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東京五輪、W杯最終予選、森保体制の真価が問われる2020年の見どころ

2020.01.05

 アジアカップ(UAE)準優勝に始まり、久保建英(現・マジョルカ)のレアル・マドリード移籍、本田圭佑のフィテッセ在籍1か月での電撃退団、横浜F・マリノスの15年ぶりのJ1制覇…とさまざまな出来事のあった2019年が終わり、2020年がついに幕を開けた。
 東京五輪イヤー最初のビッグマッチは、新国立競技場のこけら落としとなった元日の天皇杯決勝。アンドレス・イニエスタやルーカス・ポドルスキらスター選手を揃えるヴィッセル神戸が鹿島アントラーズを2-0で下し、初戴冠を達成。元スペイン代表FWダビド・ビジャの現役引退に華を添えた。このビッグマッチを皮切りに、日本サッカーの新たな1年がスタートすることになる。

注目選手筆頭は南野拓実!

 2020年最大の注目選手と言えば、やはり南野拓実(リバプール)だろう。2015年1月から過ごしたオーストリアの強豪・ザルツブルクから欧州王者のビッグクラブ移籍を勝ち取りった24歳のアタッカーは、早ければ1月5日のFAカップ3回戦・エバートン戦でデビューすると見られる。
 かつて香川真司をスターダムに押し上げた名将、ユルゲン・クロップ監督も「タクミは本当にいい選手。だから獲得したんだ。どうすれば100%の彼を見ることができるか我々は探っていくし、様子を見ていく必要がある」と長期的な視野で成長を促す考えを示しているが、フィオレンティーナやローマ時代とは激変したモハメド・サラーのような生粋の点取屋に改造される可能性は少なくない。実際、香川もドルトムント時代はゴールを量産できるフィニッシャーとして成功を収めている。セレッソ大阪の後輩に彼もそういった怖いゴールハンターに変貌できれば理想的。昨年10月のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)リバプール戦で見せた豪快なゴールをコンスタントに奪える選手になってくれれば、出番も増えるはずだ。

 今のところ、リバプールの前線にはサラーを筆頭に、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネといった強力3トップが君臨する。控えにもディボック・オリギやシャルダン・シャキリが控えていて、その牙城を崩すのは容易ではなさそうだが、シャキリには今冬の移籍の噂がある。サラーも来年夏にはレアル・マドリードなど別クラブへ赴くのではないかと言われているだけに、それが実現すればチャンスは広がる。ザルツブルクで5年間もじっと耐えてきた我慢強い南野ならどんな苦境でも辛抱して飛躍のチャンスをつかめるはず。とにかく今年は彼の一挙手一投足を見守るしかない。

日本代表のアジア最終予選は9月からスタート、五輪代表はどうなる?

 その南野が軸を担う日本代表も今年は2022年カタールワールドカップアジア最終予選が9月から始まるため、そこに向けて力をつけなければならない。2019年の2次予選前半戦は南野の4試合連続ゴールもあって4連勝していて、次のステージ進出は確実視されているが、最終予選になれば対峙する相手のレベルが大きく異なる。2019年アジアカップで伏兵・カタールに敗れてアジア王者の座を逃している日本にとって困難な戦いになるのは間違いない。昨年末のEAFF E-1選手権(釜山)でライバル・韓国に完敗を喫したのを見ても分かる通り、森保一監督率いる日本代表はこのところ停滞感が色濃く感じられる。それを払しょくしなければ、カタール行きも8強入りという悲願達成も見えてこないだろう。

 その前にやらなければならないのが、自国開催の東京五輪メダル獲得だ。森保監督が「金メダルを目指す」と公言している通り、日本は1968年メキシコ五輪銅メダルを超える成功を義務づけられている。タレント的にはレアルのお眼鏡に叶った久保建英、バルセロナの一員になった安部裕葵、オランダ名門のPSVにステップアップした堂安律、A代表の守備の要に成長した冨安健洋(ボローニャ)らタレントは数多くいるのだが、彼らを簡単に招集できないのが指揮官の最大の悩みの種である。

協会も欧州駐在スタッフ2人体制に増員、自国開催の五輪招集に奔走

 サッカーの場合、所属クラブから代表に選手を呼べるのは、インターナショナルウイーク(IMD)のみ。現状だとIMDは3・6・9・10・11月の約10日間。ワールドカップやアジアカップなど主要大会を含めても、年間数十日しかない。長期合宿を行って2019年ワールドカップで8強入りしたラグビー代表のようなわけにはいかないのだ。

 加えて言うと、そのIMDで選手拘束力があるのはA代表だけ。五輪というのは選手拘束力がなく、欧州クラブから見れば「単なるU-23の世界大会」でしかない。2016年リオデジャネイロ五輪の時も、エースFW久保裕也(ヘント)を呼ぶため、手倉森誠監督(現長崎監督)と日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長(現山口監督)が奔走し、何年も前からクラブに足を運んで内諾を取り付けていたのだが、直前になって「CL予備戦に久保が必要になったから五輪には派遣できない」とクラブ側が拒否。久保のリオ五輪参戦は叶わず、鈴木武蔵(札幌)を追加招集する羽目になった。

 今回も同じことが起きれば、ベストチームとはほど遠い編成で自国開催の五輪に挑まなければならなくなる。それを避けるため、協会も欧州駐在スタッフ2人体制に増員。森保監督も2月以降は久保や堂安、富安らの所属先に通って協力を取り付ける努力をさらに進めていく考えだ。ただ、日本にとって重要な五輪前の前哨戦と言われる1月のAFC・U-23選手権(タイ)でも、欧州組で招集できたのは食野亮太郎(ハーツ)1人だけだった。その現状を踏まえると、7~8月の本番はどうなるか分からない。オーバーエージ枠に大迫勇也(ブレーメン)や柴崎岳(ラコルーニャ)を加えるという話もどうなるか未知数。流動的な状況下で金メダルを取りに行くというのは至難の業を言うしかない。

 しかしながら、東京五輪で一定の成果を残さなければ、9月からのカタールワールドカップ最終予選に響くのは必至。森保監督の去就問題にも発展するだろう。すでに指揮官の手腕に関しては疑問の声が高まっているだけに、東京五輪の戦いぶりいかんでは、代表の根底を揺るがすような問題に発展しないとも限らない。それだけにこの半年間は極めて重要だ。協会は森保監督の兼任体制を継続する意向のようだが、目先の東京五輪を優先させようと思うなら、指揮官はU-23日本代表の活動に専念すべき。その間のA代表は関塚隆技術委員長なり別のスタッフが見る形を採るしかないのではないか。明るい未来を描くためにも、協会にはしっかりとした舵取りをお願いするしかない。

 本田圭佑の移籍先がどうなるのか、久保建英はレアルに戻れるのか、安部のバルセロナトップ昇格は叶うのか、若い世代のさらなるブレイクはあるのか…など他にも興味深いテーマは数多くある。2020年が日本サッカーの重要なターニングポイントになる可能性も大いにある。この1年の動向を慎重かつ冷静に見極めたいものだ。

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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