようなものですか?

 トータルフライト3時間で宇宙空間には5分間滞在します。最高高度は約80kmの予定で、無重力が体験できるほか、水平線が丸く見えるそうです。外は真っ暗な空間が広がり、またたかない満天の星が楽しみです。「ヴァージン・ギャラクティック」が販売している旅行を国内の代理店を通して購入しました。

 ニュースで参加者の募集を知り、当初、日本人枠は1名でしたので、軽い気持ちで申し込みました。抽選の結果、まさかの優先順位2番目に。当選者の方が辞退されたので、繰り上げで当選しました。2005年当時はまだ宇宙船もできていなかったので、実際に当選してもキャンセルするほうが普通だったのかもしれませんね。

――旅行代金2000万円を一括現金で支払ったと伺いました。その時の心境は?

 学生時代から質素な生活を送っていましたし、投資もしていて貯金がありました。旅行がキャンセルになる場合は全額返金ということだったので、リスクはそれほどないかなと。どこかにお金を預けるような感覚でしたね。一方で、当時はスペースシャトルの爆発事故も記憶に新しく、宇宙に行くこと自体にやはり不安もありました。一晩悩んだのですが、結局その時にわかっている情報だけでは結論は出ないので、それなら挑戦してみようと申し込みました。

宇宙旅行 表

待ち続けた14年の間に何があったか?

――宇宙旅行に向けて訓練は行なっていますか?

 6Gの重力加速度訓練に参加しました。血圧より重力が強くなるので、脳に血が行かず意識が飛びそうになったり、眼球が歪んで視野が狭くなったりしましたが、訓練を通じて6Gの耐え方を身につけました。

――宇宙旅行者向けの説明会が開催されたと伺いましたが。

 11月中旬に、最初に宇宙旅行に申し込んだ100名、通称「Founder(ファウンダー)」向けに説明会が開催されました。今回は行程の説明から家族のケア、宇宙服の試着まで具体的な内容でした。

――ご家族や勤務先はどのようにおっしゃっていますか?

 妻とは宇宙旅行のイベントを通じて知りあったので、むしろ行ってきて、という感じです。勤めている船井総合研究所は、申し込み後に社風に惹かれて転職しました。宇宙旅行と仕事を両立しながら夢を追いかけられるように応援していただいています。社長のすすめもあって、2020年からは宇宙ビジネスのコンサルティングを行なう部門に就きます。

――これまでにトータルでかかった金額を教えてください。

 3000万円くらいですかね。旅行代金以外にも費用がかかります。カリブ海に住むヴァージン社代表のリチャードの家に招かれる機会もあったのですが、招待状の最後には宿泊費の明細書がありました(笑)。

――宇宙旅行に行きたい読者に向けてアドバイスをください。

 宇宙は夢でもあるし、希望でもあります。申し込めば世界が拓けます。宇宙旅行はいろいろなベンチャー企業が参画しようとしているので、行ける道はこれからいくらでもあるはずです。

 宇宙旅行は安くはないが、稲波さんにとって家族や仕事、そして、この14年間の待ち時間はお金では買うことができないすてきな〝運用益〟だったといえるだろう。宇宙ではSNSが使えるそうだ。稲波さんの「宇宙なう」に「いいね!」する日を楽しみに待ちたい。

リチャード・ブランソン氏

ヴァージングループ創業者のリチャード・ブランソン氏(右端)と稲波さんご一家。家族で訪れたが、宿泊費、交通費とも自腹だったそう。

ファウンダー向けのウエア

11月の説明会で提供されたファウンダー向けのウエア。申込者にはヴァージンから定期的にレポートとプレゼントが贈られてくるそうだ。

2008年の無重力訓練での一コマ

2008年の無重力訓練での一コマ。現在では42歳になった稲波さんだが、それでも参加者の中では最年少。読者の皆さんもまだまだ行けます!

取材・文/井上榛香

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